エリカ・ヘルツォーク

これぞ混血音楽
西洋人作曲家が日本のメロディをかくも不思議なピアノ曲に仕立てていた。

話題のピアニスト、エリカ・ヘルツォークの第2弾。19世紀初頭から今日までの約200年間に、欧米作曲家たちが日本の伝統音楽に触発されて作ったピアノ曲を集めています。いずれも想像上の世界ではなく、来日経験のある作曲家たちが、滞日中に触れた音素材を基にしています。素材は日本ながら、それを昇華させる感性と手法に各自の個性と民族性、時代性が明瞭なのと、日本の音楽が彼らの耳にどのように響き、どう受け取られたかが作品に表れていて興味深い限り。いわば日本と西洋の混血音楽で、ヘルツォークが日本の心を純西欧的ピアニズムで再現するという史上初の試みです。
大半が世界初録音。これまで演奏されずにきた原因のひとつは楽譜の入手困難さにあります。今回の録音のためにチェレプニン作品はスイスのパウル・ザッヒャー財団、ラプハム作品はオーストラリア国立図書館、ラスカ作品は神戸女学院大学にそれぞれ所蔵される自筆譜を捜し出し、交渉の末、特別に使用を許可されて日の目を見ることが実現しました。ことにチェレプニンの「日本小品」は草稿のまま一度も日の目を見ることなく保管されていたものの完全世界初演となりました。
またピアノの教則本で知られるバイエルが、江戸時代に日本を題材とした作品を残しているのも驚きの事実ながら全く知られていません。バイエルは来日していませんが、かのシーボルトが日本で作曲しドイツで出版したピアノ曲のメロディを素材としています。
2世紀にわたり、日本の伝統音楽が欧米の作曲家にどう感じられてきたかという面のみならず、日本文化がどれほど彼らの創作欲を刺激し続けてきたかという、コインの両面的歴史も考察できると同時に、不思議なエキゾチズムが面白いピアノ音楽の発見としても楽しめます。
さらにジャケットも注目。何と演奏者自身です。クラシック界で過去に例のない斬新な仰天ジャケットと申せましょう。

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