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2012年2月10日 (金)


『MMM Radio Psychedelic』×「3.10MMM」× HMV

音楽雑誌「MARQUEE」で好評連載中のクラムボン・mitoさんと MARQUEE編集長・MMMatsumotoさんによる「3.10MMM」が、 WebDice上でネットラジオとしてスタート!
その名も『MMM Radio Psychedelic』。今回は第23弾です。
2人による音楽談義がギュッと詰め込まれた、他では聴けない超レアな番組。 HMV ONLINEでは「3.10MMM」と『MMM Radio Psychedelic』で紹介したアイテムを合わせてご紹介!
必見必読です!




mito mito from clammbon
クラムボンのベーシスト。いくつかのソロプロジェクトや多方面のアーティストのプロデュース活動も活発に行うオールラウンド・プレーヤー。
MMMatsumoto MMMatsumoto  from「MARQUEE」
ポップカルチャーとマニアックな視点で独自な音楽を紹介する音楽雑誌「MARQUEE」の編集長。



どもです、ミトです!!お待たせいたしました!!MMM Radio Psychedelic】vol.23配信開始です!!2012年最初のMMM Radioですが、今年もいつもと同じく、予測不能!!そしてまた〜りと、大好きな音源たちを挙げて、みなさんと楽しんでいけたらと思います!
今回は新旧入り乱れ、ポスト・ロックからジャズからサイケからアニソン関連まで怒濤の4枚!そしてMMMatsumotoさんも、マニアックなジャズ・ロックからアンビエントの巨匠と、もうまさにサイケデリックという言葉を地で行く内容!!では、今年もいってみましょうか!!





【MMMRadio Psychedelic 2012 Vol.23】
音楽雑誌「MARQUEE」とMMMRadio Psychedelicで紹介したPlay Listをご紹介

1st set   Radian / Juxtaposition


Trappist、Mapstationなどで演奏してきたドラマーMartin Brandlmayrが率いるバンド。基本はベース、シンセ、ドラムといったシンプルなバンド編成であるが、その音を聴いて誰がどの音を鳴らしているのかを判別するのは難しい。ドラムの音をトリガーしてシンセが鳴ったり、ブリーピーなシンセサウンドがベースだったりと、ライヴで観るとちょっとした混乱が味わえるのがこのバンドの持ち味。そして、楽曲とフリーセッションの狭間で揺れ動く 、ギリギリのバランスが素晴らしい。最初にこのバンドを聴いた時に思ったのが「This Heat」のあのサウンド。Charles HaywardとこのMartin Brandlmayrには、とても似通った部分があり、その破天荒なドラムプレイを聴くたびに、ぜひ一緒にセッションしてもらいたいものだと思うのだ。

解説 by mito

mito 「みんなこういうダークなモノとかも好きじゃないですか。なんですけど、不思議とこう、ココはココのまんまアンダーグラウンドという域を離れずに…というのは変わってないですよね」
MMMatsumoto 「そうだね。(こういうのは)昔からずっとある気がする。CLUSTERの初期の感じとかに近いと思うんだよね」
mito 「はいはいはい」
MMMatsumoto 「これを二次創作すれば今のアニソンになる、って感じがするんですよ」
mito 「最近私が気にしてる劇伴を作ってる人がいて。『ベン・トー』っていうアニメの中で流れてる音楽ってのがまさにBATTLESみたいな音だったりとかで、非常に面白いテクスチャーを組んでる人がいて。そういうのは全然あるんですよ。あとは牛尾君(agraph)も『UN-GO』っていうアニメでやってたり」

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2nd set   Mutantes / Os Mutantes


