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2011年10月11日 (火)

interview

断続的な活動ながら今年で結成30周年を迎える、高橋幸宏と鈴木慶一によるユニット・THE BEATNIKSが、約10年ぶりとなる4枚目のオリジナルアルバムを10/12にリリース。 “実存主義”(Existentialism)ならぬ“出口主義”(Exitentialism)と名付けられた1stアルバムから30年、 お2人が本作『LAST TRAIN TO EXITOWN』をどのように制作されたのか、お話を伺いました。



-- まずは結成30周年おめでとうございます!お2人で30年続けられた秘訣は何でしょうか?

高橋幸宏(以下 幸宏)  「続けなかったことが秘訣です。毎日のように一緒にやっていたら続いていないでしょうね。」

鈴木慶一(以下 慶一)  「続けないでところどころでやってきたということが、今度のアルバムも30年経って作れたってことでしょう。」


-- 本作のテーマ、または制作のモチベーションはどこにありましたか?

慶一  「テーマはビートニクだよね。はじめてビートニクについてちゃんと考えてみようと。僕たちは“ビートニクス”って名乗っているけれど、“ビートニク”ってちゃんと知らないんじゃない?って。」

幸宏  「僕たちは、実存主義者じゃない、出口主義者だ、と名乗ってきたわけだから、今回もそれで行こうと。それがレコーディングしているうちにモチベーションとして高まってきて、やっぱり、「出口」だなっていうのは、アルバムのテーマのひとつになった。」


-- 10年ぶりのアルバムリリースとなります。 コレまでの作品と最も異なる部分(または変わらない部分)はどんなところでしょうか?

幸宏 「もっとも異なる事は、迷いが無く、時間が短縮出来たこと。」

慶一 「ストレスも無く、競う事も無く、いいものを作るという1点のみを考えて集中して作ったことだね。」


-- お2人ともソロや別のグループでも活動されていますが、その他の活動と比べてTHE BEATNIKSはどのような位置付けなのでしょうか?

幸宏 「アルバムを作るたびに違うんだけど、今回は、楽になれる場所だったかな。他の仕事も続けながらやっていたから、ここをシェルターにして楽になれた。」

慶一 「確固たる信頼からだね。シェルターからいいものが生まれる。」


-- 本作の制作において、YouTubeに上げられていた「カットアップ技法」以外に、全体としては具体的にどのようなカタチで共同作業されていたのでしょうか?

幸宏 「基本的には僕がキーボードを弾いて、慶一がギターを弾いて。二人でセッションをやりながら、キャッチボールをしながら録音して、曲自体もまるでカットアップしながら出来て行った感じかな。無駄がほとんどない。実際使っていない音もほとんどないんじゃないかな。」

慶一 「僕がビートニクスで、キーボードに一度も座らなかったアルバムは1枚も無いし、こんなにギターを弾いたアルバムも他には無いね。フレーズもそういう時ってどんどん生まれてくるんだよね。久々に弾く生ギターでイントロ作ろう!とかになるわけだから。偶然をあやつることに非常に長けた二人組なんだよ。きっと。それを録音して作品にしていく。“長ける”というと上から目線だけど、偶然を楽しめるというかな?楽しんでるだけなんだよ(笑)。」


-- 本作でLovin Spoonful「Didn't Want To Have To Do It」をカヴァーされてますが、どちらの発案だったのでしょう?また、この曲をチョイスした意図とは?

幸宏 「意図はないんですけど二人とも同じ時期に同じような曲を聴いているので、この曲をどっちかが鼻唄で歌いだしたことがきっかけだね。」

慶一 「駐車場に行く時にね。あれ、なんだっけ?って。」

幸宏 「あ、それだ!って。そのメロディーを僕がずっと歌ってて。慶一がこの曲、B面だよねって言ったりして。」

慶一「(邦題が)“つらい僕のこころ”だっけ。(ビートニクスらしい邦題も)これもまた偶然だよね。」


-- レコーディング中の思い出深いエピソードがありましたらお教えください。

慶一 「レコーディング中、腹が痛くなったね。」

幸宏 「僕は盲腸になりました。」

慶一 「ビートニクスは腹痛バンドだね。」

幸宏 「年が年なんで気をつけないとね(笑)。」


-- お互いを一言で表すと?

幸宏 「今、任せて信頼出来る人。でも、一言では言い尽くせないということだけは間違いない。未知数が無いとつまんないね。」

慶一 「幸宏がリズムを作る時に何も口出すことはない、好きな風にやってもらうのが一番いい人、そんな人は他には居ない。でも、まだ見てないこともたくさんあるだろう。」


-- 11月にはワンマンLiveも行われます。Liveに向けての意気込みをどうぞ!

幸宏 「意気込みはないんだよね(笑)。さすがに40年もやってると意気込みは無いね(笑)。やる以上は絶対いいものにしたいと思ってるだけで。」

慶一 「意気込みなんかなくていいんじゃないの(笑)。お客さんに喜んで帰ってもらえればいいな。」


-- 最後にリスナーの皆さんにメッセージをお願いします!

幸宏 「このアルバムは是非パッケージで買ってもらいたいですね。ジャケットやビジュアルにすごく意味があります。出来れば歌詞カードを見ながら聴くチャンスを持ってもらいたいです。」

慶一 「文字やいろんなところすみずみにたくさんの意味が隠れているので。」



新譜 THE BEATNIKS 『LAST TRAIN TO EXITOWN』
あのYMOの高橋幸宏とムーンライダーズの鈴木慶一による断続的で伝説的なユニット、THE BEATNIKS。結成30年、10年ぶり4枚めのオリジナルアルバムが遂にリリース! “「怒り」を感じた時にリリースをする”というTHE BEATNIKSだが、2011年、様々な問題が起こる中での奇しくもの4作目のリリースとなる。前作から更に進化し、この二人ならではの今ならではの新しい音作りが展開されている。
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      THE BEATNIKS
    『LAST TRAIN TO EXITOWN』

    2011年10月12日発売

    [収録曲]
    01. A Song for 4 Beats
    02. Ghost of My Dream
    03. Go and Go
    04. 戸棚の中のグロテスク Gromanesque in The Closet
    05. カットアップだ! 我らの実存 Cut Up Our Existence
    06. Didn't Want To Have To Do It
    07. Camisa De Chino
    08. Come Around The Bends
    09. Around The Bends
    10. 最終出口行き Last Train to Exitown


profile



[THE BEATNIKS]

2011年、結成30周年を迎える高橋幸宏と鈴木慶一による老舗ユニット。とはいえ、その活動は断続的で、1981年、1987年、1992年、1996年、2001年の各時期に発作的にアルバムの発表やライブを行ってきた。結成当初はニュー・ウェーヴ/テクノの音作りで知られたが、ふたりの持つ音楽性を象徴するかのように、発表される作品ごとにその色合いはさまざまに変化する。オリジナルアルバムの他、Yohji Yamamotoのコレクション用音楽の作成や、著書「偉人の血」などを上梓している。



Live infomation

THE BEATNIKS Live 2011 "LET'S GO TO BEATOWN"
■2011年11月20日(日) 大阪:堂島リバーフォーラム
■2011年11月25日(金) 東京:中野サンプラザホール



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