進化止まらぬ「ノイタミナ」大特集!
2010年7月30日 (金)
キネマ旬報社「月刊DVDナビゲーター」7月号より
進化止まらぬ「ノイタミナ」大特集!
独自の作品チョイスと質の高さで、アニメファン以外のユーザーも多数獲得してきたフジテレビ深夜アニメ枠「ノイタミナ」。スタートから満5年を迎えた今年4月、30分から1時間枠への拡大を果たすなど、その存在感は増す一方だ。
05年から放映開始された、フジテレビの深夜アニメ枠ノイタミナの語源は、「animation」を逆から読んだもので、「これまでの常識に囚われない新しい作品を」という意志が込められている。実際、ノイタミナは、それまで深夜アニメの定石とされていた萌え系美少女ものやSF ロボットもの――言ってみれば、独身男性アニメファンが喜ぶ“安全パイ”的ジャンルには手を出さず、一貫して「新たなユーザーを呼び込みそうなもの」を感じさせる作品を提供してきた。具体的には、女性も観られる深夜アニメの先駆けとなった『ハチミツとクローバー』(05)、和風アニメのトレンドを作った『モノノ怪』(07)、貸本時代の“怖すぎる”原作を芸術性の高い作画で表現した『墓場鬼太郎』(08)などが挙げられる。それら作品は、パッケージ市場にも女性や、大人の非アニメファンを呼び込むことになり、その功績はパッケージ業界も認めるところだろう。 そんなノイタミナのチャレンジはさらに加速し、今年4月からは『四畳半神話大系』『さらい屋五葉』と、30分×2本立ての1時間枠に拡大。7月からはアニメ枠にもかかわらず『ドラマ もやしもん』を放映している。そしてプロモーションには、AR、Ustream、Twitterといった、世間一般への浸透度が決して高くない次世代メディアも、TV局として果敢に取り込んだ。このように、常に「外の世界」を意識し続ける「ノイタミナ」に、業界内外の注目が集まるのは必然なのだ。
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前クール 2本のおさらい!
フジテレビ・山本P に聞くノイタミナのコダワリとミライ!
- --- 枠のスタートから6年目を迎えましたが、「ノイタミナ」が重視しているものとは?
山本幸治(以下、山本P) 以前から大事にしていることのひとつに“挑戦”と“多様性”があります。同じことをやっていたら視聴者もクリエイターも飽きてしまうので、毎回新しいことをやりたい。例えば、女の子だけでなく男の子たちも観られる一般性を持った少女漫画がいくつもあることに気づいて、『ハチミツとクローバー』『パラダイス キス』(共に05)を制作しましたが、当時は今のように少女漫画のアニメ化が盛んになる前でした。今はそうした作品も増えたので、同ジャンルにおける僕らの役割はひとつ終えたと思っています。それから5年経ち、今は、「TVはカルチャーの深度が浅い」というイメージが世間に漂っている。なので、映画や本などが好きな人たちを取り込めるような、“TV以外のカルチャー”から価値を加えることが重要になってきていますね。
- --- 4月スタートの『四畳半神話大系』は、まさに“TV以外のカルチャー”が強いスタッフ陣を起用した作品と言えますね
山本P 昔は「月9が好き」「木10が好き」など、TVという大きなハコに対して嗜好の階層があったんですが、今はカルチャーの分断が起きていて、そもそもTVから離れてしまっている人がたくさんいる。そういう人たちをもう一度TVに惹き付けて、ノイタミナの存在価値を高めるためには、TV 以外のカルチャーが必要なんです。また、今のアニメは、似たようなものや続編シリーズが多すぎる。そうした傾向はユーザーが一番分かっているし、アニメ全体に対する期待値を下げてしまいます。だからノイタミナでは、手堅さを残しつつどうカウンターを当てていくかを考えています。「ノイタミナっぽいね」とアニメファンから言われそうな作品をやることは戦略的にもう過ぎていて、我々が取り組むべきなのは、まさに『四畳半神話大系』のような作品。文芸・イラスト・演劇など、アニメ外のカルチャーを取り入れつつ、アニメオタクの方たちなら分かるであろうマニアックさや本格性を加えていくということです。
- --- オタク層と一般層。この両者を取り込むのは、容易ではないようにも思えますが
