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スノ-グ-ス

Paul Gallico

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784102168028
ISBN 10 : 4102168028
Format
Books
Publisher
Release Date
January/1997
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Customer Reviews

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イギリス人気質を学べる作品。ポールギャリ...

投稿日:2021/03/06 (土)

イギリス人気質を学べる作品。ポールギャリコの短編としての代表作である。ジャンルとしては児童文学に分類され、海外では教科書に載り、日本でも30年前までは大手の英語の教科書に使われていたので、実は知っている人も多いはずである。そして、この作品は物語だけでなく、その時代背景等をしっかり踏まえて読めば、感動もひとしおである。物語の舞台は第二次世界大戦直前から初期のナチスドイツがヨーロッパ全土で電撃戦を展開する真っ只中、イギリスの南部にある海岸の小さな町、海沿いにグレートマーシュと呼ばれる大湿原で、その容貌のため人目を避け、灯台守としてひっそり暮らす絵描きラヤダーの元に、ある日怪我をした白雁、スノーグースを抱えた女の子が訪れ、やがて友情が芽生え、、、という素朴な展開である。ここで、いわゆる「勇気あるダンケルクの撤退」と呼ばれる第二次世界大戦のその後の戦局を運命づける史実を知っていると多変役に立つ。ナチスドイツにノルマンディの海岸へと追い詰められた実に40万もの連合軍兵士たちを救出するために、軍民問わず、軍用船のみならず、漁船からはしけや小舟に至るまでイギリス人総出でドーヴァー海峡を命がけで渡ったのである。ここでも、イギリス人気質、つまり躊躇なき決断力と行動力を発揮したのである。イギリスが世界に先駆けコロナワクチン接種を進めることが出来るのは理解できる。さて、ラヤダーは決して英雄ではないが、このような人々の姿こそがヒーローであり、歴史を変える原動力なのであることに感動する。そして、結末の衝撃を読んでいただきたい。教科書では省略されているが、このラストシーンこそ、ギャリコ作品に私が魅力を感じる。Nothing really matters. Anyway, the wind blow....イギリスのロックバンドCamelがこの物語にインスパイアされてアルバムを出していますが、大変良いので本作品を読んだ後に聴くとさらに情景が頭の中に広がります。

jamyokka さん | 富山県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    表題作をはじめ3つの短篇から成る作品集。いずれも、孤独な境遇に置かれた人間と動物の物語。動物との結びつきの強さからすれば、表題作の「スノーグース」に極まる。この作品はエセックスで展開するが、灰色の北の海を背景にスノーグースの白のモノトーンとの調和が美しい。そんな風に、いずれの作品もその土地固有の風土と深く結びついている。土地との密着度では「小さな奇跡」が一番だろう。アッシジの街と聖フランチェスコ、そしてローマへの巡礼行が連鎖的な奇跡を呼び起こす。好みにもよるが、感動的という点では私はこの作品を推したい。

  • やすらぎ

    1930年の春遅く、変わり者と言われ、心が荒れた人間社会から自ら離れ、純粋な鳥たちと過ごすことを選んだラヤダー。その湿原に、怪我をしたスノーグースを助けたいフリスが訪れる。そこから始まる勇敢な物語。…人間は常に争い続けているが、そんな時代でも自然や鳥と心を通わせる必要性を感じる。鳥もその優しさに感謝し、絶対の愛の印を残してくれる。…波間の小舟は見えなくなっていた。燃え上がる空に輪を描き、西へ飛び去っていく救いの雁。そして、絵を抱きしめながら恋しく待ちわびるもの。さようなら、愛しいひと。引潮の燈台を眺めて。

  • ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

    重く暗い雲を切って進むにはあまりにも華奢なしろいからだ。その儚さで矢のように天空を走っていく悲しいような美しいものを見て、立ち尽くすことしかできなかった。そんな愚かさをも、きっと貴方はまた赦すのでしょう。その気高い精神の美しさを、どうしてか上辺の醜さで見抜くことができなかった。しかしそんな悪意をものともせずに、信じるものに殉じた貴方。そんな貴方が誇りに思うような私に、なってふたたび会いたいと、思う。冷たくくらい向かい風にも胸を張って、胸張り裂けるまで走って、飛ぶ。いつかきっと私も。

  • しいたけ

    奇蹟を物語る3篇。醜き者と傷ついた生き物、小さき者と年老いた生き物。これらにもたらされた奇蹟を、私は信じる。哀しみの多い人間の暮らしを、少し離れて見ているしかない神様。ほんの一瞬の邂逅に、そっと手を差しのべる悪戯があってもいいではないか。生きとし生けるものに等しく与えられるのは終わりがあるということ。見送った命に、小さき者たちもいつか必ず追いつくときがくる。だからこそ大事に抱きしめたい。この温かな色を持つ奇蹟を。

  • まふ

    短編の感動おとぎばなし集。王国社版で読む。他に「小さな奇跡」「ルドミーラ」所収。エッセックス州のサクソンの村に住む少女フリスが抱いてきた傷ついたスノーグース(白雁)を、灯台に住む孤独なせむし男ラヤダーが助けてあげ、二人の交友が始まる。第二次世界大戦が勃発し、ラヤダーがノルマンディの海岸に追い込まれた英国軍の兵士を何人も助ける。その後死んで海に浮いているラヤダーが発見されたがスノーグースがそばで守っていた、という。 G506/1000。

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