【K★Popブーム徹底検証!】

2010年12月28日 (火)




★ 「K-POPハマり度調査」から読み解く!★
K-POPブームとその購買行動徹底分析!



調 査 概 要


【調査名】: 「K-POPハマり度調査」
【対  象】: HMVユーザー 男女4482名 (HMV ONLINE、MOBILE上にて)
【調査期間】: 10/28(木)〜11/7(日)




 現在ブームとなっているK-POP。

 そのK-POPハマり度調査から、その根底にある購買行動が分かりました。

 HMVではこのようなアンケート結果からわかった購入行動の分析を基に、それに基づいた取り組みを行っています。
今回はその一面をお見せしたいと思います。

 まず今回のアンケート結果から、対象者のクラスタ分析、その行動の基であるインプット分析、そのインプットの結果を生かすソーシャル化分析、その後のアウトプット分析という流れで説明していきたいと思います。


【 設問1:K-POPを聴き始めてどれくらいですか? 】

 K-POPファンのクラスタ分析 〜K-POPファンのデモグラフィック ×ライト/ヘビーファン調査〜


女性


男性

◆ 興味深いことに、男女別・年齢別に特色が見えました! ◆

【 女性 】
アーリーマジョリティ層
K-POPを聴き始めて1〜2年くらいの10-20代。
現在のK-POPブームの中心にいる層です。
聴き始めて2年以下ということで東方神起が日本を中心とした活動にしたあたりからK-POPファンになったであろう層。
現在のK-POPガールズブームを牽引しているといっても過言ではないファン層と言えます。

アーリーアダプター層
K-POPを聴き始めて5年以上の30-40代。
K-POPブームを支えてきた層です。
東方神起をデビュー時や日本デビューの頃から知っていて、その後もK-POPという「エンターテインメント」の楽しさを知っているファン層

【 男 性 】
レイトマジョリティ予備軍層
K-POPを聴き始めて1年未満の10代。
女性同様、現在のK-POPブームの中心にいる層ですが、聴き始めて1年未満ということで、K-POPガールズブームから聴き始めた層

音楽限定 アーリーマジョリティ層
K-POPを聴き始めて1年未満の30-40代。
現在のK-POPブームを「音楽」として捉えている層
聴き始めて1年未満ということで、K-POPガールズブームから聴き始めた方たちですが、今まで色々な音楽を聴いてきて、K-POPを1つの「音楽ジャンル」として捉えて聴いている層と言えます。

ここから男女を総合すると、大きな2つの分類が見えました。

を中心とする 10-20代のアーリーマジョリティ層
を中心とする 30-40代のアーリーアダプター層

この2つの視点で見ていきたいと思います。



【 設問2:K-POPの情報の主な入手先を教えて下さい。(複数選択可) 】

  K-POPファンの情報インプット分析 〜世代別 情報インプットのチャネル調査〜



◆ K-POP情報はどこで入手しているの? ツィッター? ブログ? ◆

 アーリーマジョリティ層(10-20代)は様々なメディアを駆使して情報を集めていることが分かります。年齢が上がるに従い、自分だけの情報取得方法が確立されることで、取得する方法にばらつきが出てきます。
 また、ブログや公式サイトから情報を得る方はどの年齢でも一定ですが、アーリーマジョリティ層の特筆すべきはTwitter。年齢が上がるごとにその割合は減っていきます。逆に韓国エンタメ総合サイトなどはアーリーアダプター層以降に増えていきます。

 これは、
 アーリーマジョリティ層は『話題に上がったことを共有することで得られる「情報」を広く受け入れる=受動的で寛容、共有ネタとしてのK-POP』
 アーリーアダプター層は『自分のフィルターを通して探し集めることで得られる「情報」に充実感を覚える=能動的で厳格、自分ネタとしてのK-POP』と情報の受容態度と目的が変わってくるのではないでしょうか?


【 設問3:K-POP友達は何人いますか? 】

  K-POPファンのコミュニティ化分析−人数〜男女別のソーシャルコミュニティ調査[1]〜




◆ 男女別に見る「誰とK-POPを楽しんでるぅ?」調査! やはり興味深い結果が・・・!

