「私小説」を読む 講談社文芸文庫
Customer Reviews
-
(0 posts)
-
(1 posts)
-
(0 posts)
-
(0 posts)
-
(0 posts)
Showing 1 - 1 of 1 items
-
seigo-hk | 長崎県 | 不明 | 02/July/2021
『私小説を読む』 言葉の戯れが描きあげる運動は、豊かな単純さ、大胆な繊細さ、饒舌な寡黙さというべきものである。解読の視線。読むことを、見えてはないものを露呈させる体験だと確信している点。作品の表層に境を接して戯れあっている言葉の群。それを超えたより深い地層に、意味が、あるいは、人間が、さらには、社会が横たわっている。その深みにまで降りてゆくことが読むこと。心理、自意識、思想、社会、全体性。充実した言葉の群として、一瞬ごとの現在を生きようとする試み。作品の表層にある言葉の群との戯れを通じて、読むことそのものの、深みと凄味を示しているとても素晴らしい本。0 people agree with this review
Showing 1 - 1 of 1 items