【インタビュー】YOGURT & KOYAS ジャパニーズ・ポップス・インタビューへ戻る

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2011年11月16日 (水)

interview

オリジナルアルバムとして2枚の名作チルアウト盤『Chill Out』 『Sound Of Sleep & Meditation』をリリースしてきたYOGURT & KOYASが、まさしく待望といえるダンスフロア仕様の3rdフルアルバム『Sounds From Dancefloor』を11月16日にリリース!これまで12インチでリリースされてきたダンストラックやフロア向けRemix作品などの集大成・ベスト的な側面もあるこのアルバムについて、お2人にお話を伺いました!



-- お2人のコンビ結成のいきさつを改めてお聞かせください。

KOYAS  2007年にNabowaを一緒にRemixしたのがきっかけです。当時自分のやっていたユニットが活動を辞め、YOGURTも曲作りする相方を捜していた時期でちょうど上手くタイミングがあったと記憶しています。

YOGURT  2007年に京都のジャムバンドのNabowaの最初の12インチシングル曲をリミックスするオファーをYOGURTが受けた際に、以前から知り合いだったKOYASにエンジニア等を依頼して、二人で制作して出来上がったリミックスが好評だった事からその後も共同制作を続けていくことになりました。


-- 結成からこれまでの間に、お互いの印象に変化はありましたか?

KOYAS  曲作りや活動自体はマイペースに行っているのであまり変化を感じませんね。YOGURTは以前はほとんどお酒飲まなかったのに、最近はビールを飲むようになったくらいでしょうか。面白いことに、音作り中にあれこれ機材をこねくり回しているときに「おっ!これいいな」とおもうタイミングはYOGURTも自分も大体同じでそこは変わっていません。

YOGURT  制作に取り組んでいる時の彼の集中力の凄さは、結成前に自分が予想していた以上でそこは印象が変わったというか、強まった感じがあります。


-- 実際の作業では、どのような役割分担なのでしょうか?

KOYAS  よくあるパターンはYOGURTが大まかなディレクションをして、僕が機材をオペレートしてそれを形にしていく感じです。制作に使用する音源やエフェクトは8割以上ソフトウェアなので、自分がPCを操作してPCの内部で完結するように作っています。

YOGURT  最初にどんな曲を制作するか、どんなリミックスに仕上げるか、大まかなアイディアやシンプルなデモ曲を僕がKOYASに提案して制作を始める曲が多いですが、KOYASからのアイディアから制作が始まる曲もあり、今回のアルバムだと"Acid Rider"はKOYASの未発表デモを発展させた曲でした。
楽曲制作はKOYASスタジオでおこない、仕上げのミックスダウンやマスタリングは自分も立ち会っていますが、実際の作業は全てKOYASがおこなっています。


-- チルアウト仕様な作品をリリースする中で、フロア向けのトラックも制作されてきたお2人の初のダンスアルバムとなる本作ですが、アルバム用の新曲を制作するにあたって、何かテーマのようなモノは設けましたか?

KOYAS  本来は2人ともダンストラックが好きで、DJでもそういったトラックをプレイするしクラブでも普通に踊っていたりするのですが、チルアウトな作品だけだしているとアンビエントの人というイメージがついてしまいます。なので、それを払拭してフロア向けの音楽をメインにしようという大きなテーマは設けました。細かいテーマまでは設けませんでしたが、できあがった曲を今の曲順に並べてみるとちゃんと一つの流れが出来ていたのが不思議なところでしたね。

YOGURT  YOGURT & KOYASは12インチでは毎年数枚のダンストラックやリミックスをリリースしているんですが、CDでは2枚連続でアンビエントアルバムが続いたので、3枚目のCDはダンス色を強く打ち出したアルバムにすることは随分前から決まっていました。
もともと二人で最初に制作したNabowaのリミックス曲は熱い雰囲気の漂うダンスVersionで、その後も自分たちは日本を代表するジャムバンドのDachamboやTegwon等の曲をハードかつサイケデリックな雰囲気のダンスVersionに仕上げていて、チルアウト仕様な作品ばかりリリースしてきたわけではないんですが、2010年にリリースした1stアルバム“Chill Out”の印象が強い人が多いかもしれないとも感じていました。
元々自分もKOYASもダンストラックが大好きで、“Chill Out”の印象がこれ以上強まるのは本意では無く、自分たちがダンストラックを愛好して制作していることが多くの人達に伝わってほしいと思い、今回リリースするアルバムのタイトルに"Dancefloor"の単語を使いました。


-- チルアウトとダンストラック、制作する上で共通する部分はどんなところでしょう?

