『MMM Radio Psychedelic』Vol.17 MMM Radio Psychedelicへ戻る

%%header%%閉じる

%%message%%

ROCK NEXT STANDARD 日本のシンガーソングライター特集ストア

2011年2月10日 (木)


『MMM Radio Psychedelic』×「3.10MMM」× HMV

音楽雑誌「MARQUEE」で好評連載中のクラムボン・mitoさんと MARQUEE編集長・MMMatsumotoさんによる「3.10MMM」が、 WebDice上でネットラジオとしてスタート!
その名も『MMM Radio Psychedelic』。今回は第17弾です。
2人による音楽談義がギュッと詰め込まれた、他では聴けない超レアな番組。 HMV ONLINEでは「3.10MMM」と『MMM Radio Psychedelic』で紹介したアイテムを合わせてご紹介!
必見必読です!




mito mito from clammbon
クラムボンのベーシスト。いくつかのソロプロジェクトや多方面のアーティストのプロデュース活動も活発に行うオールラウンド・プレーヤー。
MMMatsumoto MMMatsumoto  from「MARQUEE」
ポップカルチャーとマニアックな視点で独自な音楽を紹介する音楽雑誌「MARQUEE」の編集長。



どもですっ、ミトです!お待たせいたしましたっ『MMM Radio Psychedelic』vol.17の配信です!!
2011年最初の『MMM』、最初は2010年を振り返る感じの一枚っ。去年一番聴いたであろう音源を。次にそのレーベル繋がりで最近面白いなって思った日本のバンド→オーケストラルかつジャパニーズ・ゲームミュージックからインスパイアされた海外アーティスト→昨今続々と再発が著しいドイツ系ジャズロック!などなどをご紹介。 対してMMMatsumotoさんは最近勢いのある日本のバンドを2つ…うーん、年を重ねても相変わらず統一感のない二人に拍手っ!(笑。まあまあ、これが長くやっていく秘訣なのです。変わらずのんびり好きなものについて語る…いつまでもこののほほんが続くと良いなあ、なあんて感慨に耽ってる場合じゃないっ。さあ、今年も行ってみましょうか!!





【MMMRadio Psychedelic 2011 Vol.17】
音楽雑誌「MARQUEE」とMMMRadio Psychedelicで紹介したPlay Listをご紹介

    L'ALTRA
TELEPATHIC

1st set   L'ALTRA / TELEPATHIC


1999年にバンド結成。イタリア語で「女性とその他」という、なんとも淡白にもほどがあるこのバンド名を冠したシカゴの若者達は、当時のシカゴ・ポストロック・ムーヴメントにあやかり活動3年にして1枚のEP、2枚のアルバムを発表する。特に2枚目『In The Afternoon』(このタイトルもあまりに素っ気ない…)は、その丹精で叙情的な作風から[サッドコア]と呼ばれニューヨークのIdaやRed House Paintersなどと並ぶサッドコア周辺の主要バンドとして各国から注目される。が、ここからメンバー二人が脱退。残る二人で制作した3枚目『Different Days』は前2作の作風と打って変わってエモ色が強く、商業的には大きかったもののそれ以上の発展を見込めず、活動休止状態に。そして5年の歳月を経て完成した彼らの本作には、デビュー期からあったアコースティックでいながらテクスチャーに富み、静寂と高揚感を同列に導く特有のサウンドが復活。まどろんだ夕暮れに永遠と鳴らし続けていたい、そんな2010年を代表する名盤。

解説 by mito

mito 「L'ALTRAっつったらこうだよな〜!っていう。8月の真ん中ぐらいからかな?そっからずーーーーっと聴いてましたね」
MMMatsumoto 「そうなんだ」
mito 「この人達のアンサンブル力というか、それがすごくイイなぁって。ちょっと異常というか。ここにこんなシンセ入れるかな?みたいなイビツさがありつつ」
MMMatsumoto 「なるほどね〜。でもそんなにイビツって思わないよね」
mito 「そう!だからソレがすごいんです。聴くとそんなことないんだけど、ディテールをフォーカスしてくとおかしくなっていくという。非常におもしろいバランスを持ってて」


続きをWebDiceで聴く!  






