【コラム】Akira Kosemura第17回 細い糸に縋るように Akira Kosemuraへ戻る

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2010年12月10日 (金)

連載「細い糸に縋(すが)るように」
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小瀬村晶 Akira Kosemura
[producer / composer / schole records A&R]

東京在住の作曲家、音楽プロデューサー、ピアニスト。 国内外の音楽レーベルから作品を発表する傍ら、広告 / ファッション / フィルム / 舞台など、特定の分野に限定されることなく多方面で活動を展開するアーティスト。 schole recordsを主宰していることでも知られ、これまでに数多くの若手アーティストを発掘、主に海外のアーティストを中心にプロデュースも手掛けている。
最新作は、schole recordsからの「grassland」(2010年発表)



すっかり寒くなって、ようやく12月らしくなってきた。
あんまり街をぶらぶらすることがないので、まだそれほど年の瀬を感じることもないんだけれど、きっともう大きな街はクリスマスのイルミネーションをしっかりと着込んでいることでしょう。
僕はといえば、毎日鍋を突いて暮らしています。

そんな僕も、クリスマスの雰囲気は大好きで、どこか街に出掛けて…というわけではないけれど、クリスマスソングを掛けて、気の知れた友人を集めて皆で鍋を突いたり、クリスマス映画を観たり、というちょっとした行事は僕の心に年の瀬の、あの時間が止まっていく感覚を思い出させてくれて、なんだかほっとするんです。

僕は85年の生まれなので、やっぱり70年代後半、80年代、90年代の映画にとても心が惹かれてしまう。
先月のコラムでも書いた「13日の金曜日シリーズ」は、僕のなかでは最も恐ろしい存在として、つい先月まで君臨していたし(いまでも僕の恐怖の象徴的な存在ではある)、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、子供の時に台詞まで覚えるほど大好きな映画だった。もちろんデロリアンの模型も持っていた。もう100回くらい観ているはずなのに、いまでも月に一度くらいは観てしまう、夢と希望と冒険の詰まった最高の映画だと思う。
「ゴーストバスターズ」の四人組にも憧れたし、「天使にラブソングを」で一緒に歌ったり、「ジュラシックパーク」は男の子なら誰でも大好きな恐竜があんなにリアルに動いているのにすごく興奮した。「キャスパー」や「グレムリン」はとても可愛らしかったし、「エイリアン」や「ターミネーター」には本当にハラハラした。かと思えば、「MIB」の発想に笑ったり、「ET」で涙した。「スターウォーズ」はもちろん全巻持っている。
「TITANIC」の音楽を聴いて、小学生だった僕はサウンドトラックを町のCD屋さんに買いに行き、CDウォークマンに入れて毎日聴いていたのも、いまとなっては良い思い出。
他にも「スタンド・バイ・ミー」や「ビバリーヒルズコップ」「グーニーズ」「インディージョーンズ」など、本当に大好きな映画がたくさんある。

クリスマスといえば、「ホームアローン」「34丁目の奇跡」「ダイハード」なんかは、同年代の友人達とシャンパンでも空けながら観るには最適で、心がほくほくしてくる素敵な映画だなぁといつも思う。
特に「ホームアローン」のテーマは、それを聴くだけで僕は一瞬でクリスマスの温かい気分になってしまう。

気がつけば、また今月も映画のことを書いてしまったんだけれど、この時期になると毎年、今年のベストディスクを選んでくださいというお願いがいくつかきます。まさに年の瀬の定番的な行事ですね。
この連載をしてくださっているHMVさんでもご紹介させて頂くことになっているので、そろそろ今年発売になった作品で、手に取ったものを聴き直していく作業をすることになります。
年末の大掃除のようなものだと僕は勝手に思っていますが、そういう手間こそが、一番年の瀬を感じさせてくれることだったりするのです。

一年を振り返ること。鐘の音を聞くこと、映画を観ること、音楽を選ぶこと、友人と言葉を交わすこと。
皆さんはどのように過ごしますか?


http://www.akirakosemura.com/
http://www.scholecultures.net/




 
 Akira Kosemuraの「今月のオススメ」






商品ページへ 【Akira Kosemura作品】

  Akira Kosemura / grassland
    [ DVD付き限定盤 / 2010年2月13日 発売 / 通常価格 ¥3,150(tax in) ]     ※通常盤はコチラから


scholeより発表された二枚のアルバムが多くの人々に支持され、最近ではポラロイド写真をテーマにした完全即興演奏によるピアノアルバム『Polaroid Piano』の発表、さらに自身の作品だけにとどまらず、映像作品「ウミウシ 海の宝石」への音楽提供や、ケンタッキーTVCMの音楽制作、nano universeやTOSHIBA REGZAのウェブサイト音楽、アパレルブランドへの楽曲提供など、ますます活動の幅を広げる気鋭のアーティスト、Akira Kosemuraが自身のレーベルscholeからリリースする三枚目のアルバム『grassland』。 多くのゲストミュージシャンを迎え入れて制作された本作、これまでの作品が光と影、両方を持っていたとしたならば、今作は最も光に満ちあふれている。その濃い密度で紡がれた音楽は、これまでの集大成といえるだろう。 また、今作は通常のCD盤に加え、限定生産盤としてミュージックビデオ作品を七作収録した豪華CD + DVDパッケージ盤も同時リリースとなる。小瀬村のこれまでの作品のなかから、四人の映像作家がそれぞれ楽曲を選び制作された映像作品集は、デビュー当初より小瀬村の作品ヴィジュアルを支えているSCHOLE INC.の面々に加え、ロンドンから Mario Cavalliを監督に迎えて製作された三作品もパッケージ。一つの到達点を迎えた彼の今後に、大いに期待が高まる作品となった。


商品ページへ 【schole records最新作】

    Ghost And Tape / Ghost And Tape
    [ SCH016 / 2010年10月05日 発売 / 通常価格 ¥2,100(tax in) ]

スペインはバルセロナ在住、Heine Christensenによるソロユニットghost and tape。「note of seconds - schole compilation vol.2 -」への書き下ろし楽曲や、CD&BOOKの複合メディア『CLARITY』に収録されていた「it's morning」も好評だった彼のデビュー作品が、満を持して<schole records>よりリリース!“ghost and tape”というその名のごとく、古いテープを再生させた様なノイズ混じりの音が誘うまどろみは、アコースティック/エレクトロニカの中間をなぞる、完全なるローファイ指向の蜃気楼サウンド。どこか古典ポップを匂わせるギターアルペジオのループで始まる冒頭曲の「onesome」打って変わりノイジーに高潮する展開が爽快な「bless the blind」、akira kosemuraが鍵盤で参加し、女性ヴォーカルのカットアップされた歌声が溶け出すトリップ感を与える「cradle」、Heine自身のソフトな歌声を浮遊感たっぷりにレイヤードした「ghostday」など、田舎風味の純朴なメロディラインを垣間見せながら、ひとひねり効いたポップネスを展開させる。トラック全体を覆うノイズのざらざらとした質感、角の取れた生楽器と主張し過ぎない電子音との狭間に生まれるハーモニーが奏でる、至上のリラクシングデイドリーム!



次回へ続く…(1/10更新予定)。


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