ブラジルのサイケデリックバンドと言って、真っ先に挙がるのがこのMutantesであろう。Sergio Dias、Arnaldo Batista、そしてArnaldoの彼女だったRita Leeの3人が結成し、1968年に発表したファーストアルバムがこの『Os Mutantes』である。『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を通過したようなサイケデリック溢れる楽曲は、その奇天烈な音響配置以上にポップで聴きやすく、それでいて、当時名前さえ無かった「トロピカリア」という新しいムーブメントを引き起こすほどの魅力をもっている。テープ編集によって引き起こされる支離滅裂なアレンジ、あちこちにちりばめられたSEなどが奇跡的に音楽として成立する姿は、その後Beckやcornelius、Stereolabなどに多大な影響を与えた。実はKurt Cobainも大ファンだったというのは、結構知られていない事実。

解説 by mito

mito 「サイケで特徴的だったこの、だんだん遅くなっていったりとか(笑)ものすごく速くなっていったりだとか、そういうのってパソコン上のソフトを使うと、簡単に出来そうでいて結構みんなスクエアなんですよね。計算で作られているモノだったりするので。やっぱりこう、予定不調和な効果だったりっていうのはなかなか作りにくいっていう。仕事で最近ソフトを使っていると、その手の所から逃れられないんですよね。で、そういうのにずっと囚われてるとですね、こういうのを聴きたくなるんです(笑)」
MMMatsumoto 「フラストレーションが溜まるわけだ(笑)。このヨレてる感じがね(笑)」
mito 「そう(笑)。ヨレてて生きてて良い、っていうか。如何せん機械は機械、そういうお楽しみ感が薄いんですよね〜」




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3rd set   Fred Hersch / Whirl


1955年生まれ、オハイオ出身のアメリカを代表するピアニスト。その流麗なフレージング、斬新な和声解釈、メロディーに対してのストイックなまでの探求、そしてそれをしっかりとセッションで表現する洗練と卓越を備えたピアノから「Bill Evansの再来」と言われたこともあり、84年のソロデビューからあちこちで高い評価を受ける。が、その後彼はAIDSを煩い、2008年には一時昏睡状態までに陥り活動はほぼ絶望視された。しかし、なんと彼はそこから奇跡の復活!現在はツアーで各所を廻るほど回復し、その素晴らしい演奏で様々な人たちを魅了している。彼の演奏の中にある、深層に訴えかけるような切なさと、そこからわき上がる高揚は、何年か前に起こったヨーロッパのニュー・ジャズ・シーンにも近く、決してそのJazzの域を出ることはないがロックのエッセンスにも問題なく置き換えることができる。つまるところ、その人しか鳴らせない、独自の「音」を持っているということは、ジャンルを超えて、僕らを圧倒させるものなのだ。

解説 by mito

mito 「ジャズって要するに原曲に対してのアレンジっていうか解釈と編曲力だと思うんですよ。僕がジャズ・ピアニストだったりとかジャズ・トリオに何を求めてるかっていうと、最近ちょっと分かってきたのは、そのアレンジ力っていうか…」
MMMatsumoto 「しかも瞬間アレンジ力みたいな」
mito 「そう。しかも骨格の、メロディーの良さをちゃんと把握してるがこその編曲。それってなんか、自分の仕事とすごく似てて。例えばアニソンのカヴァーやったりとかクラムボンで『LOVE ALBUM』作ったりしてることの骨格って、そこなんですよね。ウチらリアレンジするの好きじゃないですか。あれってやっぱり、スキルが重要で。良いメロディーに対してどこまで綺麗にビジョンを持っていけるか、っていう」