2nd set   4 bonjour's parties / okapi horn


2001年より活動開始。DAWベース前のいわゆる「宅録」といわれるフォーマットを用いて作った楽曲をライヴで実奏し、その楽曲たちのイメージを開放するというスタイルを取る。楽曲はウインド・アンサンブルを効果的に使い、ヴィブラフォン、フルート、トランペットなどの楽器を多用していて、一聴してまず最初に思い浮かべるのはSAGITTARIUS、MILLENNIUM、FREE DESIGNなどの神々しい音源達の数々だ。ただし決して古さを感じさせること無く、そこから今に向かう現代のバンド(Radioheadやmumなど)のエッセンスを非常にバランス良く取り入れ、全く独自のサウンドにしているのが凄い。そして彼らが素晴らしいのは、この重厚なアンサンブルをしっかりライヴで表現できてしまうところにある。あまたのオーケストラルな雰囲気を持つバンドがいる中で、彼らの音が心地よく響くのは、そういったリアリズムがあるからに他ならない。

解説 by mito

mito 「ウチの奥さんはコレ聴いてた時に日本人って全っ然気付かなかったみたいですね」
MMMatsumoto 「このメロディー感とか質感ってスゴイよね。(このバンドは)やっぱりリスナー体質だと思うんだよ基本的にはね。そのリスナー体質が本格化したみたいな。感覚でちゃんと捉えてるじゃないですか。その勘の良さもあると思うんだけど、パクった感じじゃないんだよね。血肉になっているから、この人達って。 USのインディーでこういうのあったよな〜みたいな感じがするんだけど、実際はなかなかここまで日本人好みな展開はしてないわけで」
mito 「あ〜、なるほどなるほど。逆にヨーロッパとかの人が聴くと、日本でいうアニメの世界ぐらいに完成された造形美にビックリするのかもしれないですよね」
MMMatsumoto 「そうかもしんないね」
mito 「いや、コレね、すごいと思います」
MMMatsumoto 「ね。ちょっとビックリするよね」
続きをWebDiceで聴く!  






   Owen Pallet
Heartland

3rd set   Owen Pallet / Heartland


恐らく現在の本名での活動より、日本では[Final Fantasy]名義での時のほうが、話題になったであろう。カナダのトロント出身の彼は、幼い頃よりクラシックを学び、作曲を始めていた。その彼の大きな機転は、日本が生んだ『ゲーム』の数々だ。『FF』をきっかけに様々な日本のゲームを買い漁り、気が付いた時には日本でいう「オタク」そのものだったという。そんな彼がArcade Fireのブレイクをきっかけに、そのオリジナリティ溢れたオーケストラルサウンドが注目され、あれよあれよと有名アーティストの仕事を受け持つように。The Last Shadow Puppets、Grizzly Bearなどのストリングスアレンジなど、そのどれもが高い評価をおさめ、現在ではPet Shop Boysの音源でもアレンジャーとして参加している。彼が素晴らしいのはそれだけではなく、ライヴでも自身でループマシンを何台も持ちあわせ、その場でバンドサウンドをリアルタイムで生成し一人で完結するというとんでもない離れ業をやってのけることでも有名。

解説 by mito

mito 「最近僕が作っている曲やら何やらが、非常にオーケストレイティヴなモノを求めているらしく。とみに最近ソレをカタチにして鳴らしてみたいっていう欲求が頭を擡(もた)げてきまして。 そんな中でコレをたまたま見つけて聴いたんですよ」
MMMatsumoto 「そうなんだ」
mito 「すごく“頭脳”が分かるというか。シーケンス(打ち込み)がオーケストラと普通に融合出来ている、っていう発想はたぶん僕らの世代ですよ。非常に開かれてるし可能性があるし、それでいて何かこう、新しいなぁと感じさせる、それを具象化しているアーティストだなぁと思います」



続きをWebDiceで聴く!  






