Now-yearbook 1981 (Limited Special Edition)

大好評の〈NOW〉シリーズによる ”年鑑” コンピレーション、「1983年」「1984年」「1982年」に続く最新作は、いよいよ佳境、24時間ポピュラー音楽のビデオクリップを流し続ける MTVチャンネルの放送がスタートした「1981年」にフォーカス。

MTVの開局より４ヶ月早い1981年４月にスタートした「ベストヒットUSA」にかじりついていた日本のナウな洋楽ファンにとっても、この年の話題はやはりニューウェイヴ〜ニューロマンティックの台頭でもちきり。そんな諸兄姉の青春のBGMともなった、ヒューマン・リーグ「Don't You Want Me」「Love Action (I Believe In Love)」、デュラン・デュラン「Girls On Film」「Planet Earth」、ジャパン「Quiet Life」、ヴィサージ「Fade To Grey」、ウルトラヴォックス「Vienna」、スパンダー・バレエ「Chant No.1 (I Don't Need This Pressure On)」、ソフト・セル「Tainted Love」、ABC「Tears Are Not Enough」、アダム＆ジ・アンツ「Prince Charming」「Antmusic」「Stand And Deliver」、オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク (OMD)「Souvenir」など、USチャートをジャックした「第２次ブリティッシュ・インヴェイジョン」ムーヴメントを象徴する、ビジュアル戦略にも優れたニューウェイヴ〜ニューロマンティック勢の本命80sアンセムが今回めじろ押し。

また、クイーンとデヴィッド・ボウイ 一世一代のコラボレーション「Under Pressure」をはじめ、MTVの記念すべき第１回目で放送されたザ・フー「You Better You Bet」、かなりの高予算で制作されたというミュージックビデオも話題を呼んだエレクトリック・ライト・オーケストラ「Hold On Tight」、前年のオリビア・ニュートン・ジョンとのデュエット「Suddenly」でも20年選手の貫禄を見せつけたクリフ・リチャード「Wired for Sound」、さらに、前年12月に亡くなり、この年の全英チャートに再登場して１位となったジョン・レノンの「Imagine」や「Woman」、そのジョンの追悼カヴァーでバンド初 (そして唯一) の全英１位を獲得したロキシー・ミュージック「Jealous Guy」など、老舗〜中堅ロックスター組もニューロマ新興勢力の ”突き上げ” を軽くいなすかのごとく余裕のチャートイン。

レッド・ツェッペリンやディープ・パープルのファンだった西城秀樹も同年のリサイタルでおもわずカヴァーしたレインボー「I Surrender」、ウルトラヴォックスのミッジ・ユーロとの共作となるフィル・ライノットのミラクルテクノポップ「Yellow Pearl」、モーターヘッドとガールスクールによるパブロック名曲カヴァー「Please Don't Touch」といった床しきハードロック組の名曲・お宝曲も充実。

ほか、スモーキー・ロビンソン、マイケル・ジャクソン、ライオネル・リッチー、アース・ウインド＆ファイアー、ウィスパーズ、フォー・トップスから、イマジネーション、ヤーブロウ＆ピープルズ、ハイ・グロス、オデッセイ、シャンペーン、ランディ・クロフォード、フリーズまで、折からのディスコブームや伝説のダンス番組「ソウル・トレイン」の高視聴率も追い風となり誕生した、ソウル、ブラコン、ディスコ、UKジャズファンクのヒット曲の数々もしっかりと収録。

コンピレーション以外ではなかなかお目にかかれない珍しいところでは、リチャード・ジェームス・バージェスを中心としたシンセポップバンド、ランドスケイプの昨今再評価も著しいテクノポップヒット「Einstein A Go-Go」、モット・ザ・フープルのリズム隊デイル・グリフィンとオヴァレンド・ワッツがプロデュースしたデパートメントＳのポストパンクチューン「Is Vic There？」、両者ともイギリスを代表するミュージカル女優／シンガーである、エレイン・ペイジによるミュージカル『CATS』の主題歌「Memory」、英ITVのメロドラマ『Crossroads』の劇中で歌われたケイト・ロビンス「More Than In Love」なども収録。

シリーズ過去作同様、ハードカバーブック仕様の限定エディションには、1981年の総括ノート、トラック毎のガイド、クイズ、オリジナルシングルのアートワークなどを掲載した28ページのブックレットが付属される。