【インタビュー】YUKALI

2011年7月13日 (水)

interview

近年、国内外を問わず、目覚ましい活躍を見せる女性のシンガー・ソングライター達。 女性ならではの視点で作られるサウンドは、優しく、華やかに、そして時に力強く。 作家、クリエイター、ヴォーカリスト、パフォーマーとしての顔を持つ、無限のポテンシャルを秘めたアーティストこそこのYUKALIだ。異質な音楽理論と、独自の視点から生み出された待望のミニ・アルバム「IF THIS IS LOVE」がリリースされ、インタビューを行なわせて頂きました。その美貌に隠された揺るぎない音楽への情熱。熱い思いが込められたインタビュー、是非ご覧下さい。(Urban NEXT 西崎)



-- ミニ・アルバム「IF THIS IS LOVE」のリリースおめでとうございます!アーティストとして活動されたのは、いつ頃からだったんですか?

YUKALI  本格的にボイトレなどに通って活動を開始したのは高校を卒業してからですね。当時はボイトレのレッスンに行っても、ボイトレはやりませんでしたけど(笑)

-- ボイトレに通っていたのに、ボイトレはされていなかったんですね!?(笑)

YUKALI  そうなんです(笑) 最初の数回はボイトレをやりましたが、それからはボイトレの先生が簡単に作ったトラックを作詞作曲していましたね。当時は「ボイトレを受ける意味があるのかな?」って思っていたんです。それは「私はもう歌が上手いから、歌のトレーニングを受ける必要はない」っていう意味ではなくて、「作って、歌って、録りたい!」っていう願望の方が強くて。レッスンに行って、先生が作ったトラックを持ち帰って、そのトラックのメロディを考えて次のレッスンで録る、みたいな事をやっていました。

-- ボイトレを受け始めの頃から楽曲制作に興味を持たれる方は珍しいんじゃないですか?

YUKALI  そうですね、珍しいかもしれないです。ボイトレの先生と会話を重ねる中で自然とそういうスタンスになっていきました。でも、ボイトレの先生と一緒に曲を作る前から、とあるJ-POPの曲の歌詞だけを自分の書いた歌詞に載せ換えて歌ったりしていました。そういう事をやるようになってから「作詞ってこういう感覚なんだ!」って感じて、楽曲をクリエイトする事に目覚めていきましたね。

-- 音楽キャリアの出発点が"自分が歌う為に曲を書く"と伺っていましたが、正に音楽に対して意識され始めた頃から、曲作りに対しては自然なスタンスだったんですね。

YUKALI  音楽活動を始めた頃から、いつかは作詞作曲を自分で出来るようになりたいなって思っていました。私自身、歌う事は大好きなんです。でも"自分で曲を作って自分が歌う"っていう一連の流れが無いと、自分が上手く回らないんです。自分の心のコントロールっていうか、自分の感情を吐き出せるのが音楽なんですね。日々色々な事を感じたり、胸に溜まっていく感情を吐き出せる場所が音楽になっていったんです。例えば、日々感じる思いや、悩みを発散する方法は色々あると思うんですけど、私は音楽と出会ってからは、音楽以外の捌け口では満たされない自分がいるんです。自分が抱える感情を"音楽"として吐き出すイメージですね。まず作っている曲が完成した時に達成感がありますけど、その曲を聞いて下さる方に私自身の思いが届いた時は本当に嬉しいです。自分が経験してきた事とか感じた事を曲にして、それを伝えて。私の曲を聞いてもらって"癒し"や"楽しさ"を感じてもらって、そうやって世の中に貢献したいなって思います。

-- 深いですね!失礼な話、最初に"自分が歌う為に曲を書く"っていう一文を拝見した時には「自己主張が強い方なのかな?」って思いましたが、その真相を理解出来ました!

YUKALI  その一文だけ見ちゃうと、誤解されちゃいますね(笑)

-- 日之内エミさん、AILIさん、宏実さんなど、女性クリエイター/ソングライターの方々のご活躍が目立っている近年のR&Bシーン。YUKALIさんご自身も楽曲制作をされる立場から見られて如何ですか?

YUKALI  女性ならではの視点で作る音楽は、男性では表現出来ないエッセンが含まれると思うので、とても良いことだと思いますね。

-- シンガーとして、パフォーマーとして、またクリエイターとしての顔を持つYUKALIさんですが、どの活動をされている時が一番楽しいですか?

YUKALI  昔と変わったかもしれないなー。今はメロディを考えている時と、ライブが一番楽しいかもしれないですね。

-- メロディはいつ浮かんでくるんですか?