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4th set   岡崎 律子 / for RITZ


「誰が聴いてもシンプルでキャッチーなメロディである」。このことがどれだけ素晴らしいことであるか、音楽家でなくても感じる「普遍」と言う名の「最高級」を作る人、それがこの岡崎律子である。学生時代よりバンドでピアノを弾き、そのバンドでコンテストなどに出場するうちに、CM作曲活動デビューを果たす。91年に『魔法のプリンセス ミンキーモモ』のED「約束」などからアニメ、ゲーム、声優の楽曲提供をはじめ、自身も93年に「悲しい自由」にてソロデビュー、以降は様々な業界でその名を聞くこととなる。彼女から生まれるメロディーの全てには、他の作曲家には感じない人肌の優しさと、その優しさをしっかりと受け止める強さが表裏する。そしてそこに乗るリリックは驚くほどストレートであり、決してメロディーの音節に邪魔することがない。特に最後のアルバムであるこの『for RITZ』では、本人が最後まで手を加えられなかった楽曲があるにもかかわらず、全てが統率されていて、完璧な作品物として存在する。要するにどんなアレンジに対しても負ける事の無いメロディー、それが彼女の最大の武器であり、これ以上太いメロディーを作り出す人を、僕は何人も知らない。44歳という短い生涯で旅立ってしまったことが未だに悔やまれてならない、最高のアーティストである。

解説 by mito

mito 「『MMM』初のアニソン・セレクトになりますね。この人が生きていたら菅野よう子さんと肩を並べられてたんじゃないか、と言えるような方で」
MMMatsumoto 「なるほど」
mito 「ただし菅野さんみたいな技巧的な発想の方ではないんですよ。アクロバティックな曲の作り方ではなく、びっくりするほどメロディック。とにかくメロディックでストイックだったという。亡くなる前に行っていた仕事の時に何か達観なさったのか、ちょっとジョン・レノン的な感じというか。ここまでシンプルでこんだけグッとくるメロディーがあるのか!っていうぐらいのモノを作った人でもあるんですね。菅野さんは菅野さんでスゴイんですけど、サンプリング・ミュージックに近いんです。自分でも言ってるぐらいで。律子さんのメロディーは、今のアニソンっていうモノのクオリティー、メロディーの大始祖というか。どんだけいろんなことをやっても、メロディーはしっかりこないとダメ、っていう規定を作ってるようなところはあると思うんですよね」
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5th set   YOCHK'O SEFFER NEFFESH MUSIC / Ghilgoul


フランスの怪物MAGMAの初期サックス奏者で脱退後ZAOという先鋭的ジャズロック・バンドを結成したヨシコ・セファー。ハンガリー出身の彼が1975年パリで結成したのがネフェッシュ・ミュージック。ズバリ!ジャズロック×バルトーク。ジャズマンとしてSPEED LIMITやPERCEPTIONというフリー寄りのユニットを並行する中、最も彼の学究肌で硬派な側面がズッバーと出ている入魂のユニットです。リリースされた盤は3枚、『Delire』『Ima』『Ghilgoul』。で、本作3rd『ジルグール』が断トツ面白い。変拍子の切れ味も鋭く、元祖マスロックとも言えるジャズロック・アンサンブルに、マルガン・カルテットという女性弦楽四重奏団が絡んで、静動コントラストもバッチリ。クールなサックスの響きと同調して弦楽四重奏も無調寄り。ということで全編ピーンと張り詰めた空気で近代クラシックに通じるシリアスさがある。で、そのまま重みのあるジャズロックの変則ビートでカチッとクールに押し進めるので、ひたすらカッコイイ。多分セファーは、自身の研究対象でもあるバルトークを、彼にとってのルーツ&スピリチュアルミュージックとして、これら3部作を通じ現代仕様に再構成したのだと思う。

解説 by MMMatsumoto

MMMatsumoto 「ただのサックス奏者じゃなくて、理屈っぽいというか深遠なところがありまして。バルトークがとにかく好きみたいなんですよ。そういうエスニックな感じというか、その辺をジャズの中で展開したかったのかなっていう」
mito 「これはさっきの話で言うと“骨格を崩していくタイプの人”ですよね」
MMMatsumoto 「そうですね」
mito 「楽曲というモノの根底を、表裏をひっくり返していくという」
MMMatsumoto 「不整合な組み方してたりとか無調な感じの音階なんだけども、品が良いっていうか。ギリギリのスリリングな感じが、良い緊張感に繋がってるっていうことだと思うんだよね」


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6th set   BRIAN ENO / Another Green World