4th set   Wolfgang Dauner / Knirsch


ドイツが生んだ究極のジャズ・ピアニストであり作曲家。当時は特別個性があるといった印象はなく、非常に安定した演奏力を持つアーティストとして評価される。が、64年に発売した[Dream Talk]でその独創的な才能が開花。全世界に衝撃を与える。そしてその活動がよりオリジナリティに富み、1975年に[United Jazz & Rock Ensemble]の結成にて爆発的な人気を得ることになる。今回の音源は、その結成の3年前に作られていた[Wolfgang Dauners ET CETERA]名義での一枚。非常に目を引くジャケットの一曲目を飾るのは、なんとブルース色の強いロックナンバー。しょっぱなから決してヒトの想像通りにはいかない、まさに「何として、JAZZと語るか?」という彼のアイデンティティそのものが存分に凝縮された作品に仕上がっている。個人的にトライバルなパーカッションと突飛なスキャット、調整のかけらもないシンセとプリペアドピアノの応酬…そのあとに起こるカオスが印象的な「Yan」は、脳の裏側を素手で触られた様な、今までにない音楽体験が出来るだろう。

解説 by mito

mito 「コレじゃないサウンドトラックか何かのヤツも持ってたんですけども…、非常にフリーだしプログレッシヴな要素もあるんだけど破綻してるというか。なんというか、フォーマットから外れている、確実に(笑)。ドイツっぽいなぁ〜みたいな。最近ですね、コレ系のモノがものすごい再発されているんですよ」
MMMatsumoto 「たぶんね、DJが発掘してて、それが及んで今CD化になってると思うんだよね。アメリカのレアグルーヴは掘り尽くしたんで、今度はヨーロッパに行ったの。そうすると結構プログレともリンクしてて」
mito 「ああ〜」
MMMatsumoto 「だから、プログレの名盤と言われていたモノがDJカルチャーの中で読み返されて、違う方面ですごい人気盤になってたりするんだよね」

続きをMARQUEEで読む!  






5th set   東京カランコロン / 東京カランコロン e.t.


いちろー(vo.g)、おいたん(g.cho)、ぜんぶ(b)、かみむー(dr)、せんせい(key.cho)、自由すぎる! このほわんとした自由さでもう音の方も一目瞭然でしょう。新宿 MARZ / MOTION周辺の2010年オンタイムを真空パッケージしたコンピ『TOKYO NEW WAVE 2010』参加から怖いバンドかと思いきやカランコロンと。そしてカランコロンと言えばゲゲゲかと思いきや、いちろーの不可解?な趣味、がま口のブランド名に由来するとか。謎が謎を呼ぶ東京カランコロンは音もライヴもかなり謎。キセルとフィッシュマンズとクラムボンが好きな人は合格ラインです。メロは80'sヒット路線で太く、さすがチャゲ飛好きなだけはある。がー、セッションから生まれてくる各曲とも、変拍子・変則展開を頻繁に伴って根底コア。でも歌メロがシッカリあってシンガーソングライター気質の歌声は時に たま のようにぬらりと物語っぽくもあり、これまたシッカリ聴かせます。で、ライヴの至福感がズゴイィィィ。結婚式でケーキがいっぱい!みたいな気分?でアガれますよ。

解説 by MMMatsumoto

MMMatsumoto 「たぶんなんだけど…昔で言う“たま”みたいな感じを持ってるというか。小楽団風?ヘンテコリンな感じがするんですよ」
mito 「分かりますね〜。でも僕はなんかタラチネと同じぐらいの血を感じる。僕好きですね」
MMMatsumoto 「“隙間”感がイイんだよ。あと根本的にユーモアがある、音楽に」
mito 「音楽って多角的で、非常に暗い曲やってるのに笑っててもイイんですよ。逆もあるんですけど。すごい明るい曲なのに泣きそうになれちゃうとか。ソレが両方混在してるから面白いというか。あと笑わせないと面白くないよなぁ、ってところも微妙にあって。やりすぎてもダメなんですけど」
MMMatsumoto 「そこはセンスだと思うんだよね」

続きをWebDiceで聴く!  






