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小説を、映画を、鉄道が走る 集英社文庫

Saburou Kawamoto

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087452389
ISBN 10 : 4087452387
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2014
Japan

Content Description

物語はいつも鉄道が運んできた―。松本清張の『点と線』、水上勉の『飢餓海峡』、小津安二郎の『東京物語』など、日本の小説史、映画史に燦然と輝く作品の中で、度々描かれてきた鉄道のある風景。あの場面には一体どんなドラマが潜んでいたのか。鉄道が発達した日本の情勢や時代背景をもとに、著者が登場人物の心情を紐解いてゆく。旅と物語が出会う至福のエッセイ集。第37回交通図書賞受賞作。

目次 : 夜行列車の詩情と悲しみ―松本清張「張込み」のこと、奥田英朗『オリンピックの身代金』のことなど/ 列車で食べる弁当はうまい、列車から見える海は美しい―恩田陸『三月は深き紅の淵を』のこと、石井桃子『幻の朱い実』のことなど/ 思い立った時に汽車に乗る‐林芙美子の自由な旅―林芙美子『放浪記』のこと、つげ義春「海辺の叙景」のことなど/ 林芙美子は鉄道の旅が好きだった―林芙美子「房州白浜海岸」のこと、田宮虎彦『銀心中』のことなど/ 森林鉄道が走っていたころ―水上勉『飢餓海峡』のことなど/ 北海道から鉄道が消えてゆく―佐藤泰志『海炭市叙景』のこと、島田荘司『奇想、天を動かす』のことなど/ 戦時中も鉄道は走った―吉村昭『東京の戦争』のこと、加賀乙彦『永遠の都』のことなど/ 少年たちも鉄道に乗る―山本有三『路傍の石』、佐野美津男『浮浪児の栄光/戦後無宿』のことなど/ 高千穂鉄道への旅―内田百〓(けん)『阿房列車』のこと、内田康夫『高千穂伝説殺人事件』のことなど/ 幻想は鉄道に乗って―稲見一良「花見川の要塞」、中村弦『ロスト・トレイン』の幻の列車のことなど/ 路面電車でゆっくりと―永井荷風「深川の唄」、堀江敏幸『いつか王子駅で』のことなど/ 中央本線各駅停車に乗る楽しみ―井伏鱒二『荻窪風土記』のこと、松本清張『黒い樹海』のことなど/ 石炭を積んで鉄道は走った―五所平之助「挽歌」のこと、木山捷平「斜里の白雪」のことなど/ 忘れられない小さな駅とローカルの鉄道―鮎川哲也『沈黙の函』、島田荘司『海街 diary』のことなど/ 東北鉄道の旅―成田為三「浜辺の歌」のこと、つげ義春「リアリズムの宿」のことなど

【著者紹介】
川本三郎 : 1944年東京生まれ。東京大学法学部卒業。朝日新聞社記者を経て、その後文筆家となる。91年『大正幻影』で第13回サントリー学芸賞、97年『荷風と東京』で第48回読売文学賞、2003年『林芙美子の昭和』で第6回桑原武夫学芸賞と第57回毎日出版文化賞、12年『白秋望景』で第23回伊藤整文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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つげ義春のことが載っているので購入したが...

投稿日:2021/04/09 (金)

つげ義春のことが載っているので購入したが、それ以外の部分も鉄道に絡めたエッセイが秀逸で、あっという間に読了した。

やすじい さん | 千葉県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    鉄道に関するエッセイで、小説あるいは映画などの出てくる鉄道関連の話をつづられています。ご自分で鉄道に乗ったのをエッセイにしたのは最後に書かれている「東北鉄道の旅」だけです。それ以外は様々な本についての話が多く私は非常に満足させられました。特に「忘れられない小さな駅とローカルの鉄道」は私もこのような分野について興味があるので楽しめました。

  • たびねこ

    読んでいる先から、行きたくなった駅がいくつもあった。千葉・内房線の太海、北海道・湧網線の卯原内、広島・福塩線の万能倉(まなぐら)などなど。今はない路線や駅もある。山本周五郎の「季節のない街」を読み返したくなる。黒澤明の「どですかでん」ももう一度観たくなる。鉄道はノスタルジーであり、小説や映画の中にあって初めて輝いたり息を吹き返すこともある。川本氏の鉄道への思いのたけが詰まった一冊。

  • 香乃

    林芙美子さんの『放浪記』を読み終わった後、本屋さんで見つけて購入しました。実は、新刊で出たときにも本屋さんで手に取ったのですが、その時は出てくる小説や映画をほとんど知らなかったので、興味はあるけど…と買わずに戻したんです。そう考えると、本との出会いって運命的だなと思います。そして、その本の読み時というものもあるんだと。著者である川本さんは、あとがきでも書いているように、「鉄道マニア」ではなく、あくまでも「乗り鉄」だそうです。私も「乗り鉄」組なので、車窓を思い浮かべながら、小説や映画の世界に浸りました。

  • midnightbluesky

    加賀乙彦の著作を引き合いに出すのはお約束としても、だ、島田荘司や、なんと吉田秋生の漫画までも出てくるところには驚いた。またもや、川本さんの懐の深さを感じる。

  • かわくん

    タイトル通りに、小説や映画に出てきた鉄道の情景と、自分が経験した旅について書いている。鉄道の旅が好きだという著者は映画や文芸評論を主に書く人だが、これほど鉄道が好きだとは思わなかった。しかし視点はマニアックではなく、鉄道の素人でも読みやすい著作だ。小説や映画、そして鉄道を素材にした良質のエッセーといえよう。

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