KOYAS  僕が共通していると考えるのは「機能する音楽」です。チルアウトのトラックは和んだり安らぐときに機能しますが、ダンストラックは踊るために機能する音楽です。制作する過程においては、どういうビートだとダンスしやすいかとか、こういったブレイクだと足が止まるな、とかフロア向きの音楽が機能するシチュエーションを考えながら制作しました。

YOGURT  美しいメロディーで優美な雰囲気のダンストラックには、チルアウトと共通する感覚があると思います。特にメロディーに関しては、ダンストラックからリズムを抜き出すとそれだけでチルアウト的な音楽になったりしますね。


-- お2人が目指すダンスフロアのあるべき姿とは、どんなモノなのでしょうか。

KOYAS  職業や年齢関係なく全員の心が開いて一つになって楽しんでいる空間です。

YOGURT  老若男女、世界中の人達がそれぞれのペースで楽しく踊っていて、いつの間にか共鳴している状態。


-- 本作収録曲のゲスト陣は、それぞれどのような経緯で参加されたのでしょうか?

KOYAS  ギターのARATA君はLove Me Tenderというバンドでギターを弾いていて、YOGURTの古くからのつきあいで、何かと色んな作品に参加してもらっています。こちらがオーダーした以上のプレイをしてくれるので、自分たちだけでは作り出せないような曲に発展するようなイマジネーションを与えてくれるプレイをしてくれます。ARATA君のギターは、編集したり加工したりすると曲に新たな一面を産んでくれるのでいじっていて楽しいです。

ベースのEIJIさんはDachamboでベースを弾いています。EIJIさんの家とスタジオが近かったので遊びに来てもらうがてら弾いてもらったりしました。EIJIさんのベースの凄いところは、録音の1テイク目で既に曲の世界観をつかんでいてそれにあわせたストーリーのベースを弾くところです。また、録音したデータを拡大してみるとタイミング的にはジャストではないのですが、そこが音楽的にグルーブがあり、ジャストに修正したりしてしまうとグルーブ感がなくなってしまうのでEIJIさんのベースはあまり編集しません。

バイオリンのHIRAKUくんはNabowaのメンバーで、今回の参加はリミックスをしたのがきっかけです。HIRAKUくんは普段は京都にいてNabowaで全国を回っているのでなかなかタイミングが合いませんが、たまたま東京に来たときに録音できるタイミングがあり、今回の参加となりました。

キーボードの吾郎さんはMajestic Circusというバンドでキーボードを弾いていて、Dachambo周辺のライブにもよく参加しています。ライブを見ていつも素晴らしいプレイをしているので、機会があったら一緒になにかできないかなと前々から狙っていました。

YOGURT  2曲目のInto The Peakでエレキギターを、11曲目のEternal Dawn Pt.2でガットギターを弾いてくれているギタリストのArataさんは、以前に自分のユニットUpsetsが2006年にアルバム"Groove On"をリリースした時から自分の楽曲によく参加して頂いています。こちらが細かなことまで指示しなくても、大まかなアイディアやコンセプトを伝えるだけど、こちらの予想以上に素晴らしい演奏をして貰えて毎回感激しています。今回使用したArataさんのギタープレイは、以前にYOGURT & KOYASがリリースした"Chill Out"収録時に録音した音源を再利用したものです。

5曲目の"Natsu"は元々Los HermenosのG.MitchelとJebskiの共作曲を2011年にYOGURT & KOYASがリミックスして12インチとCDでリリースされた曲で、とても仕上がりが気にいっていたので、Jebskiに依頼して今回のアルバムに収録する許可を貰って、今回のアルバムには改めてリミックスしたVersionを収録しました。

8曲目の"Eiji's Bass & Goro's Keys On The Run"は、DachamboのベースのEijiさんと、マジェスティックサーカス等でキーボードで活動している柴田吾郎さんにゲスト参加して頂きました。
Eijiさんは、以前にYOGURT & KOYASがDachamboの曲をリミックスした事やYogurtが出演するPartyやイベントにDachamboも出演する事が何度かあり、普段から交流があり、2010年に奇妙礼太郎トラベルスイング楽団"機嫌なおしておくれよ"をYOGURT & KOYASがリミックスした際に、ベースでゲスト参加して頂き、その時のプレイが素晴らしかったので、今回再びベースを弾いて貰いました。
吾郎さんは2010年にYOGURTが出演したHerbestaで、同じく出演していた吾郎さんに自分のDJを誉めて頂き、音楽の話をしたら盛り上がったり、吾郎さんがその時Dachamboのライブにゲスト参加して鮮烈なプレイを披露していたので、いつか自分たちの作品にも参加して貰いたいと考えていて、今回の曲で初めて弾いて頂きました。

11曲目でヴァイオリンを弾いているのは、NabowaのHiraku君で、前に“Chill Out”を制作した時に録音した音源を再構築して使用しています。


-- アルバム制作中のエピソードなどがありましたらお聞かせください。

KOYAS  今回のアルバム制作は「CHILL OUT」制作中から足かけ2年超にわたり制作していました。なのでエピソードといえばあるようで思い浮かばないような…。

YOGURT  “Chill Out”制作中にずっとアンビエントな曲を作っていたので、パワフルなダンストラックを作りたい願望が高まり、いったんアンビエントな曲を作るのを止めて、Chill Outに収録した楽曲をダンストラックに再構築したら強力にカッコ良いトラックに変貌して、CDRに焼いてDJの時にクラブでプレイしたら盛り上がり、これらの経過を経て”Chill Out”の次にリリースするアルバムはダンスなトラックを集めたものにしようと強く思いました。


