HMVインタビュー:Cypress Hill【前編】

2010年4月16日 (金)

interview

Cypress Hill

サイプレス・ヒル オフィシャル・インタビュー
質問・文  二木崇(D-ST.ENT)

DJ MUGGSは変わらずCypress Hillの重要なメンバーだよ。ただ今は一緒にツアーに出てないだけで、Julio Gは今一緒にツアーで回ってるから俺たちのDJとして紹介されてるんであって、MUGGSは今でも俺たちの音楽をプロデュースしてくれてるし、俺たちがやる全てのことに対して彼の考えを提供してくれてるしね。〜 Eric Bobo

--- 前作『Till Death Do Us Part』から今日まで、B-Real、Sen Dog、DJ MUGGS、Eric Bobo、4人それぞれがソロで活動をしてましたが、それぞれどう評価していますか?

Sen Dog (以下、SD): Sen Dogのソロが最高だったと思 う・・・(笑)。メンバーそれぞれの作品どれもグレートだったと思う。

Eric Bobo (以下、EB): (笑)。(B-Real、Sen Dog、Boboそれぞれの作品は)3枚とも全く違うアルバム、異なった内容の作品を作り上げたと思う。でもそれぞれ凄く良い仕事できたと思うよ。

B-Real (以下 BR): 俺たちそれぞれのアルバムはドープだと思う。Muggsはいつも色んなプロジェクト抱えてて、ヤツのアルバムはいつだって最高だし、 Sen Dogは何枚かアルバムやってるけどソロ・アルバムが俺はベストだったと思う。Boboのアルバムはリリースをみんながずっと待ってて、やっとリリースされたそのアルバムは期待を裏切らないドープ内容で、パーカッションとDJのドープなコンビネーションに彼のミュージックを被せたもので、それぞれ違った観点で ドープな作品を作ってこれてると思う。

--- それらの個々の活動が、今作『Rise Up』の内容にどのように影響していますか?

BR: ソロ作品を作るときはとりあえず Cypress Hillでやるような事 じゃなく、全く違ったものを作ろうとしてるわけで、それこそがソロ作品をやる理由だしね。だから今までやってきたことを繰 り返すんじゃなくて、ソロ作品に挑むときは全く頭の中はクリアーな状態で臨むんだ。少なくとも俺はそんな風にソロ・プロジェクトに関しては捉えてるぜ。

EB: 同感だね。俺たちがソロのプロジェクトをやる時はCypress Hillの時とは違ったことをやろうとしてるからね、Cypressがやりそうな事とは違うものをね。だからソロ・プロジェクトが完了した後には、ソロのときに浮かんだ新しいア イディアや音なんかをトライしてみようって気持ちになることもある。Cypress Hillで使えそうなも のもあれば、やっぱり合わないものもあるけど、そんな風に互いに影響を与えてるのは事実だよ。

--- 2月22日に発行された最新プレス・リリースに、Cypress Hill (emcees B-Real and Sen Dog, DJ Julio G and percussionist Eric Bobo)とありましたが、Cypress Hillの現メンバーこの4名なのですか?

メンバー全員: 爆笑。

SD: Bobo説明してあげてくれよ。

EB: DJ MUGGSは変わらずCypress Hillの重要なメンバーだよ。ただ今は一緒にツアーに出てないだけで、Julio Gは今一緒にツアーで回ってるから俺たちのDJとして紹介されてるんであって、MUGGSは今でも俺たちの音楽をプロデュースしてくれてるし、俺たちがやる全てのことに対して彼の考えを提供してくれてるしね。

--- じゃあ、仲違いとか何か事件みたいなものがあったわけではないんですね・・・。余計な憶測をする必要もないと・・・。

BR: 全然ないよ。彼がツアーに参加しなかった、なんてことは過去にもあったしな。それに俺は彼が最近手掛けたSoul Assassinsのアルバム3枚ともに参加してるし、彼がSick JackenやGZA、Ill Billなんかとやってるみたいに、B-Real vs Muggsみたいなレコードを作る予定なんだ。だから何も問題とかはないよ。みんな上手くいってるぜ。

--- B-Realのソロでスキット参加もしていたヴェテランDJ Julio Gについて、出会いから現在までの流れを教えてください。

SD: Julio Gとは中学か高校の頃に出会って、それ以来のかなり長いつきあいなんだ。彼 は実際俺たちがヒップホップを始めた頃の一番最初のDJでもあるんだ。実際彼がMUGGSを紹介してくれたんだ。

BR: だから彼のことはWestside Radioをやるずっと前から、LAで最初にヒップホップをかけた当時すごく人気のあったAMステーショ ンKDAYで彼がミックスマスターとしてDJをやってた以前からずっと彼とは知 り合いだったんだ。彼の上を行くDJはいないと思うよ。

--- 彼のDJ、トーク・スタイルについて語ってください。

SD: 彼は最高にドープだぜ。経験もあるし、ターンテーブルさばきとかすごく綿密だし、インタビューもものすごく上手いしね、他のインタビュアーじゃ訊けない様な質問をちゃんとしてくれるからね。Julioはマイクとターンテーブルを握らせたら相当な才能を持ってる人間だぜ。

--- Priority RecordsのSnoop Doggとサインした気分は?

