Ludus Tonalis, 1922: Berezovsky(P)
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風信子 | 茨城県 | 不明 | 06/December/2017
ー対位法、調性及びピアノ奏法の研究ーと銘打った”音の戯れ”は反十二音技法による無調音楽への試みと言っていい 調性音楽を拡張することで調性の香りを残しながら只管全十二音の均質平等等価による音楽へ接近しようとする 各所で響く和音は偶発せしものであり和声進行を前提としていない それでも随所に調性感を感じざるを得ない事実も突きつけている 演奏者は調性感を感知しながらも対位法として線の進行に専心しなければならず困難な均衡を取ることを常に強いられる ベレゾフスキー演奏の可否は作曲者ヒンデミットに引責がある 明らかに解決されないが和声音楽の書法に傾いてしまう部分があるからだ むしろ実験的な試みより音楽の渾身から滲み出す抒情性が浮上してきて聴く者の感性を撫でていく 曲が先へ進むに連れ”フーガ”は取り留めなく聞こえ 繋ぐ”間奏曲”の方に余韻というか余情が濃くなる 25曲目”後奏”は流石に曲も演奏も一頭地を抜く出来だと納得する 聴かないことには始まらないので お聴きになっては如何 ”ルードゥス・トナリス”の後で”1922年”は蛇足だろう0 people agree with this review
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