グールド生涯初の商業録音、ホールマーク・セッション。グールドが市販を目的とした商業レコードのための録音を初めて行ったのは1953年11月、トロントでのこと。カナダの指揮者のアーネスト・マクミランの息子でCBCの音楽番組のプロデューサーだったキース・マクミランらによってその前年に創設されたばかりのホールマーク・レコーディングス社への録音でした。グールドが生涯にわたって愛奏したベルクのピアノ・ソナタの熱を帯びた壮麗な名演のほかに、友人のヴァイオリニスト、アルバート・プラッツ[1914-1995]とのロシア音楽の小品3曲が3日間のセッションで収録され、そのすべてが当盤に含まれています。
またグールドの唯一の師として知られ、あの独自の奏法の開発に影響を与えたとされるチリのピアニスト、アルベルト・グレーロ(ゲレーロとも)[1886-1959]と共演したモーツァルトの4手作品のプライヴェート録音などがカップリングされています。(メーカー資料より)
【収録情報】
1. ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1
2. ショスタコーヴィチ:3つの幻想的舞曲 Op.5(グリックマン編)
3. タネーエフ:ハープの誕生(エリスの詩集『不滅のもの』による歌曲集『10の詩』 Op.26〜第1曲、ハルトマン編)
4. プロコフィエフ:冬の妖精(バレエ音楽『シンデレラ』 Op.87〜第16曲、フィフテンゴリツ編)
5. モーツァルト:4手のためのソナタ ハ長調 K.521〜第1楽章:アレグロ
6. モーツァルト:4手のためのアンダンテと5つの変奏 ト長調 K.501
7. モーツァルト:4手のためのソナタ ヘ長調 K.497〜第1楽章:アレグロ・ディ・モルト(主部のみで序奏は演奏されていません)
8. モーツァルト:自動オルガンのためのアダージョとアレグロ(幻想曲)ヘ短調 K.594(ボーナス・トラック)
9. J.S.バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971 グレン・グールド(ピアノ)
アルバート・プラッツ(ヴァイオリン:2-4)
アルベルト・グレーロ(ピアノ:5-8)
*9の『イタリア協奏曲』は、この演奏の初出時にグールドの師アルベルト・グレーロのピアノ演奏とクレジットされていたものです。ここでのクレジットは、ソニークラシカルおよびその原盤となったマスターサウンド社の表記に基づいています。(メーカー資料より)
モノラル録音:
1:1953年11月3日、トロント(ブルーア通り合同教会)
2-4:1953年11月4,6日、トロント(ブルーア通り合同教会)
以上、カナダ・ホールマーク・レコーディングへの録音。グールド初の商業レコード録音
5-8:1947年6月、トロント
9:1948年3月、トロント
以上、グレーロによるプライヴェート録音とされる音源
リイッシュー・プロデューサー:ジュリアン・ライス
リイッシュー・エンジニア:デイヴィッド・レニック
マスターサウンド・プロダクションズからの正規ラインセンス
Blu-specCD2