【7/22発売】V.A / 日本の島音 - Island Sounds From Japan 2009-2016

2020年06月11日 (木) 12:00

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【商品情報】

■ARTIST:V.A
■TITLE:日本の島音 - Island Sounds From Japan 2009-2016
■CATNO.:TIME007
■FORMAT:12inch(再マスター180g重量盤、45回転高音質カット、ライナー・ノート、初回盤限定日本語帯付)
■LABEL:Time Capsule
■税抜価格:¥3,000
■発売日:2020年7月22日(水)発売

【Track List】
Tracklist:
A1: Speak No Evil - Speak No Evil
A2: Aqatuki - Wakanoura
B1: Altz - Orympia Rocks
B2: Keiichi Tanaka - City of Aleppo
B3: Keiichi Tanaka - City of dub

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日本の島音 -Island Sounds From Japan 2009-2016

Vinyl

日本の島音 -Island Sounds From Japan 2009-2016

Price (tax incl.): ¥3,300

Release Date: 22 Jul 2020

販売終了



自分が住むロンドンの周りのDJやレコード・コレクター達から昔から良く言われる台詞の一つが「日本人の作る音楽(レコード)はオリジナルの音楽のスピリットをリスペクトをしながら、更にその音楽性と音響を追求した独自の発展を遂げている」という事。日本のジャズに対する世界的評価はそれこそ60年代から確立さ
れているが、ここ10年程は80年代のシティ・ポップからアンビエントに至るまで、日本の匠な音造りの評価は更に高まる一方である。ここに収録された作品は2009年から2016年の間にリリースされた主にバンド・サウンドに特化した比較的最近のアーティストが中心で、昨今の日本音楽ブームとは少し違う趣向になるが、どのアーティストも雑多な影響を受けつつも匠な音技術に優れ、最終的には彼等の環境と実験の結果産まれた独自の音世界を展開しているという点では個人的には前述したジャズや80年代の日本の音楽と同様、世界からの評価に値する素晴らしい作品だと思う。

Speak No Evil - Speak No Evil (2016)
1990年から2004年まで続いた伝説の大阪スカ・バンドThe Determinationsのサックス奏者である巽朗氏が率いたプロジェクト。自分にとってはEgo-Wrap-pinʼの1999年のアルバムʼSwing For Joy”に収録されていた”A Love Song featuring Determinations”で初めて彼等の演奏を聞いて以来のバンドのファンだったが、巽氏はバンド解散後も日本のカリプソバンドCASSETTE CON-LOSとの共作『KING goes CALYPSO』を2005年に発売、その後はMighty Sparrowの影響も受けカリプソの進化形、ソカへの造詣も深めて行く。(略)バンド名と収録曲は往年のジャズファンにはお馴染み、Wayne Shorterの名作のカバーだが、レゲエとジャズの垣根を超えたミュージシャン達が集い紛れもない独特な島国サウンドを産み出していると思う。

Aqatuki - Wakanoura (2015)
Aqatukiは90年代後半から進化を繰り返しながら20年以上活動を続ける関西発のサイケデリック・インスト・ジャムバンド。尼崎で80年代のハードロックを聞いて育ったギター少年のタアキとチェンは90年代になるとインドへ旅立ちそこでサイケデリックの洗礼を受ける。(略)ハワイアンやサーフ・サウンドを彷彿させるス
ライドギターの哀愁漂うメロディを人柄溢れるトーンで奏でるタアキ氏のギタープレイには人種や文化を超越した独特の魅力があり、非常に個性的でドリーミーな島国サウンドを形成している。

Altz - Orympia Rock (2009)
日本の元祖パンクとも言える村八分等の前衛的な日本のロックから影響を受けギターとベースを始めたバンドマンAltzもまた大阪芸大在学中の90年代前半にバックパッカーとしてインドや東南アジアを旅してサイケデリック文化の洗礼を受ける。(略)このコンピレーションの中で唯一いわゆるバンド形態ではなく打ち込みを主体とした作品になるが、Altz氏の多くの楽曲に共通する独特なうなりとひねりのある彼の時間感覚は生演奏にも引けを取らない不思議な魅力がある。どれにも似つかないコズミックでサイケな彼のレコードの多くは自分のDJセットでも大活躍してくれていて、世界的にも稀に見る個性的なアーティストだと思う。

Keiichi Tanaka - City of Aleppo / City Of Dub (2016)
最後の2曲は2006年から2014年まで活動していた日本発のアフロビートバンドKINGDOM☆AFROCKSのドラマー、田中慶一氏がバンド解散後に発売した初のソロ・アルバムKeta Iicna Hikaから。なんとも残念な事に彼はこのアルバムの完成直前に不慮の事故で他界してしまった。マリ、セネガル、モロッコ等、西アフ
リカにも何度となく渡航し現地ミュージシャンとセッションを重ね、Tony Allenからも来日時に直接師事を受けたという彼のスキルはもとより、このアルバムではその西アフリカ出身のミュージシャンから、日本ジャズピアノ界の巨匠板橋文夫氏、オキ・ダブ・アイヌ・バンドのオキ氏等が参加し、それぞれの個性が絡み合う高い
音楽性を持った本当に素晴らしいアルバムだと思う。(略)20年間ドラマーとして精力的に活動して来た彼が描いていたミュージシャンとしてのヴィジョンは奇しくも同じ歳の自分には非常に共鳴する部分があり、こうして改めて彼の作品を多くの人に共有する事で彼の人生と彼が刻んだ時間感覚を祝福したいと思う。
- ケイスズキ (ライナー・ノーツ日本語版より抜粋)