【インタビュー】U-key zone ジャパニーズ・ポップス・インタビューへ戻る

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2011年6月17日 (金)

interview

三浦大知、黒木メイサ、安室奈美恵らに楽曲を提供する日本屈指のプロデューサーU-Key zone。 中毒性、普遍性を併せ持つサウンドを生み出し、人々はその未体験の創造性とクオリティに酔いしれる。 今回、U-Key zone氏が全曲プロデュースした「Advent of UKZ」がCD化されるということで、インタビューを行わせて頂きました。孤高のプロデューサーU-Key zoneが惚れた5人の精鋭ボーカリストを集結させ、リアルなボーカリストの本質に挑む。音楽プロデューサーとして捉える「歌」に対する思い。是非ご覧ください。
(Urban NEXT 西崎)



-- 「Advent of UKZ complete」リリースおめでとうございます!簡単に自己紹介をお願い致します。

U-Key zone  音楽プロデューサーで、三浦大知君、黒木メイサさん、安室奈美恵さんなどの楽曲提供(作曲、TRACK)、プロデュースさせて頂いています。

-- 錚々たる面子ですね!一番多く楽曲を提供されたのはどなたですか?

U-Key zone  一番多いのは、黒木メイサさんですね。何曲くらいだろう・・・10曲以上あるかもしれないですね。僕自身がやりたい本質が一番出せているアーティストでもあるんです。バラードを歌ってもらったり、アップも歌ってもらったり、自分の中に存在する音楽性をバランス良くやって頂いているので、自分の姿が見えやすい楽曲を提供出来ているかなと思いますね。実際にメイサさんの楽曲を聞いて頂いて、僕自身の事を認知して頂いた方は多いですし。三浦大知君の楽曲はシングルとして提供させて頂いたりもしているので、また違った趣を見せたり。メイサさんや大知君に詞を書いているmochAに提供している楽曲も、自分の音楽性の本質が出ていると思います。

-- 今回の企画「Advent of UKZ complete」を始めようと思ったきっかけは?

U-Key zone  この企画を始めようと思った一番大きな理由は、プロデューサーの僕から見て本当に歌が上手いボーカリストを、より多くの人達に知ってもらいたいっていう思いからスタートしました。僕自身が本当にカッコいいと思える楽曲を皆さんに歌って頂いて、多くの方に聞いて頂ければという思いです。「歌」が本当に重要だと思うので、それが今回実現できて良かったです。

-- この「Advent of UKZ complete」は、5曲入りを2回に分けて既に配信ダウンロードリリース済みですが、2回に分けた理由は?

U-Key zone  元々は続編までは考えずに配信していたので、結果的にシリーズ化になったという感じです。ですので、第1弾は純粋に僕自身が本当にカッコ良いと納得した楽曲が収録されています。第2弾は、第1弾とのバランスをより考えて構成したイメージですね。

-- ではこの企画のコンセプトは、U-Key zoneさんの世界観をストレートに表現するようなイメージで?

U-Key zone  第1弾は、純粋に「今」僕自身が良いなと思える楽曲を早く世に出したいという思いが徐々に強くなっていったので、それをそのまま形にしました。例えば、僕がアーティストに楽曲を提供しても、僕自身に対しての反応が直接来る機会は少ないんですが、それを今回自分名義でやらせて頂いて世に提示させて頂いた時に、喜んで頂いたり褒めて頂いたりする反応が直接返ってきたので、それが第2弾に繋がったとは思います。

-- 参加されたボーカリストのメンバーはU-Key zoneさん自ら選ばれたのですか?

U-Key zone  そうですね。元々皆さんとは知り合いだったので、今回の企画を話して参加して頂きました。

-- この「Advent of UKZ complete」に参加されているボーカリストは、各々に個性があると思いますが、U-Key zoneさんから見て、皆さんの印象はいかがですか?

U-Key zone  皆さん素晴らしすぎますね(笑) 宏実ちゃんはもう既に売れっ子ですから、改めて僕から紹介するまでもないかも知れないですけど、昔からの付き合いで参加してもらいたいなと思って声をかけました。

-- 宏実さんは、元々はU-Key zoneさんが発掘されたと聞きましたが。

U-Key zone  そうなんです。現在、宏実ちゃんが所属している事務所に僕が紹介して。2004年〜2005年頃だったかな。最初は、割れた様な音源をネット上にアップしていて(笑) 「何この子!音が割れまくっているけど、超上手いんだけど!」みたいな(笑)まだ少しだけ粗かったですけど、当時から歌は抜群に上手かったですよ!