BR: 最高だよ。Snoopがクリエイティヴ・チェアーになってこと自体は、俺たちの仲間の1人が、EMI/PriorityRecordsブランドの再興っていう大きなシナリオに何かしらの影響を与えられるポジションにいるってことを意味するからね。Priorityは過去に沢山の偉大なグループやアーティストたちを育てて、その作品をリリースし、ヒップホップ界に多大な影響を与えてきたレーベルだからね、そういった部分を理解し、ウエストコースト・ヒップホップをきちんと理解できてる人間を相応しいポジションに迎えたんだと思う。彼は 実質上なんだってやれるポジションにいるってことだからね(笑)。

--- Snoopとはいつ頃からの付き合いなのですか?

BR: 俺らは彼とは長い付き合いだよ。彼のデビュー当時からの付き合いだからね。Dr Dreがあの2枚のレコードをリリースしてすぐ後に知り合って、それ以来のダチで、レ コーディングもショーも一緒にやってきたぜ。だから俺らはSnoopとは結構タイトな関係なんだ。

---彼とのエピソードや彼に言われた印象深い言葉をぜひ教えてください。

BR: カリフォルニア州ハリウッド市にあるハウス・オブ・ブルースで一緒にショーをやったんだけど、俺たちは激太ジョイントを一緒に吸ってて、彼がステージ終わって丁度帰るとこだったんだけど、「サイプレスが吸ってるジョイント見てみろよ」って言い出して、結局楽屋で一緒に吸うことになって、ハイになりすぎて、殆ど歩けない状態になっちまったんだ(笑)。

--- あなたは数年前、Snoopの「VATO」に参加してましたが、地元LAでの反応はいかがでしたか?

BR: どの曲にも共通するけど、すごく気に入ってくれた連中もいれば、気に入ってくれなかったヤツらも いて、そういうのは音楽にはつきものなんだけど、でもかなりの連中が気に入ってくれたみたいだぜ。Snoopがあの曲をステージでやると必ずめちゃくちゃ盛り上がっちまうし、俺もソロのステージで時々あのビートを使ってフリースタイルのエク ステンデッド・ヴァージョンみたいのをやるんだけど、みんなあのビートには狂ったように盛り上がっちまうんだ。あの曲はあのアルバムの中でも最高にドープな曲の1つだと思うよ。

--- レーベル・コピーによると、今作のほとんどの曲はB-Realのスタジオ、TEMPLEで録音したようですね。自分のスタジオを持ち、プロデュースをやるようになり変わったことは?

BR: 間違いなく余計なプレッシャーはなくなったね。スタジオを借りての作業だと、時間との戦いみたいな感じになるからね。日によってはクリエイティヴになれないこともあるし、でも時間の制限とかあったり、金払ってスタジオを借りてるって状態だとそういう心配をしなきゃならないからね。でもここ(Temple Studios)なら思うように仕事が出来るんだ。リラックスしてレコードを作れるんだ。ある一定の時間にスタジオを出なきゃいけないとか、今日は無駄に過ごしたとかそういった余計な心配をしなくてすむ。ここは俺たちの場所だからね。プレッシャーもないし、ヴァイヴもいつもクールな状態なんだ。かなりスモーク・フレンドリーな環境なんだぜ(笑)。

---エグゼクティヴ・プロデューサーとして気をつけたことは?

BR: 一貫性とサウンド・クオリティー。俺たちはどの作品でもそのことに気をつけてきたからね。そ の部分は今作でも維持したいと思ったんだ。色んな曲のごちゃまぜみたいな一体感のないアルバムは気持ち悪いからね。今まで俺らがやってきたように、一貫性のある作品を作りたいと思ったんだ。そういった部分を踏まえて、ミックスやマスター作業を担当する人間も厳選したし、Senと俺がリリックをのせるの相応しいビート1つ1つを選ぶ作業も含めてそういう部分を気をつけてったんだ。

*インタビューの続きは4月19日頃アップ予定です