女性は約9割がK-POP友達がいることが分かりました。
女性はほとんどの方がK-POP友達を持ち、情報交換を行っているようです。
特に一番多いのが3〜5人。

対して、男性は約6割がK-POP友達のいる方。
いても1〜2人で、一番多いのは「いない」という方です。

このK-POP友達数は次の「K-POP友達とはどこで知り合いましたか?」と組み合わせることで、さらに深みを増します。



【 設問4:【任意】K-POP友達とはどこで知り合いましたか?(複数選択可)】

  K-POPファンのコミュニティ化分析−場所 〜男女別のソーシャルコミュニティ調査[2]〜

女性


男性


◆ 「どこでK-Pop仲間と出会いました?」調査の結果はいかに・・・??? ◆

[女性] ⇒ 約9割のK-POP友達はメイン層が10-20代ということからも学校が多い。
ただしリアルな場所だけでなく、バーチャルな場所でも友達がいます。

[男性] ⇒ 約6割のK-POP友達ですが、メインが30-40代ということからも会社が多い。
また家族/恋人ここも多いようです。
ただし友達のほとんどがリアルな場所での友達です。

⇒ このことから女性はリアルだけでなく、バーチャルな場所でも友達との情報交換を行い、男性はリアルな場所での情報交換、いない場合は自分自身で完結という方が多いということになるのではないでしょうか?

また、今回のK-POPのように「ブーム / ムーブメント」となるには女性の力が必要だということが分かります。
「K-POPファンのクラスタ分析」を見ても、デモグラフィックは男性と女性を比較すると実は単位は倍です。(今回のK-POPアンケートに答えて頂いた9割が女性でした)
その人数が様々なコミュニティを使い、情報を広げていきます。そして、人を呼びます。

ここからも「ブーム/ムーブメントの影には女性あり」と言えるでしょう。



【 設問5:【任意】K-POP友達とはどのようにして楽しんでいますか?また今後、楽しみたいですか?(複数選択可) 】

  K-POPファンの行動アウトプット分析 〜世代別 行動アウトプット種類調査[1]〜


◆ どのように友だちやお知り合いとK-POP友達を楽しんでますか? ◆

「CD/DVDを聴く・見る」「コンサート・ライブに行く」という楽しみ方は基本的な楽しみ方として、ほとんどどの年齢でも変わりません。
 ただしアーリーマジョリティ層に多いのが「ダンス・ファッション・衣装のコピー」。これは特に10代に特化した楽しみ方のようです。これはアーティストに対しては「憧れ」を持ち、「ああいう風になりたい」という気持ちから来るものなのでしょう。

 また、ブログ/Twitter/SNSで交流という割合も多いです。これらはインプット分析で分かった結果である「情報に対し受動的で寛容な態度」からだと考えられます。

 また逆に年齢によって上がってくるのが「ファンイベントに参加する」「韓国に行く」です。
 これはアーリーマジョリティ層には高いハードルである「金銭的な問題」によるところが大きいのかもしれません。


【 設問6:K-POPを聴き始めて、韓国へどれくらい行きましたか? 】

  K-POPファンの行動アウトプット分析 〜世代別 行動アウトプット種類調査[2]〜


◆ K-POP好きが高じて韓国へ飛んだ人ってどのくらいいるの? ◆

 上記のように「韓国に行く」がアーリーマジョリティ層には「金銭的な問題」が高いハードルだと思われることは、ここでも顕著に現れます。
 K-POPファンで韓国に行った、もしくは行きたいと思っている方は約90%。
 アーリーマジョリティ層に至っては95%。ただし10代で実際に行ったのは15%程度で、80%が「行きたい」と思っていることが分かります。
 しかしそれが同じアーリーマジョリティ層でもある20代になると、お金と時間ができることで、約35%程度が実際に行くようになります。
 ここからその差異、少なくとも20%程度の10代はお金と時間があれば、実際に行くであろう「渡韓」予備軍だと考えられます。


【 設問7:【任意】韓国に行く場合の楽しみ方、もしくはやりたいことを教えて下さい。(複数選択可) 】

  K-POPファンの行動アウトプット分析 〜世代別 行動アウトプット種類調査[3]〜


◆ 実際に韓国に行った場合、彼の地でどのようにしてK-Popを楽しんでいるの? ◆

 それでは韓国に行った場合、何をして楽しんでいるのでしょうか?
 ここで特筆すべきは「CD/DVD/グッズなどを購入する」という目的が、どの年齢層でも変わらないことです。その他は年齢によってばらつきはあります。

 そう考えると以前は韓国への旅行といえば「ブランド品やコスメなどの買物」「料理を食べに行く」が主流でした。ただしこれは逆を返せば「ブランド品やコスメなどの買物」ができればどこでも良いということです。

 しかし今は「アーティストのCD/DVD/グッズやその関連商品やスポットめぐり」という韓国旅行への新たな楽しみ方により、行くのは「韓国」でないとだめということです。
 これは韓国へ旅行に行く「人」が変わったといえるのではないでしょうか?

