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“あいつ”がビルの屋上から落下して死んだ。遺言代わりに残された16ミリカメラに映っているものは、町の風景を乱暴に撮っただけの映像だった。“あいつ”が見た風景をたどるうちに現実と映画の境界が融解していき……。
全共闘運動が行き詰まりを見せ、大衆路線から離反し過激化しだした頃、ひとりの学生運動家が撮りかけの映画を残して死ぬ。彼はなにを撮ろうとしたのか? そもそも男は本当に実在したのか? 無数の謎が反響する迷宮の中で、アンチロマン風のはてしない問いかけは、やがて男の残したフィルムをめぐって、均質化されたどこにでもある風景を射つべき「東京風景戦争」と名づけられた追幻想に収斂され、終わりなくメビウスの輪をたどっていく。当時、映画のみならず、写真や都市論の分野でも、多くのイデオローグを巻き込んで、盛んに論議された風景論を実践した作品として注目を集めた問題作である。
【映像特典】
収録:劇場用予告篇、フォトギャラリー
【封入特典】
解説リーフレット=特別インタビュー:後藤和夫 エッセイ・作品論:原將人、平沢剛、他 責任編集:木全公彦 全48頁
【スタッフ】
監督:大島 渚
脚本:原正孝、佐々木守
撮影:成島東一郎
音楽:武満徹
美術:戸田重昌
【キャスト】
後藤和夫、岩ア恵美子、福岡杉夫、大島ともよ
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