-- フロア指向のアルバム・または楽曲で、思い入れのあるモノを1つずつお答えください。

KOYAS  The Chemical Brothersの「Dig Your Own Hole」です。僕は元々バンドでギターを弾いていたのですが、交通事故に遭って1年くらい入院して後遺症で立って楽器を弾くことが出来なくなりました。バンドは出来なくなったけど音楽は続けたい、さてどうしたものか…と悩んでいるときにちょうどリリースされたの聞いて「これなら一人でバンドできるじゃん!」とサンプラーを購入して打ち込みを始めるようになりました。奇遇にもDachamboのHATAさんもFatboy Slimを聞いて同じことを考えたそうです。

YOGURT  1995年にリリースされたBasic ChannelのCDを初めて聴いた時は衝撃を受けました。単純なフロア指向のアルバムでは無く、いわゆる音響系やDUB、ノイズ等の感覚と、ミニマルテクノの魅力が完璧に融合している「これまでのテクノを進化させる事に成功した作品!」と感じて興奮して、一時期はクラブから帰宅するとこのアルバムばっかり聴いていた時期もあります。お約束の「テクノ」、ありがちな「ミニマル」から見事に逸脱しつつ、ギリギリでフロア指向の姿勢をキープしているバランス感覚が素晴らしいと思います。


-- 最後に、アルバムをお聴きになるリスナーの皆さんにメッセージをどうぞ!

KOYAS  僕は10代の頃メタルが好きでBURRN!という雑誌をよく読んでいたのですが、それに載っているインタビューではなぜか大抵のアーティストが「今回のアルバムが最高傑作だ」と毎回答えていました。このアルバムも自分にとって今できることを凝縮した最高傑作だと思います。是非聞いてください。

YOGURT  このアルバムを聴いてDancefloorに行きたい気分が高まってナイスなPartyに踊りにいってくれたら嬉しいです!



新譜 YOGURT & KOYAS 『Sounds From Dance Floor』
"CHILL OUT"のリフォーム版、"SOUND OF SLEEP"の新作と立て続けに話題作を生んだユニット:YOGURT & KOYAS。リスナーが、そして幾多のアーティストが待ち望んでいた初のダンスアルバムを遂に発表! 待ちに待たれたダンスアルバムとなった今作はこれまで手がけた数々のリミックスや、2010年にUpset Recからリリースした12インチ等で打ち出してきた二人のダンス指向 / ダンスフロアへの熱い思いを全面に打ち出した内容。収録曲は渚やフジロックフェス、ドミューン等にライブアクトとして出演した際に披露して爆発的に盛り上がった曲の数々や、12インチでリリースして既にフロアヒットしている曲、GAINAXとのコラボ提供曲、アナログのみでリリースされた東北関東大震災チャリティーアルバムに提供した曲等々を収録した、初のダンスアルバムでありながらある意味で「ベスト盤」と言える仕上がり、話題盤!

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      YOGURT & KOYAS
    『Sounds From Dancefloor』

    2011年11月16日 発売

    [収録曲]
    01. 夏至 - The Summer Solstice
    02. Into the Peak
    03. Rainbow Curved
    04. Space Floating
    05. G.Mitchell & Jebski feat. Kengo Ono
      / Natsu - DJ Yogurt & KOYAS's Album Version -
    06. Ride It OnAcid Rider
    07. Eiji's Bass & Goro's Key on the Run
    08. Midnight Tribe
    09. Heaven is Too Close to Hell
    10. Eternal Dawn Pt.2 (a.k.a.Slowhand)

profile



[YOGURT & KOYAS]

DJ/クリエイターのDJ YOGURTと、エンジニア/DJ/クリエイターのKOYASが、2007年に京都のジャムバンドNABOWAの1ST シングル曲"POLE POLE"を共同でリミックスしたのを契機にコンビを結成。その後日本を代表するジャムバンドの一つDACHAMBOや奇妙礼太郎トラベルスイング楽団「機嫌なおしておくれよ」のリミックスやダブをアナログでリリースしてヒットを飛ばし、それらのリミックス作品はDJ 光、EYE(BOREDOMS)、DJ KENTやALTZらDJ達に賞賛される等高い評価を得ている。ライブ活動にも力を入れていて、2010年3月から12月まで毎月ライブをおこない、7月にはFUJI ROCK FESに出演。10月には渚・東京にも出演して集まった音楽ファンの喝采を浴びている。2011年7月には2010年に続きFUJI ROCK FESにYOGURTがDJとして、KOYASはライブアクトとして出演した。YOGURTの15年を越えるDJキャリアと1万枚以上の所蔵レコードから得たインスピレーションを、最新のソフトウェア事情に精通していてAPPLE認定システムアドミニストレーターでもあるKOYASが卓越した楽曲制作能力で「プロ」のクオリティーの楽曲に仕上げる手腕に定評があり、サイケデリックをも感じさせるハードなダンスナンバーから、ピークタイムに鳴り響くテクノやハウス、それらとは対照的な曲調の眠る時に聴くようなアンビエント、ソウルフルな歌ものまで追求する音楽性は奥深く幅広い。




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