【連載】未来派野郎Aチーム 第11話 未来派野郎Aチームへ戻る

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2010年6月25日 (金)

未来派野郎Aチーム



今月もやってまいりました、未来派野郎のお時間でございます。

今回のお題はシンプルに「夕方」。
牛乳以上によく似合う、夕暮れ時の寂しさにそっと寄り添う良質の音楽をご紹介致します。

というワケでまずはイチオシ作品ですが、
今回は、当ページではおなじみのレーベル・scholeからの諸作品や、
自身が率いるバンド・kadanでのリリースでも知られるharuka nakamuraの、2年ぶりとなるアルバム『twilight』。

まぁ、何も言わずにこのジャケット写真を見てみて下さい。

・・・どうです?

いやホントに完璧なんですよ。
で、聴いてみたら中もスゴイんです。

ということで今回は特別に、haruka nakamuraさん自身にライナーノーツを書いていただき、
さらに今回のテーマ「夕方」でオススメ作品を2枚選んでいただきました!

加えて我々、Aチームによる「夕方」セレクションもお楽しみ下さい。

それではごゆっくり。


(隊長 / 古屋 雄裕)
未来派野郎Aチーム 「今月のイチオシ」
商品ページへ 【陽が沈んでから夜が来るまでの淡く美しい、その時間へ捧げる】

  haruka nakamura / twilight

    [ 2010年07月17日 発売予定 / 通常価格 ¥2,500(tax in) ]





Scholeレーベルからの1stアルバム『grace』が大絶賛された、東京在住の音楽家haruka nakamura(ハルカ・ナカムラ)が、2年振りに新作をリリース。リリース元のkitchen.レーベルはシンガポールを拠点とし、これまでにaspidistraflyやfjordne等の美しいエレクトロニカ〜アンビエント・サウンドをリリースしてきた良質レーベ ル。アートワークにもこだわり、写真集付きの特殊パッケージという、サウンドとビジュアルを独特の審美眼でトータル・プレゼンテーションしている。もちろんこのharuka nakamuraの新作も、アーティスト本人が撮り降ろしたポラロイド写真のアートブックと共にパッケージされている。

■haruka nakamura本人が撮影したポラロイド写真のアートブックとCDがセットになった特殊パッケージ
■ボーナストラック「光」がダウンロードできるクーポン付き





haruka nakamura セルフライナーノーツ


  • アーティストページへ

    haruka nakamura

    1982年生まれ。東京在住の音楽家。少年期に鍵盤・ギターをほぼ独学で学び、2006年より本格的に活動開始。 2007年『Afterglow』、2008年『Grace』をscholeより発表。 ソロ活動の他にも、自身が主宰するバンド“Kadan”において1stアルバム『CASA』をリリース。 また、H.P.FRANCEのWeb“H.P.F.mall”における音楽を制作。
    今後nujabes氏と制作をしていたhydeout productionsからのアルバムリリースも控えている。

  haruka nakamura offical HP


  [試聴]   01. 夕べの祈り

即興演奏でのライブでこの曲が生まれた時、ゆっくりと陽が彼方へと沈んでいく情景が浮かんでいて、この曲が出来た時から、今作の冒頭曲にしようと決めていました。レコーディングもこの曲から行いました。アルバムでは、ARAKI shinさん(テナー/ソプラノ サックス、 フルート)、rie nemotoさん(ヴァイオリン)に素晴らしい演奏をして頂いています。

  [試聴]   02. harmonie du soir

ARAKIさんの素晴らしいホーン・アレンジメントに耳を澄まして頂きたいです。
管のハーモニーが曲を昇華させてくれました。

  [試聴]   03. 彼方

本当に、レコーディングした日の1番自然な音だったと思います。
この曲だけ弾いた記憶が無いほどに、自分そのものの音でした。

  [試聴]   04. 窓辺

このようなメロディは、幼少の頃から自由に弾いていた記憶があります。
今回のアルバムではそういった原点からの旋律を大切にしています。


  [試聴]   05. memoria

ピアノとドラムのセッション全曲をゲスト演奏家の方達に渡し、好きな曲で好きなアプローチで演奏して頂く手法を取ったので、この曲を弾いた時は全く意識はしていなかったのですが、まるでakira uchidaくん(ソプラノサックス)の為に書いた曲のようになりました。それほどこの瑞々しく美しいサクスフォンには圧倒的な印象があります。