-- U-Key zoneさんとmochAさんが手掛けた三浦大知君の「The Answer」で、その地位を不動のものにしたお二人のタッグ。リスナーの方々もお二人のコンビネーションにかなりの視線を注いでいますね。

U-Key zone  mochAとは普段から仕事を一緒にしていて仲も良いですし、彼女はボーカルもセンスも素晴らしいです。HIROKIさんは元々僕自身が尊敬していたボーカリストさんで。初めてHIROKIさんのライブを見たときに正直ビビって!HIROKIさんの声は、音源で聞くよりライブの方が全然ヤバいんですよ!いつか僕の楽曲で歌って欲しいなっていう憧れがずっとありました。

-- 参加メンバー5人中4人が女性ボーカリスト。唯一の男性ボーカリストとして参加しているHIROKIさんに対するU-Key zoneさんの敬意の思いが伝わります!正にHIROKIさんはU-Key zoneさん一押しというわけですね!

U-Key zone  HIROKIさんは本当に素晴らしいボーカリストなので、HIROKIさんに歌って頂いた「Human」、「GAMBLER」は、彼の真意が汲み取れる楽曲になっていると思います。

-- U-Key zoneさんの曲に、mochAさんの歌詞、HIROKIさんの歌、三者一体となって生み出された「Human」は時代を越えて聞き継がれる名曲ですね!為岡そのみさんとは、昔からのお付き合いですか?

U-Key zone  為岡さんとは、彼女の1stアルバムでアレンジを担当させて頂いてからのお付き合いですね。でも、元々僕の親と為岡さんの親が知り合いだったっていう事を後から知って(笑)

-- そうだったんですね!?凄い偶然ですね!

U-Key zone  親同士が仕事を一緒にしていたみたいで!音楽関係なんですが。更に、為岡さんとは同い年で、誕生日も一日違いだったんです(笑) 「何か凄いね(笑)」っていう話をしていて!為岡さんと仕事をした後に知ったので、余計に面白くて!何かありますね(笑)

-- 偶然じゃなくて必然ですね!凄く興味深いエピソードです!

U-Key zone  為岡さんは、僕が普段チョイスするボーカル・スタイルと異なるんです。mochAにしても、宏実ちゃんにしても、HEAT_CZRさんにしても、為岡さんとスタイルがちょっと違うんです。そういった方に歌って頂くと面白くて、良い相乗効果が生まれるかなと思いました。

-- 具体的に、為岡さんが他のボーカリストさんと違うなと思った点はどこなんでしょう?

U-Key zone  1つは、歌い方がありますね。90年代テイストな歌い方をされるというか、ソウルフルなイメージなんです。昔のTLCを聞いているような感覚というか。90年代テイストな歌い方をされる方が、今っぽい曲を歌って新しく生まれ変わるようなイメージで、良い質感が出せたんじゃないかなと思いますね。為岡さんはSWVのCokoをリスペクトされているので、尊敬されているアーティストのカラーは、やっぱりその方の身体に入っていますよね!

-- なるほど。そういう聞き方をすると、ボーカリストのバックグラウンドまで見れて面白いですね!HEAT_CZRさんとの出会いは?

U-Key zone  HEAT_CZRさんは、元々HIROKIさんと同じ事務所に所属されていたんです。HIROKIさんと同様、憧れていたボーカリストさんだったので、今回一緒に仕事をやらせていただけて本当に嬉しかったです。

-- 今回の「Advent of UKZ complete」はU-Key zoneさん自らが太鼓判を押されるボーカリストが参加。音楽プロデューサーとして、ボーカリストを見られる時に一番注目するポイントはどこなんでしょうか?

