今敏 絵コンテ集 千年女優

初の書籍化！ 夭逝した今 敏監督の劇場第2作の絵コンテをすべて収録。往時のインタビューなども含む、読みごたえたっぷりの1冊です。

2010年、4本の劇場映画を残し、46歳の若さで世を去った天才監督・今 敏。
国内は言うに及ばず、世界各国でその才を惜しむ声はいまだあとを絶たない。

そんな著者の貴重な絵コンテをまとめた、「今 敏 絵コンテ集」の第2弾は『千年女優』。劇場第1作目の『パーフェクトブルー』で演出家としての評価を上げ、満を持して発表された、原案・脚本・キャラクターデザイン・監督を兼務したオリジナル作品です。

ストーリーの発端は、今監督自身のわずか２行のメモ――
「かつて大女優と謳われた老女が過去を回想していくうちに、出演した映画のエピソードが混じってきて波乱万丈の物語になる」
というものですが、完成された作品は、日本映画の歴史への憧憬を、美しく迫力を持ったアニメーションで再構成するという実験的な試みが張り巡らされており、それこそアニメ史に残る傑作となっていました。

「千年女優」受賞暦
第5回文化庁メディア芸術祭　アニメーション部門大賞
2003年度東京アニメアワード・劇場映画部門最優秀賞
第57回毎日映画コンクール・大藤信郎賞
第8回アニメーション神戸作品賞・劇場部門
ファンタジア’01（カナダ）最優秀アニメーション作品賞＆芸術的革新賞
第33回シッチェス・カタロニア国際映画祭（スペイン）最優秀アジア映画作品賞

今作品の特徴ともいえるめくるめく映像が、どれほど精緻なシーンの積み重ね、どのような演出意図の元に組み立てられているのかを理解するために必要なのが本書です。

(C)｢千年女優｣製作委員会

【著者紹介】
今敏 : １９６３年、北海道生まれ。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。漫画家として単行本『海帰線』（１９９０）『ワールドアパートメントホラー』（１９９１、いずれも講談社刊）を出版。漫画からアニメーション業界に活動の中心を移し、１９９８年長編映画『パーフェクトブルー』で監督デビュー。以後、監督オリジナルによる映画、ＴＶシリーズがあり、２００６年に筒井康隆原作による映画『パプリカ』公開。２００７年に短編アニメ『オハヨウ』ＮＨＫアニ＊クリ１５で放送。２００８年４月からは武蔵野美術大学・映像学科の客員教授に就任。２０１０年８月２４日膵臓癌のために急逝。享年４６歳（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）