YUKALI  私は朝から曲が作れるので、考えないで感覚的に作りますね。起きてすぐでも大丈夫ですし、夜中でも大丈夫です。集中出来る空間があればいつでもOKです!時間がかかる時もありますけど、早い時は30分くらいでメインのパートが出来たり。でも、メロディを考える事自体が好きなので、割と早い方だと思います。

-- なるほど。では、今回のミニ・アルバム「IF THIS IS LOVE」について色々と伺いたいと思います。YUKALIさんの初ミニ・アルバム「IF THIS IS LOVE」は、勿論YUKALIさんが全曲セルフ・プロデュースで?

YUKALI  プロデュースやアレンジにTiny Voice(今井了介氏が運営する音楽プロダクション)所属のMANABOONや、T-SKが担当した曲もありますが、歌詞、メロディ、コーラスは全て自分で作りました。あ、5曲目の「Glory Day ft. meajyu」だけはmeajyuが歌詞を書きました!(笑)

-- アルバム・タイトル「IF THIS IS LOVE」にした理由は何でしょうか?また、アルバムのコンセプトは?

YUKALI  それは、収録曲の「IF THIS IS LOVE」を一番に推したいからです!(笑) YUKALIと言えば「IF THIS IS LOVE」って皆さんに知って欲しいという意味も込めてのアルバムタイトルです。

-- MANABOONさんプロデュースの名曲ですね!この「IF THIS IS LOVE」はどのように生まれたんですか?

YUKALI  「IF THIS IS LOVE」は、先に歌詞のストーリーが出来ていたんですよ。トラックを作る段階でそれをMANABOONに「Aメロはこんな感じで、Bメロはこんな感じで、サビでこうなって、大サビでこうなって!」みたいな事を伝えて(笑) それに沿ってコードを弾いてもらって「いや違う、そっちじゃない!」っていう感じでコードを決めて完成しました!私の名刺ソングになってもらえると嬉しいですね!

-- MANABOONさんが作るバラードは本当に素晴らしいですからね!歌詞は基本的に実体験なんですか?

YUKALI  あ、それ聞いちゃいます?(笑) 妄想して書いた曲もありますけど、実体験で書かれた曲がやっぱり多いですね。

-- 先ほどおっしゃられた「自分が歌う為に曲を書く」という部分に繋がりますね!納得です。それではまたアルバムの内容の方に戻りまして。洋楽R&Bを彷彿とさせるバウンシーかつキャッチーな印象の1曲目「Good Love」。トラック制作は誰が担当されたんですか?

YUKALI  これは私です!1曲目「Good Love」は、トラックも歌詞もメロディも全て私が作りました。イケイケな感じですね(笑)

-- 近年、ジャンルの概念がフラットになりつつある日本のR&Bシーンですが、久々に"R&B"らしい楽曲に出会えたのが個人的な印象です!そして、この曲を聴いてYUKALIさんが洋楽R&Bがお好きなんだとも確信しました!

YUKALI  洋楽全般はやっぱり大好きですね。シンガーという存在でリアルタイムに影響をうけたのはWhitney HoustonやMariah Careyです。Janet JacksonやMary J Bligeも大好きですし、古いソウルもよく聴きますね!

-- 「Good Love」は洋楽テイストを出そうと意識はされたんですか?

YUKALI  やりたいようにやったらこういう曲が出来たっていう感じですね(笑) 例えば、他のトラックメーカーさんに「こういうテイストの曲を作って欲しい」とお願いしても、多分今回の「Good Love」のようなイメージの楽曲が出来ないと思うんですよ。だから、自分にしか表現出来ない曲を作りたくて、色合いや、グルーヴなど"YUKALIワールド"が全面に出せた曲が出来ましたね!

-- 伸び伸びと音楽を楽しまれている雰囲気が伝わってきますね!3曲目の「Last Friend ft. CIMBA」は、今最も勢いのある男性R&BシンガーCIMBAさんと音楽プロデューサーT-SKさんのタッグを迎え入れています。CIMBAさんを迎え入れた理由は?

YUKALI  男性シンガーと一緒に曲を作りたいって思っていて。CIMBA君とはシンガー仲間ではあったんですけど、一緒にコラボした曲は今まで無かったのでCIMBA君が良いなと思って依頼しました。CIMBA君の魅力を知り尽くしたプロデューサーがT-SKなので、そこはセットで(笑)

-- CIMBAさんとT-SKさんのタッグは相性抜群ですからね!この曲のコンセプトは?

YUKALI  この「Last Friend ft. CIMBA」は、幼なじみの恋がコンセプトです。気持ちを伝えたいけど伝えられないっていうストーリーです。歌詞のストーリーを考えたのはCIMBA君で、私がメロディを作っているので、お互いの良さが上手く引き出された作品が出来たと思っています。でも、この楽曲のプロデューサーのT-SKには最初にプレッシャーを与えちゃって(笑) 「良い曲作ってね!よろしく!」みたいな丸投げで(笑)

-- T-SKさんも色々と大変でしたね(笑) 続いての4曲目「Ooh...」は3曲目「Last Friend ft.CIMBA」と同じくT-SKさんプロデュースの1曲。思わず「ドキッ」とするセクシーな歌詞が印象的なバラードですね!

