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Review List of オクタヴィアン 

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     2023/08/03

    フィガロには奇抜な読み替え演出や余計な小細工など必要なく、芸達者な歌役者と演劇的考察に優れた演出家とそれを実現できる指揮者がいれば、これほどの名演を生み出せるのだ。
    フィガロの決定盤とも言えるプロダクションに2023年に出会えるとは、正直驚愕した。
    まずアルマヴィーヴァ伯爵役のアルカンタラの素晴らしい歌役者ぶりに始終目が離せない。ジョニーデップなみの怪演?に笑いがとまらず引き込まれていく。またオールイタリア人キャストを揃えただけあって、演技が自然でレチタティーヴォの間の取り方が物凄くうまい。演劇的には最高峰のフィガロと言っていいだろう、女声陣も素晴らしく特に伯爵夫人のロンバルディが若いながらも気品ある歌唱で最も大きな拍手をもらっている。スザンナ役のセメンツァートもケルビーノ役のヒップも声質が役柄に最適かつ感動的な歌を聴かせてくれる。
    個人的に感動したのは、第二幕伯爵夫人とケルビーノ絡み。まるで本当の恋人のように熱い抱擁を交わすのだが、これがリヒャルト・シュトラウスの薔薇の騎士の元帥夫人とオクタヴィアンを想起させるのだ。これは薔薇の騎士がフィガロの結婚へのオマージュとして書かれた作品であることを再認識させてくれる演出だ。フィガロと薔薇の騎士が大好きな私には最高の場面であった。とにかく始終笑いが止まらず、最後は感動の涙が止まらないフィガロの結婚の決定盤になることは間違いない。手垢にまみれたフィガロに新風を吹き込んだマクヴィガーとパッパーノに最大限の賛辞を送りたい。大推薦盤。
    2023年7月に英国ロイヤルオペラシネマで鑑賞

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