山木P ノイタミナをスタートさせた頃は、「オサレアニメ」と馬鹿にされて、オタクたちからそっぽを向かれていた時期もありました。でも、サブカル色が強くなった『モノノ怪』(07)、『もやしもん』(07)、『墓場鬼太郎』(08)あたりからオタクと呼ばれる方たちにも受け入れてもらえるようになった。これらのヒットは計算ではなく結果論だったのですが、今後は一般性とオタク性のバランスを取る上で、「萌え」の要素を入れることが必須だと思っています。萌えアニメが売れるのは、結局皆が欲しがっているから。これまでのノイタミナには萌えアニメは少ないですが、萌えと、萌えを普段やらないクリエイターとを上手くマッチングさせるのも、今後の重要なプロデュースワークだと思っています。
- --- クリエイターコントロールが重要になる、ということでしょうか。
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山本P プロデューサーがクリエイターのやりたいことをしっかり理解する、ということも大事ですよ。ただ、絶対に縛らないといけないところもあって、例えば『四畳半〜』の湯浅監督の場合は、「寄りの画は崩さないで欲しい」という話をしました。作品性が高く、キャラクター造形が自在に変形する作画は湯浅さんの持ち味で業界内評価も抜群ですが、多くの視聴者をターゲットに、商品性を高める――即ち業界内だけでなく、外にも認めてもらえる作品を作る上ではその自由な作画を縛る必要があった。だから今回、湯浅さんはちょとやりにくかったのではないかと思いますね。
- --- とはいえノイタミナは、それぞれの監督の代表作となる作品を数多く送り出してきました。4月から1時間枠になりましたが、どのような戦略を考えていますか。
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山木P 1時間枠の前30分には、『四畳半神話大系』のように他のカルチャーのファンを連れて来てくれる作品を置きます。従来のTVアニメとは違うロジックで作る、アニメトレンドを追わないものですね。一方、後ろ30分には、アニメトレンドを追ったものを放映します。我々が挑戦すべきものとアニメファンが欲しがっているもの、それぞれを掛け合わせるには1時間枠がちょうどいいんですね。いずれにせよ、片方が評価される、売れるというかたちではなく、2本がセットで評価されるようなものにしたいと考えています。
- ---4月作品からは東宝の出資も決まり協力体制に入りましたが、期待することは?
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山本P やはり“映画連動”に期待したいですね。今のアニメユーザーは非常に目が肥えているので、そうした人たちが参加してくれるメディアミックスをやりたい。映画もそうですが、原作やアニメに留まらず、例えば、『黒執事』の舞台や『マクロスF』の音楽イベントのように、東宝さんと一緒にユーザー参加の窓口を広げていくイベントなども考えていきたいですし、今のユーザーの、「これが見たい!」という潜在的で即物的な欲求を満たすためにも、そうしたメディアミックスというスケール感の演出が大事だと思っています。
- --- Twitterや、AR、Ustreamでの新しいプロモーションにも積極的ですね。
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山木P アニメが既に持っているカルチャー以外のところで幅を広げたいという思いがありました。Twitter やAR、Ustream は、商業レベルでもネットでも話題になっているのに、TVで誰も取り上げないのもおかしいだろうと。ちなみに、僕は視聴率が低かったこともツイートしてます。さんざん宣伝しているのに視聴率が悪いのを隠すのも良くないなと。監督には「お前が言うな!」「つぶやいてないで現場来い!」とかたまに怒鳴られたりもしますが、僕らTV局の人間はより入口を広げる役割を担っているので、良いことも悪いことも伝えられるようにしたいですね。
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
過去のノイタミナ作品を一挙紹介!
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