U-Key zone  本能的に見ちゃう部分もありますけど、技術がしっかりとされている方には目がいきます。そこは細かく見てしまいますね。あとは、どっちが良いとか悪いとかでは無いと思いますが、ギリギリ目一杯やっているのか、コントロールの上に操作してやっているのかは、聴いているとだいたい分かりますね。それはその人の技術がどのレベルまでにあるのかっていう部分に繋がっていくと思うので。フェイクとかが見せ場のジャンルなので、細かい技術がしっかりしていないとR&Bって歌えないと思うんですよね。アーティスト個人として、ヒットする要素って色々あるじゃないですか。ビジュアルが良いとか、曲や詞が良いとか。それと同じく、歌が抜群に上手いっていう人達をもっとフォーカスしたいっていうか、チョイスを増やしたいんです。

-- 今回の参加ボーカリストの最大の魅力は、歌唱力ということになりますか。

U-Key zone  そうですね。そこに特にフォーカスしました。僕の周りにはまだ世に知られていない素晴らしいボーカリスト達が沢山いますし、そういった方々と今後もインディ・メジャーに関わらず一緒に素晴らしい音楽を作っていきたいと思っています。もちろんタレント性のファクターとして歌唱力のみで無いことも理解していますし、そこは全く否定するつもりはないです。例えば、黒木メイサさんのビジュアル&声質にとても魅力を感じてます。彼女の内から出るカッコいいオーラと、自分の楽曲がマッチすればこの上なく嬉しいです。僕が作る音はよく中毒性があるって言われるんですが、作る音に対して、リスナーの方々が感じて頂ける何か特別なものがあるとしたら、もしかしたらそれはボーカルディレクションも含め「ボーカル」の部分が強いのかもしれないですね。言葉のみでは表現出来ない、理屈を越えて音の中の情感に響いているもの、そこを捉えてほしいと思っています。

-- U-Key zoneさんが抱く、楽曲制作に関しての一貫したテーマとかはあるんですか?

U-Key zone  今まで色々な方に楽曲を提供させて頂いて、本当に沢山の事をやらせて頂きました。気を付けている点とかは正直無いんですが、これからは本当に自分の好きな事、やりたい事をやり続けたいです。

-- 今後もR&Bというジャンルに対してのスタンスで?

U-Key zone  R&Bというジャンルのアーティストさんに対して、多く楽曲を提供させて頂いているからそのようなイメージが強いですが、今は特にジャンルにはこだわってはいないです。例えば、myspaceのジャンル分けはJ-POPって書いたりしていますし。最近は「僕はR&Bのトラックメーカーです」っていう風には言わなくなりましたね。出来上がったもの、それが全てじゃんって思い始めました。でも、昔からR&Bを歌うボーカリストさん達の歌が上手くて、だからこそR&Bをやりたいって思いましたね。

-- R&Bが好きになったきっかけはなんだったんですか?

U-Key zone  プロデューサーとしては、ロドニー・ジャーキンス。ボーカリストとしてはブランディがきっかけだったと思います。ブランディ自体はデビュー時から知っていたんですが、2000年頃にリリースした「Never Say Never」を聞いて改めて凄いなって思いました。あのアルバムってジャンルレスじゃないですか。R&Bって何なんだろうっていう概念が崩れたアルバムでした。シーンの歴史的には分からないですけど、個人的にはそう感じましたね。あの頃からPOP色が強くなってきたようなイメージで。僕はずっとクラシックをやっていたんですが、R&BとPOPSってもはやかけ離れた位置にある訳ではないじゃないですか。TimbalandやThe NeptunesがPOPアイコンのマドンナの楽曲を手掛けたりしていますし。ジャンルって何なんだろうっていう感じですね。だから聞いて良ければ、ジャンルは別にこだわる必要も無いかなっていう気持ちです。ただ、僕はR&Bを好きで聴いてきたので、僕が作る音には必然的にR&Bのエッセンスは入っていると思います。それはトラックかもしれないですし、ボーカルディレクションの部分かもしれないですし。

-- U-Key zoneさんが、世界的トップ・プロデューサーであるロドニー・ジャーキンスに惹かれた話は興味深いですね。

U-Key zone  ロドニーが好きになったきっかけは色々あったと思うんですけど、コーラスワークにしても他の部分にしても、ロドニーの作品は個性があるんですよ。ボーカルに対して何か違いを感じますね。この曲好きだなって思う楽曲が、実はロドニーがプロデュースしていたっていう事は良くありますし。例えば、似た系統の人が同じ事をやると歌手の個性が消えてしまっているというか、それ自体が良い事か悪い事かは別として。ロドニーの色に歌手を染め上げているところに何か匂いを感じます。

-- そういった意味合いでは、U-Key zoneさんプロデュースの作品も、歌手をU-Key zone色に染め上げていますよね!

