タチアナ・シェバノワさん死去

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2011年3月7日 (月)

来日公演でもおなじみの名ピアニスト、タチアナ・シェバノワさんがさる3月1日、58歳で亡くなられました。心よりご冥福をお祈りいたします。

【プロフィール】
タチアナ・シェバノワは、1953年、モスクワの生まれ。モスクワ音楽院付属中央音楽学校でタチアナ・ケースネル、モスクワ音楽院でヴィクトル・メルジャノフに師事し、1969年、16歳の年には「プラハの春」国際音楽コンクール第1位を獲得しています。
　さらに、1976年のジュネーヴ国際音楽コンクールでも第1位、1980年、ショパン国際ピアノ・コンクールではダン・タイ・ソンに次いで第2位を受賞し、同時にショパン協会からの2つの特別賞（ポロネーズ賞、協奏曲賞）も受賞、一躍世界にその名を知られることとなります。
　シェバノワはショパン・コンクール入賞後、ポーランド人ピアニストのヤロスラフ・ジェヴィエツキと結婚してポーランド国籍を取得し、現在では、ポーランドを代表するショパン弾きの一人として国際的に活躍しています。なお、才能ある若手ピアニストとして注目を集めるスタニスワフ・ジェヴィエツキは彼女の息子です。

【レコーディング】
シェバノワのレコーディング・キャリアは、モスクワ時代にメロディア・レーベルでスタートし、以来、数多くのレーベルで、ショパンを中心に数多くの録音をおこなって高い評価を得てきました。
　彼女の代表作は、なんといっても2008年にレコーディングされたショパンのピアノ作品集10枚組です。このセットは、ショパンの作品番号付ピアノ独奏曲をまとめて録音したもので、個々の曲が作品番号順に収録されているため、ほぼ作曲年代順の並び順収録となったことによって、ショパンのスタイルの変遷や同じ時期に書いていた作品のことがわかりやすい構成になっています。肝心の演奏も非常に高水準なもので、バランス良く細部の美しさまでぬかりなく表現された演奏は、エキスパートとしての自信に満ちた見事なものでした。
　その後、ポーランド国立ショパン協会からは、フォルテピアノで演奏したアルバムも4枚リリースし、時代楽器によるアプローチでも優れた面を見せてくれたのも記憶に新しいところですし、現役盤ではIMCからリリースされている1995年の前奏曲集も詩情豊かな美しい仕上がりとなっていて注目されるところです。

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