YUKALI  ねー!次がこれ!?みたいな(笑) まぁそのギャップが良しということで(笑) 海外のR&Bシーンではセクシーな楽曲がスタンダードですし!

-- 日本人の女性ヴォーカリストさんが、こういった女性の心情を赤裸々に綴った曲を歌うと、同じく女性リスナーの方々の共感を得るんじゃないですかね!

YUKALI  そうですかね(笑) 何も考えずに自分の欲望で作ってしまったので!(笑) 「ヤバい!エロい曲が出来た!」っていう感じで(笑)

-- 5曲目「Glory Day ft. meajyu」は女性R&Bシンガーの代表格meajyuさんが参加されています。これまでにmeajyuさんの楽曲に参加された事はあったんですか?

YUKALI  meajyuとは凄く仲が良いんですけど、これまでにコラボした事は無かったんです。念願叶ってmeajyuと初コラボです!この「Glory Day ft.meajyu」は、自分自身の新たなスタートを飾った1曲なので特別な作品ですし、思い入れは強いですね。「夢や希望を持って、自分にしか出来ない事を追いかけてやっていくんだ」っていう意思をそのまま歌にした曲です。

-- その思いが多くの方に伝わって、既に先行配信されていた「Glory Day ft. meajyu」はレコチョク・クラブうた ウィークリーチャートで1位を記録しましたね!

YUKALI  純粋に嬉しかったですね!この曲は、楽曲のレーベル収益を全て義援金として寄付する"チャリティーソング"なんです。そういった意味合いも含めて、沢山の方に聴いて頂けた事は本当に光栄です。

-- 同じ女性アーティストの視点から見て、meajyuさんの魅力って何ですか?

YUKALI  一番は歌声ですね!ハスキーでソウルフル!黒く力強く歌える素敵な声の持ち主です!

-- 今後もお二人のコラボレーションに期待しております!最後に収録された6曲目の「Promise (Another Ver.)」ですが、既に2008年に配信リリースされた楽曲ですね。再びセルフ・リメイクされたということは、YUKALIさん自身この曲に対しての思いは特別なんですか?

YUKALI  この曲は「Girls Be Ambitious!!2」というコンピレーションCDに収録されたんですけど、このコンピレーションCDに収録して頂く以前から「Promise」は今回のミニ・アルバムに収録しようと決めていました。オリジナルバージョンと違って、今回の「Promise (Another Ver.)」はアコースティックな雰囲気になっているので、また違った雰囲気を楽しんで頂けると思います。

-- どの楽曲もYUKALIさんの思いが込められた楽曲揃いですね!ミニ・アルバム「IF THIS IS LOVE」が完成されて如何ですか?

YUKALI  重いっていう感じ!(笑) その重いって言う意味は、やっと子供が生まれたっていう感じのズッシリとしたイメージです。「軽い曲は1曲も無い!」ですね!1曲1曲に魂が込められた作品を作り上げる事が出来たと思います!

-- それでは、最後にHMV ONLINEをご覧になっている方にメッセージを!

YUKALI  YUKALIを知らない方が沢山いらっしゃると思うので、是非この「IF THIS IS LOVE」を聴いて頂いて、こんなシンガーソングライターがいるんだなって思って頂ければ嬉しいです!そして皆さんの心に何か届けば嬉しいです!



新譜 YUKALI 『If This is love』
「Glory days ft. meajyu」がレコ直クラブチャート1位獲得。様々なプロデュース業を行うパフォーミングアーティストが渾身の曲「If This Is Love」でデビューする。2005年頃よりコンピレーションやフューチャリング、コーラスなどで世に作品を送り出し、2006年にiTunes Music Storeより、安室奈美恵などのプロデュースで知られるR&B producer Nao'ymtによるwit'企画でリリースした“We can't back feat. Leanaski”にてiTune R&Bチャートで堂々の1位を記録。さらに2008年YUKALI個人名義でリリースした“Promise”もiTuneR&Bチャートで9位を獲得している。そんなキャリアに裏打ちされた実力と天性のSweet & Soulful VoiceのYUKALIが、遂にミニアルバムをリリース。

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      YUKALI
    『If This is love』

    2011年06月29日発売

    [収録曲]
    01. Good Love
    02. If This is love
    03. Last Friend ft.CIMBA
    04. Ooh
    05. Glory Days ft.meajyu
    06. Promise (Another ver.)



profile



YUKALI

プロデューサーの今井了介が主宰するTINYVOICE PRODUCTIONに在籍していた過去を持ち、 Nao'ymtのプロデュース・プロジェクトであるNao'ymt WIT'、DJ KOMORI、AAAの浦田直也ら多彩なアーティストの作品に楽曲提供や客演といった形で参加してきた気鋭のR&Bシンガー・ソングライター。