  [試聴]   06. ベランダにて

自宅のベランダで録音した鈴虫の音に寄せて、やがて雨が降り出します。次の曲「faraway」へと繋がっていきます。この曲でも最大で管7本ものハーモ二ーになるにもかかわらず、そうは感じさせない上品な佇まいのARAKIさんの美しいホーン・アレンジメントが堪能出来ます。

  [試聴]   07. faraway

何年も前に作っていた大事な曲です。東京で初めてライブをした時、1曲目に演奏して以来眠っていました。今回はその時のメンバー(toshiaki hamada,ryodo yamamoto)に再演奏してもらい、ARAKIさんにもソロを演奏して頂きました。初演したsuper deluxeの遠い記憶を思い出します。

  [試聴]   08. 光景

akira uchidaくんのサクスフォンを思うさま味わって欲しい1曲です。



  [試聴]   09. dialogo

isao saitoくん(ドラム)は、ほぼ全曲において僕のピアノと即興演奏でのセッションをしています。彼は「響き」をとても大切にした演奏をしました。この曲での彼の演奏がとても好きです。そして、やはりARAKIさんの美しいハーモニー。

  [試聴]   10. 音楽のある風景

この曲から、アルバムは終わりへと近づいていきます。
rie nemotoさんのヴァイオリンの調べが、穏やかな終焉へと向かわせてくれます。

  [試聴]   11. twilight

aspidistraflyのAprilとRicksの二人が日本に来たとき、僕たちは友人として多くの時間を過ごしました。この曲は僕の自宅で、僕らがギターと歌でセッションしていた時間を録音しておき、彼らが帰国してから一人トラックを構築していきました。
彼らとの思い出が詰まっていて、僕らにとってとても大事な曲になりました。
彼らとの出会いが無ければこのアルバムは生まれていません。ですからタイトル曲はAprilに歌ってもらおうと最初から決めていました。彼らと出会い、コラボレーションをして、彼らのレーベルからこのアルバムをリリース出来た事を誇りに思います。何より彼らと大事な友人としての関係を築けた事を。

  [試聴]   12. カーテンコール

この曲で物語はひとまず終わりを迎えます。ここまで僕とisaoくんの演奏に色々な方たちが出会っては別れ、素敵な演奏をしてくれましたが、幕が閉じていくこの曲のみ、二人だけでの演奏になります。

  [試聴]   13. The Light

他の全曲が完成してから、最後にこの曲を書きました。全ての後に希望を照らしたくて。
Janis crunchの子守り歌のような歌声が、1日の終わりの彼方に光を感じさせてくれます。




関連作品


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     『Grace』

    一日のサイクルに照らし合わせて三部に構成されたharuka nakamura 1stアルバム。
                      [2008年05月02日 発売]

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     『Afterglow』

    akira kosemuraとharuka nakamuraによるスプリット/コラボレーションアルバム。
                      [2007年09月14日 発売]


haruka nakamura : selection


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Gouldの中でも特にこのブラームス間奏曲集はずっと聴いている。夕方、窓辺からのささやかな風。ソファで気に入りの本を読んで、ゆっくりと暮れていく1日が哀しくも、愛おしくなるような気にさせてくれる1枚。いつ聴いたって素晴らしいのだけれど。個人的にそんな時間に聴きたくなります。

(haruka nakamura)

haruka nakamura : selection


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Shirley CollinsやSibylle Baierもそうだけれど、その歌声を聴いただけで空間の景色が変わる。フィルム越しに見えているような、いつかの思い出の中にいるような。美しい夕方が訪れたら、その時間を出来るだけ長く味わうために。そういう歌を聴きたくなる。


(haruka nakamura)




