Quai Des Orfevres

カンヌ・ヴェネチア・ベルリンの三大映画祭を制した名匠アンリ＝ジョルジュ・クルーゾーのキャリアを代表するフレンチ・ノワールの古典。ナチスドイツ占領下で活動停止を強いられたクルーゾー監督が、同業の映画監督ジャック・ベッケルや詩人・映画作家のジャン・コクトーらの友人たちの後押しによって発表した戦後復帰作。
本作で見事ヴェネチア国際映画祭監督賞を受賞した。現在においても高い評価を受け、「アンリ＝ジョルジュ・クルーゾーが、戦後のフランスの混乱と、社会闘争と犯罪行為を分ける境界線を取り上げた、魅惑的なノワール作品」と評されている。人物描写に重きをおいたサスペンスを作らせたら右に出るものがいないクルーゾー監督の本領が発揮された作品。また当時は描写するのが難しかったLGBTQに関する表現も見事にドラマに組み込まれ描かれているのも、製作年を考えると非常に先駆的である。
主演はフランス演劇界の巨星ルイ・ジューヴェ。本作は殺人事件を解明する偏執的だが人情味ある警部を印象的に演じる。現在においても高い評価を受ける古典的傑作が、美麗4Kレストア版で蘇る。特典にオリジナル予告編を収録、作品解説ブックレットを封入。
国内初ブルーレイリリース！


＜スタッフ＞
監督・脚本：アンリ＝ジョルジュ・クルーゾー
製作：ロジェ・ド・ヴェンルー、ルイス・ウィプフ
原作：スタニスラス＝アンドレ・ステーマン
撮影：アルマン・ティラール
編集：シャルル・ブレトネイシュ
音楽：フランシス・ロペス

＜キャスト＞
ルイ・ジューヴェ
シュジー・ドレール
ベルナール・ブリエ
シモーヌ・ルナン
シャルル・デュラン

＜ストーリー＞
1946年、戦後まもないパリの下町。年下の歌手ジェニーと結婚し彼女のピアノ伴奏を務めるモーリスは、妻の浮気が心配で仕方がなく、二人の間には喧嘩が絶えなかった。自分を売り込むためジェニーが裕福で好色な老人ブリニョンと近しい関係にあることを知ったモーリスは、拳銃を手に彼の邸宅に向かう。しかし、そこで彼が見たのは、何者かによって殺害されたブリニョンの死体だった。

劇場公開：1949年7月5日