U-Key zone  実は、自分の作る音に対して、結構コンプレックスに思っていた時期もあったりして。クラシックでピアノをずっとやっていたんですが、音作りの際にピアノを一切使わない時期もありました。でも、その都度その都度、皆さんから色々な意見をもらったりして。紆余曲折して今のスタイルに辿り着いた感じです。

-- クラシックをやられていた経験は、今の楽曲制作には取り入れて行っているんですか?

U-Key zone  今は出すだけ出してますね(笑) 僕は幼少時代からずっとクラシックをやっていて音大に通っていたんですけど、クラシックが充実していた池袋メトロポリタンのHMVさんには、学生時代に良く通っていました!池袋っていくつかの有名音大生が経由するエリアですし。当時は、まだクラシックのコーナーとR&Bのコーナーが同じフロアの中でも分かれていたので、フロア中を移動しまくってっていう感じで(笑)

-- U-Key zoneさんがHMVに通っていただいていたなんて嬉しい限りです!

U-Key zone  洋服とかもそうですけど、CDも買った場所って結構覚えているじゃないですか。そこで買ったCDだから価値があるなーって。同じ商品をネットで安く買うよりも、自分のお気に入りのお店で買った方が嬉しいですよね!

-- CD自体があらゆる場所で入手出来るようになり、配信文化も定着してきた昨今。音楽ソフトを扱うリアル店舗が担うシーンに対する役割や魅力も重要だと思いますしね。

U-Key zone  僕らはCDを聴いて育った世代なので、本当にアルバム1枚を骨の髄まで聞いていました。車と自宅を持ち歩いて傷が付きまくったりしていたし、同じCDを何枚も買ったりして(笑) 音楽ダウンロードが普及してから、アルバム1枚丸々聞く事って少なくなったかも知れないですね。1曲に対する価値が、CDと比べると薄いというか。便利な事は事実ですけど、価値観の違いですかね。だからこそ、特定のスタイルに固執せず、ジャンルを超えて何十年後も聞き継がれるような楽曲を作りたいっていう思いは本当に強くなりましたね。

-- そういった意味合いでも、この「Advent of UKZ complete」は10年後に聞いてもカッコいい作品だと思いますし、何十年後に「あの頃にしては良かったよね」と言われるような作品とは一線を画する作品だと思います!

U-Key zone  そこには自信がありますね!時代に左右されないモノがここには詰まっていますから!



新譜 『U-Key zone Presents Advent Of UKZ complete』
三浦大知、黒木メイサ、安室奈美恵、宏実、BRIGHT、露崎春女、mochA、etc…。 2011年最注目の、本格派R&Bには欠かせないプロデューサー「U-Key zone」(ユー・キー・ゾーン)が放つ配信企画“Advent of UKZ”の初CD化。 世界のどこにだしても恥ずかしく無いクオリティ&ポピュラリティ。 一聴してU-Key zoneだとわかる、他の誰とも違う創造性&オリジナリティ。 それに負けない懇意の実力派ボーカリスト5人、 宏実、mochA、為岡そのみ、HEAT_CZR、HIROKIを迎えさらなる孤高の領域に挑む!!!!!

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      『U-Key zone Presents Advent Of UKZ complete』
    2011年06月15日発売

    [収録曲]
    01. This Is Love / 宏実
    02. Hypnotism / HRAT_CZR
    03. パラノイド / mochA
    04. GAMBLER /HIROKI
    05. Together Again / 為岡そのみ
    06. Time To Go / 宏実
    07. Possession / mochA
    08. REVENGE / 為岡そのみ
    09. Human / HIROKI
    10. DO YOU HAVE THE PRIDE? / HEAT_CZR


profile

[U-Key zone]

1979.2.23生まれ
4歳よりピアノを始める。
武蔵野音楽高等学校、同大学、同大学特修科、有鍵楽器専攻(ピアノ科)卒業。
クラッシックを学びながらも、R&B好きが高じてTRACK制作・作曲を始める。
2006年、Heartsdales 4th Album 「Ultra Foxy」収録 “My Melody”でデビュー。
流行りすたりと一線を画し、独自のオリジナリティを確立、現在、安室奈美恵、露崎春女、KinKi Kids、三浦大知、倖田來未、BoA、BRIGHT、青山テルマ、AKANE、黒木メイサ、ICONIQ、宏実、為岡そのみ、mochA、等のプロデュース及び楽曲提供する、シーンに欠かせないプロデューサーとなっている。