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アニメ女子部

2010年5月26日 (水)

interview
浪川大輔


 人気声優・浪川大輔がKiramuneより待望のソロデビュー!
1stミニアルバム『I.D.』を6月23日にリリースすることになった浪川さんにアルバム制作秘話、作品に込められた想い、PV撮影エピソード、そして自身が初監督を務める『Wonderful World』について・・・色々なお話を伺ってきました。                        

一見バラバラな曲調の楽曲が集まっているけど、全部聴くと“浪川大輔”みたいな

--- この度、ソロ・デビューに至った経緯をお聞かせください

1年以上前からソロ・デビューのオファーを頂いていたのですが、自分の中では歌で何かが出来るとは思えなかったのと、まだ歌を歌う事に抵抗があったので、その時はタイミングではないと判断しました。それからちょっと経って去年の11月にNHKホールで開催されたキラフェス(Kiramune Music Festival 2009)に出演することになったときに、改めてどうだろう、とお話を頂きまして、その時にはいろいろな事に挑戦したいなという気持ちがあったので挑戦させていただくことになりました。

--- 出来上がったアルバムの制作秘話やエピソードなどはありますでしょうか?

とにかく時間がみるみるなくなっていく感覚で制作した作品です。録るたびに何か録り残して、やるたびに何か問題・・・じゃないですけど、2曲録る予定が1曲になってしまったりとか、歌詞が決まらなかったりとか・・・“産みの苦しみ”が毎回ありました。そういう意味では真剣に丁寧に作られた証になったと思います。そう、毎回苦労と・・・ちょっとこう、残尿感を毎回家に持ち帰っていた感じですね(笑)。

--- リード曲の“ROCK STAR”聴かせていただきましたがとてもライヴ向きな曲だと思いました。

曲作りをする段階でもライヴで聴いて楽しい、エンターテインメント性のある曲を、という事をひとつのコンセプトにしています。例えば音楽フェスでも知らないバンドやアーティストが出ていることがあるじゃないですか。そういう場でこの人達のことは知らないけど、凄くカッコいい曲だなって思わず惹きつけられるような場面ってあると思うんです。今回のアルバムもそういったところを狙っていて、ライヴを強く意識した楽曲が揃っています。

--- 浪川さんから楽曲に対するリクエストはあったのでしょうか?

はい、殆どがそうですね。アルバムとしての方向性というものは考えずに、今自分が歌いたいものを歌わせてもらった感じです。そういう意味では逆に時間がかかっていてバラエティに富んだ作品になっていると思います。

--- 浪川さんにとってのロックスターとは?

僕の中でのロックスターとは「憧れの人」です。内面のことよりもその人が醸し出す雰囲気やオーラが僕の中でのロックスターのイメージですね。今回のリード曲も歌詞の内容は特に意味がなくて、どちらと言うと、うん?ちょっとこれは昭和の匂いがしますね、みたいな(笑)。そのアンバランスさが今回の“ROCK STAR”の狙うところではあります。

--- なるほど、では具体的に憧れのアーティストは?

日本人のアーティストでは世代的にBOØWY です。

--- BOØWYのメンバーではどなたが?

全員好きでしたが、布袋寅泰さんが好きですね。COMPLEXも中学生の時に聴いていましたし。あと洋楽だとBEATLESとか。

--- “ROCK STAR”のPVはかなり大掛かりな撮影をしている印象だったのですが、大変でしたか?

そうですね。PVメイキングとかも見ていただけると、どうやって収録したのか分かるようになっているんですけど・・・映像の撮影に関しては、1カット・1シーン撮るのも大変だってことを、重々、自分でも分かってるつもりだったので、「ツラい」とは全然感じなかったです。

監督さん・スタッフさんともすごく波長が合って。「あそこの工場地帯とかで撮ってみたい」って自分で思ってた矢先に向こうから「どうでしょう?」なんて提案があったり。「やりたいことだらけを先に言ってくれるな〜」なんて印象だったので、そういう意味ではすごく、ツラいことはなかったです。

あ、でも(思い出して)、雨だけはツラかったです。本当に、「皆んな機嫌悪くなるんじゃないか」ってくらい雨が降りすぎで・・・雨男なんです(笑)。ロケは基本夜中で、衣装は半袖だったんですごく寒かったし・・・そこだけはちょっと、ツラかったです。

--- 今回のアルバムは6曲入りのミニアルバムとのことですが、どういったテイストの楽曲が揃っているのですか?

リード曲の“ROCK STAR”がロックっぽいからアルバム全体がロックっぽいのかと言ったら全然違いまして。一番最初の、初めて個人名義で出すアルバムってこともありまして、自分の自己紹介的な部分、パーソナルな嗜好の楽曲。あと、聴いてくれる皆さんを元気付ける、背中を押せるような歌を歌いたいな、と思ってたんでメッセージを込めた楽曲を、何れもジャンル問わず収録した形です。

今、自分が考えていることだったりとか、仲間の話であったりとか、そういう自分の中にあるいろんな要素を、曲として、形にしてみたような。だから、このアルバムに固まったコンセプトっていうのは無くて、今の自分をそのまんま投影したパーソナルなものに仕上がって・・・いたらいいなぁ。

一見バラバラな曲調の楽曲が集まっているけど、全部聴くと“浪川大輔”みたいな。そういうアルバムを作ることが個人名義でアルバムを出す意味なのかなぁって思ったので。それでアルバムタイトルも『I.D.』。