 またK-POPに関していえば、K-POPという「エンターテインメント」を海外に輸出することで外貨を稼ぎつつも、その結果がインバウンドを産み、内需をも満たしているということが言えます。

日本もこのような状況を見習いたいところです。


★ 今までのアンケート結果をAIDMA(注)に照らし合わせることで、K-POPを通して見える購買行動がありました。★

Attention注意認知段階
Interest興味感情段階
Desire欲求
Memory記憶
Action行動行動段階

K-POPブームをAIDMAモデルに当てはめると・・・

 モノを消費する心理的プロセスモデルのAIDMAモデルは、大きく分けて3つの「認知段階」「感情段階」「行動段階」のプロセスに別れます。

 今回のK-POPブームを当てはめると「認知段階」では消費者が「K-POPが流行っているらしい」「K-POPのこのアーティストは可愛いらしい」「テレビや雑誌で特集されていた」など「知る」という段階です。
 「感情段階」では「K-POP(このアーティスト)に興味を持った」、「K-POP(このアーティスト)を聴いてみたい」、「良さそうだから、このアーティスト名を覚えておこう」という段階です。
「行動段階」は行動をする段階で「K-POP(このアーティスト)の商品を買う」という段階です。

「K-POPが流行っているらしい」という情報、そして最近はテレビ・雑誌等でも「K-POP」の文字を良く目や耳にすることからも「K-POP(アーティスト)に興味を持った」ところまで(上記でいう「注意」「興味」の段階)は全年齢に対して機会もあり、ほとんど変わらない行動だと思われます。

【10代 アーリーマジョリティ層の購買行動】
 10代は「K-POP(このアーティスト)を聴いてみたい」「良さそうだから、このアーティスト名を覚えてこう」という行動までが早いようです(上記でいう「欲求」「記憶」)。
 これはK-POP友達からの情報や、その情報を共有したい(もしくは、しなければならないという)という情報に対して受動的で寛容な性格を持つことが起因していそうです。
 この層が頻繁に使っている動画サイト等を使うことで「K-POP(このアーティスト)を聴いてみたい」という欲求がすぐに満たされるということも原因の1つなのかもしれません。
 この層のK-POPファンに好きなアーティストを聞くと複数アーティストを挙げるファンが多いのもこの「記憶」までが早いことの証明になりそうです。
 ただし「K-POP(このアーティスト)の商品を買う」という「行動」には絶対的なハードルでもある「お金」が発生することで、10代は「行動」へのハードルが高いことが分かります。

 また、アーティストに対しては「憧れ」「親近感」を持ち、「ああいう風になりたい」という「理想の自己モデル」といえます。
 これはこの年齢のK-POPファンが異性のグループだけでなく、同性のグループも支持していることからも分かります。

 この層への「行動」(購入)へのきっかけは「価格」、それに付随した「買いやすさ」が重要だと考えられます。

【30代 アーリーアダプター層の購買行動】
 30代は「K-POP(このアーティスト)に興味を持った」という「興味」までの段階と「K-POP(このアーティスト)を聴いてみたい」という「欲求」の段階との間にハードルが存在しそうです。
 また、その「欲求」のハードル(自分自身の確固たるフィルター)を越えてきた場合は「行動」までは早いようです。
 これはそのハードルを越えてきたアーティストに関してはその「欲求」を自己満足させるため、情報の収集が能動的で厳格な性格を持っていることに起因していそうです。  これはアンケート結果のK-POP情報の取得方法(取得チャネル)が少なくなってくること、好きなアーティストを聞くと多くても2-3アーティスト(ほとんどの方が1アーティスト)を挙げることからも分かります。

 またアーティストに対しては「異性としての存在」の側面を持っており、「理想のパートナーモデル」といえます。
 これはこの年齢のK-POPファンが基本的には異性のグループを支持しており、そのお気に入りのグループにはお気に入りのメンバーが必ず「1人」いて、「グループ全体」というよりはその「1人」を支持していることが多いことから分かります。これは男性でも女性でも変わらないようです。

 この層への「行動」(購入)へのきっかけは「欲求」のハードルを越えさせることが重要そうです。
 自分自身のフィルターにないもの「新しい価値観」や「新機軸」を打ち出すことで、「気づき」が生まれ、知りたいという「欲求」につながります。
 例えば「あるインパクトによってメンバーの名前を覚えさせる」「ライブ等で新たな魅力を気付かせる」等が有効な手段だと考えられます。

 今ブームとなっているK-POPを通してみることで、違った視点での購買行動を分析できました。
 また、今後の取り組みへの大きなヒントともなりました。K-POPブームという皮をかぶった購買行動は思いのほか奥の深いもののようです。

(注):「AIDMAの法則」=アメリカのローランド・ホールが提唱した「消費行動」の仮説。Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の頭文字からネーミングされている。
 

〜2010年K-POP総決算! 今年こんなことがありました!〜