     ねごと
Hello! "Z"

6th set   ねごと / Hello! "Z"


ねごと、ねごと、ねごと、最近ねごとしか聴いてません。現役女子大生19.5歳4人組、ねごと。今、au LISMO のCMで急上昇中のあのバンド。その新曲“カロン”は、3月2日リリースの彼女達の決定曲。で、こちらは去年9月初リリースのミニアルバム。何がいいかって、さわやかさ・透明感、でしょう。ギャルバンの鬱屈・反抗・葛藤・男勝り、ほぼ皆無。現代予定調和の最高峰“萌え”も一切無し。それどころか「そう見られるなら、それでも構わないけど...」という、敢えて否定も肯定もしない自然体。とにかくクレバー。よく物事が見えている。そこから出てくる音が、透明なのはそういう意味でこそ。実際澄んだ、少し林檎譲りな歌声に凝ったプレイを、ポップに、というよりもサラッとメロディックに聴かせる。嫌みがない、我がうるさくない、ということで曲がよく映える。洋楽趣味なオケに乗るメロディ、そしてほわっとカワイイのにオルタナっぽいコアな印象のライヴ。ギャップの美学も内包。居そうで居なかったセンスのあるバンドです。

解説 by MMMatsumoto

MMMatsumoto 「最近一番聴いてるのは“ねごと”かもしれないですね。なんかね、単純に思ったのは初期のスーパーカーみたいな感じがあるな、っていうか。ああいう青い感じがあるのよ、早い話が」
mito 「うんうんうん」
MMMatsumoto 「なかなか珍しいバンドですね。普通な曲調だと思うんだけど…なんていうのかなぁ…。 最近みんな情報量多いじゃないですか。で、いろんなコト知ってますよね。まぁ俺たちは年期が入ってるから…」
mito 「“俺たちは”にまとめないで下さいっ(笑)!」
MMMatsumoto 「(笑)。いや、20代前半のバンドでも結構いろいろ知ってるじゃない?なんかね、そういうところでは成立してない…素な感じっていうのかな、それをメジャーでやれてるっていう。単純に言うとピュアな感じがする、っていうことに尽きるんだけどね」
mito 「ああ、学的なモノとは違う、本能的なところで頭を使ってるというか」
続きをMARQUEEで読む!  






今月のMARQUEE

商品ページへ

    MARQUEE Vol.83

    [ 2011年02月10日 発売 / 通常価格 ¥800(tax in) ]






表紙&第一特集は capsule。久し振りのニューアルバムを巡る大特集からスタートです。今回は交響曲張りに重層的でいてフロアを爆発させる中田ヤスタカの作曲力が凄まじい。その最速ロング・インタビューはもちろんのこと、capsule 10周年ということもあり、これまで関わった方々に取材も。そしてブレイク間近かなandropとねごとの14ページ、16ページに渡る入魂の大特集も、インタビュー以外にド変形ページや各企画を盛り込んで。連続特集“YouTube世代の台頭”には、世界の終わり、毛皮のマリーズ、オワリカラ。各種ライヴレポートも。そして今年最も未知なる個性派と成り得る女王蜂、初の撮り下ろし。巻頭特集にはDOPING PANDA、巻末特集にはUNLIMITS。絶賛発売中!

  MARQUEE バックナンバーはコチラ
  MARQUEE Webはコチラから!





関連記事


  • 『MMM Radio Psychedelic』

    『MMM Radio Psychedelic』

    クラムボンmitoさんと MARQUEE編集長MMMatsumotoさんによる『MMM Radio Psychedelic』!
    バックナンバーはコチラから!

  • クラムボン ベスト盤2タイトル発売!

    クラムボン ベスト盤2タイトル発売!

    クラムボンのベストアルバムが2タイトル同時リリース!特設サイトでのファンによる収録曲投票、ついに結果発表!

  • 豊崎愛生×クラムボン!

    豊崎愛生×クラムボン!

    作曲:ミト、作詞:原田郁子、演奏:クラムボン! 『けいおん!!』でもおなじみ、豊崎愛生Newシングル「Dill」はクラムボン全面参加!

  • Nujabesに捧ぐ・・・

    Nujabesに捧ぐ・・・

    Nujabesを偲び、彼と縁の深いアーティスト達が集結し、トリビュートアルバムを完成。ジャケットの写真を担当したフォトグラファー太田好治の追悼作品も発売。