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Rossini (1792-1868)

DVD La Cenerentola : E.Dante, A.Perez / Rome Opera, Malfi, Gatell, Corbelli, Priante, etc (2016 Stereo)

La Cenerentola : E.Dante, A.Perez / Rome Opera, Malfi, Gatell, Corbelli, Priante, etc (2016 Stereo)

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  07/September/2022

    プロコフィエフ『火の天使』と同じダンテ演出、ペレス指揮のコンビによるローマ歌劇場のプロダクション。こちらも素晴らしい舞台だ。序曲が主部に入るとさっそく幕が開いて、パントマイムで見せられるのは、アンジェリーナが自分とお揃いのメイド服を着たオートマタ(自動人形)たちの背中のネジを巻いて起動し、一緒に家の掃除を始める様子。第一義的には、ヒロインが召使い同然に虐げられているのを見せると言えるが、舞踏会用ドレスに着替えても彼女のお腹につけられた時計のような機械はそのままで、彼女自身もオートマタではないかという疑念は最後まで残る。さらに第2幕に入ると王子のお付きの人々も王子と同じ制服を着た自動人形だし、エンディングではアンジェリーナが勝利のアリアを歌ううちに、許されたいじわる姉さん達と父親にも背中にネジが付けられ、人形になってしまう。つまり、演出家が突きつけるのは「美徳の勝利」という副題の謳う通りのおとぎ話のストーリー自体、「機械」的なプログラムに過ぎないではないかという痛烈なアイロニー。彼女を触発したのはダンサー全員が人形の着ぐるみを着て踊るマギー・マラン振り付けのプロコフィエフ『シンデレラ』かもしれない。どの演出家も工夫を凝らす第1幕フィナーレでは、ライバルを撃ち殺してやろうと舞踏会に銃を持ち込んだ花嫁候補の娘たちがアンジェリーナの美貌に絶望して次々に自殺してゆくというブラックな展開に。第2幕「嵐の音楽」では義姉たちと父がヒロインに殴る蹴るのドメスティック・バイオレンスをはたらくなど、おとぎ話の「暗黒面」もしっかり見せる演出になっている。 題名役マルフィはほんの少し太めながら愛嬌ある演技。この役を歌うだけあって、テクニックは抜群だ。ガテルはフローレスほどのカリスマ性はまだないが、こちらも技巧の切れに不足はない。プリアンテ、ベテランのコルベッリも相変わらず芸達者で万全の布陣。指揮は意外にもHIP色はなく、響きのバランスは昔ながらだが、この曲に欠かせないリズムの駆動力は申し分ない。

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