これまでインディーズでユニットを組んでCDを出したりとか、出演作品のキャラクターを背負ってCDを出してきて、ユニットのカラーだとか、作品のメッセージを伝えてきたんですけど、その場では自分のメッセージを出すことをしてはいけない。でも、個人名義なら自分のメッセージだったり、パーソナリティをもうちょい前に出すことをやっていい・・・やりたいっていうことになって。それで、こういった自分の中の要素から作ったアルバムが出来上がりました。

--- では話を変えて、まもなく公開される映画『Wonderful World』のことについて。
監督業に挑戦することになったいきさつを教えてください。

アルバムと映画の公開のタイミングが丁度重なっているのですが、実は考えていた時期もほぼ同じタイミングだったんですよね。実際自分が映画監督を務めるにあたって、自分は何を伝えたいんだろうと考えた時に、何か新しいことに挑戦する事、踏み出す事、逃げない事をメッセージとして伝えたいと思いました。僕は今まで歌が苦手で歌うことなんて信じらなかったんですけど、それに挑戦してみたことと同様に、映画という知らない世界に挑戦することを身を持って実践することがメッセージになり、ダイレクトに思いが伝わるんじゃないかなと思って監督にトライすることになりました。

浪川大輔 第1回監督作品 Wonderful World ― ワンダフル ワールド


--- 実際映画を撮られてみていかがでしたか?

いや、ホントもう大変でした。大変って言葉では片付かないくらいに色んなことがあって、二度とやらないって何度思ったことか・・・。でもその分たくさんの人に出会えたりだとか、自分の為になることも多くって、どんな事でもやらないよりは自分のプラスになると分かりましたし、それが皆さんにも伝わるといいなと思います。

--- 声優、シンガー、役者、映画監督・・・と多方面でご活躍されている浪川さんですが、そのエナジーの源とは?

何かを表現するって事は声優でも吹き替えでも歌でも実写でも同じで、要は使う媒体が違うだけだと思うんです。やっぱり人間誰しも褒められば嬉しいですし、期待されたら応えたくなりますよね。応援してくれた方がいるからこそ今の自分があると実感しているので、何かこう恩返しじゃないですけど皆の背中を押すような、皆の元気の源になれたらいいなと思って。浪川でもできるならオレも出来るんじゃないか、私も出来るんじゃないか、と思ってもらいたいですよね。支えてもらって、言われて嬉しかったことをそのままお返ししたい、ただそれだけですね。

--- 今後取り組んでみたい新たなチャレンジはありますか?

僕にとって歌を作ることも、映画を作ることも、もちろん日々の声優の仕事も・・・毎回チャレンジで、大変なことなんですけど、実際違う世界を見たときに、そのときに思うことがあるんです。

今はアルバムを作ることと、映画を作ることと、そのキャラクターを背負うことで、いっぱいいっぱいで・・・更にこれから「次からコレやるぜ!」って言うのは、うーん何か軽く聞こえるような気がして。・・・今やってることに対して。アニメの世界で言うならば、作品ってすごいいっぱいあって、役者も・・・僕が演じたキャラクター、たとえそれが主役であったとしても、1クールなら3ヶ月演じて・・・意外とその後って何も無かったりするのが多くて、忘れられちゃうものっていうのが寂しくて。

なので、その盛り上がりとか「楽しかった」とか「いい勉強になった」とか「感動した」いう気持ちを、もうちょい大切にしてもいいんじゃないかなって。

そう思うと、「じゃ次コレ!」ってのがちょっと自分の中であまり考えられなくて。今取り組んでいるものをちゃんとやって、皆さんの心にちゃんと届くよう努力して、自分の中で完全にやり抜いて。その先にやっと・・・落ち着いたって言ったら変ですけど、そのときに感じれるものが出てくるんじゃないかな、と。

そのときにタイミングが合ったりとか。そういうときこそ、自分が新しいチャレンジに動くときなんじゃないかなと思いますね。だから今は・・・「じゃそうですね〜次は音楽プロデューサーやっちゃいましょう!」みたいなことは考えられない・・・というか考えたら今やってることに失礼かな、って。その辺は男らしく、やり切りたいですよね。

--- では、最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。

個人名義でアルバムを出すことに関して、遅咲きというか、ずいぶん時間がかかっちゃいましたけど、技術はどうあれ、今僕にできることは精一杯やったつもりですし、メッセージも一生懸命詰めたつもりです。聴いてもらった方の明日・明後日、次の日が元気になれるように、「聴いて良かったな」と思ってもらえるように、一生懸命愛情を注いで歌っていますので、とにかく沢山の人に聴いてもらいたいな、と思います。それで、少しでも僕が、聴いてくれた皆さんのためになれれば嬉しいなって思いますので、是非とも聴いてみてください。よろしくお願いいたします。


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  • profile

    子役時代から声優として活躍し、アニメから洋画の吹替えまで様々な役を演じる実力派声優。 代表作は「スター・ウォーズ」シリーズのアナキン・スカイウォーカー役等、多数。俳優としても活動し、現在は映画監督に挑戦する等幅広く活動中。 2010年夏に初監督作品「Wonderful World」が公開予定。

    ■代表作
    「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」(アルフレッド・イズルハ)
    「ヘタリア Axis Powers」(イタリア)
    「君に届け」(風早翔太)
    「スター・ウォーズ」シリーズ(アナキン・スカイウォーカー)
    「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ(フロド・バギンズ)

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