イーノを教授(坂本龍一氏)と同じく学者だと思っている人も少なくない今日この頃(俺の思い過ごしか?)、そんな貴方にはROXY MUSIC時代のグラム&アート系に爆裂女装した姿をブチかませたい。今やすっかりアンビエント路線を突き詰めミニマリストも経由してNASAなイメージ(???)のイーノですが、これは一大交通事故で長期入院を経て人生観を変えた直後の1975年に発表された3rd アルバム。それまでの気味の悪いグニョ〜〜ンとしたポップサウンドからアンビエントに移行する時期のアルバムで、それはそれは興味深い内容だ。3分の1程、彼の歌入りのポップナンバー、それ以外はUKプログレの先鋭者を起用し、サウンドスケッチ風の妙ーな実験音楽が並ぶ。前者のホッとするメロディと後者の異空間にほうり込まれたような(クラスターやノイのテイストあり)クールな音響感とのミスマッチが絶妙。かなりお薦め。

解説 by MMMatsumoto

mito 「この人、アンビエントだ何だでフワーっとしてるような音楽作ってるようでいて、濃いじゃないですか」
MMMatsumoto 「やっぱりね、ROXY MUSICの時にね、あの奇抜な格好をしてた“グラムを超えたグラム”ぐらいのアートな感じは、まんざらウソじゃないと思うんだよ」
mito 「ギターを掻き鳴らすだとかそういうところだと、アクが強すぎちゃうんじゃないかなと思うんですよ。楽器を弾かない状態で音楽に近いところで手を染めるぐらいじゃないと、中和出来ないっていう」
MMMatsumoto 「直接楽器弾いちゃうとアク強すぎてダメなんだけど、間接的に関わるとすごく有効に働くってことを彼は自分で分かったんじゃないかと」


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今月のMARQUEE

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    MARQUEE Vol.89

    [ 2012年2月10日 発売 / 通常価格 ¥800(tax in) ]






表紙&第一特集は、遂に合体したTommy february6/Tommy heavenly6。2/29にリリースされるフェブラリー7曲+ヘヴンリー7曲のアルバム『FEBRUARY6+HEAVENLY6』を記念して、撮り下ろし写真を含めロングインタビューを掲載。裏表紙&第二特集には、ロックとアートを融合させバンド界にあってカルト的な人気を持つPsysalia Psysalis Psyche(通称:サイサリ)が小誌初登場。過去1年間に6枚のシングルを様々なクリエイター達とコラボし、その集大成アルバム『#7』をリリース。これに合わせ徹底ロングインタビューとアニメーション作家 水江未来氏とのヴィジュアルコラボを大展開! 巻頭特集には、大々的撮り下ろし+単独インタビューでHeavenstampのヴォーカリスト Sally#cinnamonを、巻末特集にはエレクトロハウスに乗って鋭くクールに新生したNAMI TAMAKIを掲載。そしてソロ10周年を記念しYUKIを6P特集。10年を語ったインタビューにライヴレポも掲載。更に、『ライアーゲーム』第三弾とcapsule 新作について訊いた中田ヤスタカのインタビュー。androp(4P)、The Mirraz(3P)、FLiP(4P)、対談ではドラマ『ティーンコート』を巡って主演女優・剛力彩芽×近野淳一(鴉)。南波志帆×小出祐介(Base Ball Bear)の対談も実現。joyの8P特集。松永天馬氏デザイン&執筆によるアーバンギャルド、注目のシンガー bomiのディープな会話。その他、でんぱ組.inc、Neat's、山根万理奈も撮り下ろし+インタビューで。フジファブリック、amazarashi、後藤まりこ、ももいろクローバーZのライヴレポ。BIGMAMA、sleepy.ab、your gold, my pink、SCOTT GOES FOR、末光篤、堂島孝平も掲載。新人特集では、赤い公園を筆頭に15組を紹介。髭連載では、ナヲ(マキシマム ザ ホルモン)が、ねごと連載にはandymoriが、それぞれ登場。

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