Fuki さんコラム第2弾！

第二回 『analysis』

HMV ONLINE をご覧の皆様こんにちは、お久しぶりです、あけましておめでとうございます！

相棒 と 科捜研の女 と 警視庁捜査一課9係 と おみやさん と 必殺仕事人 が大好きな、

ヴォーカリスト・Fuki です。
メロディアスハードロックバンド・LIGHT BRINGER のフロントを務めております。
以後お見知りおきを！

前回のコラム第一回目では、「歌詞」というものを私がどう扱っているか？
その考え方について語らせていただきました。

(まだ第一回目を読んでいない方は、是非そちらもご覧くださいね！)

だいぶ久しぶりの更新となってしまいました今回の第二回では、LIGHT BRINGER において Fuki が綴ってきた「歌詞」の内容について、もっともっと具体的に解説していきたいと思います。

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ところで、歌詞って、一体どのようにして生まれるのでしょうね？

紙に書くのか、携帯電話で打つのか、PC のテキストに打ち込むのか。

メロディーが先なのか、歌詞が先なのか。

その歌詞を自分が歌うのか、他人が歌うのか。
それによって書き方も変わるのか。

それは作詞家本人の体験談なのか、完全な作り話なのか。
reality なのか fantasy なのか。
偽りのない心情の吐露なのか、綺麗事のフィクションなのか。
あるいはどちらでもないのか。

「作詞」の過程や手段はケースによって千差万別です。
ですから正直、Fuki 以外の人の作詞のことは私にはわかりません（笑）
皆さんにとってもおそらく未知の世界です。

しかし幸運なことに、Fuki にはこうしてものを語る場所が与えられているわけなのです。
わたくしは歌詞の地位向上を目指して、少しでも歌詞というものに面白さを感じてもらえるように、ここで突っ込んだ解剖をしてみようと思います！
これを読んでくれたあなたが、何か音楽を嗜む際に『あの金髪が言っていたことだし歌詞にも注目してみようかな』と、ほんの少しでも思ってくださればこれ幸い。

それではここから LIGHT BRINGER の楽曲を例に挙げて、歌詞についての様々な分類をしていきます。
（ネタばらしともいうよ）
LIGHT BRINGER の CD をお持ちの方は、是非歌詞カードをお手元に……！

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■ 一人称による分類 ■

【 主人公型 】
歌詞の中の一人称が二人称へ語りかけるタイプ。
例：『Diamond』
　　『We're All in This Together』
　　『Dream!』

【 天の声型 】
第三者に詞のテーマを語らせるタイプ。
例：『Resistance』
　　『Red Spider Lily』

【 自己啓発型 】
二人称が登場せず、歌詞の中の一人称が自身に向けて語る独り言タイプ。
例：『Symphopia』
　　『Lazy Maze』

■ 内容による分類 ■

【 ノンフィクション型 】
実体験をもとに生まれたタイプ。
例：『Rain』

【 フィクション型 】
オリジナルのストーリーを創作したタイプ。
例：『Fairy』

【 オマージュ型 】
既存のモチーフをストレートに歌詞に落とし込んだタイプ。
例：『Le Cirque de Minuit〜真夜中のサーカス〜』
　　『奇跡』

【 二次創作型 】
もともとのモチーフはありながら、それをFukiの解釈でアレンジしたタイプ。
モチーフがわかりやすいものとそうでもないものがある。
例：『今にも落ちてきそうな空の下で』
　　『Frothy Summer〜真夏の夜の夢〜』
　　『Closed Sister〜雪待月の妹〜』

【 コロンボ型 】
始めから犯人がわかる倒叙型のミステリの代表、刑事コロンボタイプ。
古畑任三郎タイプともいう。
冒頭で犯人がわかるため、犯人探しが目的ではない。
つまり、モチーフは容易に読み解けるが……？
例：『Hearn's Heaven（へるんず へぶん）』

【 スター・システム型 】
「〔中略〕漫画などで、同一の作家が同じ絵柄のキャラクターをあたかも俳優のように扱い、異なる作品中に様々な役柄で登場させるような表現スタイルも、スター・システムと呼ばれるようになった。」（スター・システム - Wikipedia）
他の楽曲に登場した人物と関連してパラレルワールドのような世界を構築した詞。
例：『White Locked Night』

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如何でしょうか？

昨今のポップスに多く見られるのが【 主人公型 】【 ノンフィクション型 】の複合型ですね。
かなり特異な【 コロンボ型 】、こちらは似た例を挙げるのは難しいです。
【 二次創作型 】ならば元のモチーフは何なのか、興味があれば是非考察してみてください。
何か発見があれば、また新しい感覚で曲を楽しんでいただけるかもしれません。

これは Fuki が自分の歌詞を元に解釈した独自の分類方法ですから、一般的ではありません。
ですが、LIGHT BRINGER に限らず他のアーティストの楽曲も、この分類に当てはまるか？
改めて注目して歌詞を読み込んでみるのも、きっと面白いと思います。

歌詞は、母音と子音の連なり以上の意味を持って、曲に立体感を与えてくれます。
音が二次元なら、声は三次元。
声が三次元なら、歌は四次元。
ことばを大切にね！

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さて、他に例を見ない形で歌詞の内容にメスを入れた今回のコラム、如何でしたか？
自らの歌詞の内容にまで触れて講釈を述べるのは、本来あまり得意ではないのですが……。
楽しんで読んでいただけていれば嬉しいです。

LIGHT BRINGER は1月26日(水)に『BURNED 07』 , 『Midnight Circus‐Premium Edition‐』 の2タイトルを発売します。
この新曲 『BURNED 07』 の歌詞世界は、一体どの分類に入るのでしょうね？
それは聴いてからのお楽しみです。

また、2011年のライブ一発目は1月22日(土) 『IRON ANGEL LIVE』 です。
二日間に渡るフェスの初日にして LIGHT BRINGER の新年幕開け、（私の）正月太りを吹き飛ばすライブにしてみせます！

2月からも『らぶりーみゅーじっくつあー』や『HMV presents 暗黒舞踏会2011』など、皆さんにお会いできる機会がたくさん待っています。
曲を聴き、歌詞を読み、LIGHT BRINGER の世界にどっぷり浸かったあとは、ライブでとどめを刺されに来てくださいませ。

今回はイラストはお休みです。
それではまた次回をお楽しみに！