A TEAM selection 「夕方」
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おそらく、曲目を見ると『夜』とか『宇宙』というイメージで、作者本人もそういうコンセプトで作ったんだろうなと思うのですが、あえてこれを選択してみました。この間、ちょうど夕方に上野で人を待っていた時、『一日でもっとも短く、神秘的なこの時間帯に合うものって何かな』って考えながら聴いていたものがこれ。個人的にはQuasar〜Venus in Piscesが合うかな。少し暗くなってきた頃に聴き始めて、聴き終わったら夜になっていたという、『夕方』よりは『夕方になる過程』という観点で聴いたらいいのかもしれない。

(HMVイオン土浦店 / 三好 浩平)
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TREVOR SIASによるプロジェクトPANDATONEの2ndアルバムです。前作のイメージを覆し、より一層ユッタリと、より一段とマッタリな音の流れに酔いしれます。一日の中でも特に夕暮れ時なんかに聴いた時には、それはもうとにかく突き刺ささってきますよ。切ないながらも、寂しさと暖かさが同居した奇跡のような1枚。アコースティカル・アンビエントロニカの金字塔です。フォーキーでポップなシガーロスを想像してみてください。エレクトロニカ好きはもちろん、シンガーソングライター好きにもグッときます。

(HMV銀座INZ店 / 古屋 雄裕)
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アンデスの民族音楽「El Cóndor Pasa(コンドルは飛んでいく)」やサイモン&ガーファンクルの曲をカバーしていますがどれもよく練られたであろうアレンジが素晴らしく、その音楽に対する間口の広さも大きな魅力ですが、何といってもポール・デスモンドのサックスの音色がたまりません。グルーブ感のある曲でも熱くなりすぎずブレない演奏の小気味良さはとても知的で、こういうところが白人のジャズの魅力でビル・エヴァンスなども然りかと思います。とはいえポール・デスモンドの柔らかく温かい音色は唯一無二。浸れます。

(HMV銀座INZ店 / 鈴木 俊介)
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アイスランドの音楽都市レイキャビックのフォーキーな注目若手バンド。ギター、ピアノ、ヴォーカルのバンドの中心的存在である若干24歳のSindri Mar Sigfusson、幻想的な歌声を持つバイオリニストの少女Gudbjorg Hlin Gudmundsdottir (バイオリン、ヴォーカル、ハーモニカ)、Orn(ギター、ラップスティール) が中心メンバーで、ゲストとして MumのメンバーであるOrvar、Sigur RosのライヴミュージシャンであるEiki等が参加。夕日を見ながら時を過ごす心温まるサウンドです。


(HMV立川店 / 小原 優男)
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一般的なJAZZY HIPHOPの模倣というより、純粋に和製HIPHOPとして世界で認められたが、惜しくも今年の2月に他界したNujabes。彼が選曲した素晴らしいコンピ『Modal Soul Classics』をチョイス。この作品は、『選曲すること』の意味が十二分に込められ、聴き手にそれを伝え得る、音楽のデータ化が進む現在において、正しくパッケージとして意味を成すコンピ。氏曰く、「人生においてより音楽を深く楽しんでいけるきっかけになれば」という想いが込められているのだそう。ラス曲は涙無くしては聴けませんぞ!

(HMV / 緑川 信宏)
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リトルクリーチャーズの栗原務・鈴木正人やおおはた雄一などがゲスト参加した、モダーン今夜のヴォーカル・永山マキのソロアルバム。 フォーキーなモノからエレクトロニカまで、1曲ごとの表情が非常に豊かな名盤だが、永山マキの魅力を最大限に引き出した、ほぼピアノのみのシンプルな楽曲「ゆうやけこやけの鐘が鳴るころ」の郷愁感はただ事ではない。 この曲を聴くと、子供の頃の“人の家の夕飯の匂いがしてきたからそろそろ帰らなきゃ”感がまざまざとよみがえり、頭の中が一面オレンジ色に。


(HMV / 村崎 真佑)


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※次回更新は7/26予定です。お楽しみに!




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