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湖の女たち 新潮文庫

Shuuichi Yoshida

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101287591
ISBN 10 : 4101287597
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2023
Japan

Content Description

湖畔の介護施設で暮らす寝たきりの男性が殺された。捜査にあたった刑事は施設で働く女性と出会うが、二人はいつしかインモラルな関係に溺れていく。一方、事件を取材する記者は死亡男性がかつて満州で人体実験にかかわっていたことを突きとめるが、なぜか取材の中止を命じられる。吸い寄せられるように湖に集まる男たち、女たち、そして――。読後、圧倒的な結末に言葉を失う極限の黙示録。(解説=諏訪敦)

【著者紹介】
吉田修一 : 長崎県生れ。法政大学卒業。1997(平成9)年「最後の息子」で文學界新人賞。2002年『パレード』で山本周五郎賞、同年発表の「パーク・ライフ」で芥川賞、’07年『悪人』で大佛次郎賞、毎日出版文化賞を、’10年『横道世之介』で柴田錬三郎賞、’19年『国宝』で芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞を受賞。’16年より芥川賞選考委員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • bunmei

    福士蒼汰と松本まりかのW主演で映画上映も始まった、吉田修一らしい人間の性やドロドロとした欲望の果てを見据えたイヤミス作品。琵琶湖の湖畔を舞台に、異常とも思える歪んだ愛の形とサディステッィックな関係性の中で求め合う介護士の女と若き刑事の男。そこに、介護施設で起きた殺人事件と、隠蔽されてきた薬害被害や戦時下の満州で行われていた日本軍の人体実験を絡めたミステリー・サスペンス。終末に、満州ハルピンの湖と琵琶湖の美しい景色が、リンクした時に浮かび上がる老人殺害の真犯人は、あまりにも意外な方向転換に衝撃が走る。

  • ケンイチミズバ

    刑事も記者も組織の中の一人にすぎない。大きな力に抗えない無念。核心の一歩手前で捜査は中止、記事は差し止め、よくある物語。その頃若かった刑事は号泣した。そして今また情報をリークした記者に出会いお互いの思いが同じであることを知る。が、しかし。731の関係者、介護施設の老人は生産性のない人間で死んでもいいと思う若い世代、ストーリーの核には触れられないのでここまで。私の部下がコンプライアンス窓口に不祥事の証拠を持ち込んだことがあるが見事に正義感も若さも無視された。大事(おおごと)にしたくない。の一言だったらしい。

  • yoshida

    琵琶湖畔の介護福祉施設で起きた不審死。誰かが人工呼吸機を止めた。介護施設で働く佳代は西湖署の圭介に徐々に依存支配される。雑誌記者の池田は薬害事件を追ううちに、介護施設の不審死事件との繋がりに気付く。731部隊から薬害エイズ事件、滋賀呼吸機事件等をモチーフとする。また、犯人の動機には津久井やまゆり荘事件が用いられる。様々な物語の展開が期待されるが、大きな広がりは見せない。長編としても良かったか。やや残念でもある。圭介と佳代の共依存は現実感が乏しいか。個人的には共感性が薄い。もう少し話を膨らませても良かった。

  • じいじ

    これ途中下車します。何故なのか?、どうしてなのか? ひと言で説明できません。大好きな吉田修一の小説なので、体勢を立て直して「再挑戦」することにします。

  • yukaring

    ダークでエロティック、そしてやるせない思いが心に重くのし掛かる物語。介護施設で暮らす100才の寝たきりの男性が殺される。誰が何のために?犯人捜しに迷走し容疑者へ自白を強要する刑事たちと言われのない疑いをかけられた女性の苦しみ。死んだ男性を調べる記者が辿りついたのは旧満州での胸が悪くなるような人体実験の事実。湖の畔で抑圧された刑事とインモラルな関係を続ける女性。湖に集まる男たち女たちは背徳的で自滅的だが活き活きとしている。道を外れ限界まで来てしまった彼らのいく先は・・。人間の業の深さを考えさせられる1冊。

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