無人島 〜俺の10枚〜【きのこ帝国編】

ROCK NEXT STANDARD

2012年5月16日 (水)



無人島 〜俺の10枚〜 【きのこ帝国編】

音楽好きには、超定番の企画“無人島 〜俺の10枚〜”!!なんとも潔いタイトルで、内容もそのまんま、無人島に持って行きたいCDを10枚チョイスしてもらい、それぞれの作品に込められた思い入れを思いっきり語ってもらいます!ミュージシャンとしてルーツとなるもの、人生を変えた一枚、甘い記憶がよみがえる一枚、チョイスの理由にはそれぞれのアーティストごとに千差万別です!今回のお客様はアルバムをリリースしたばかりのきのこ帝国からG,Voの佐藤氏が登場!

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デビューアルバム発売中!!



きのこ帝国 / 『渦になる』

“きのこ帝国”なんか可愛らしいバンド名ですが、バンド名からは想像できない超本気のシューゲ〜ギターロックバンド。バリバリのフィードバックノイズ、静寂と轟音。そしてG.VOの佐藤の声が素晴らしい。中性的で伸びやかな声は、聴くものの心を鷲掴みにする。淡々としているようでありながら、心を震わせるエモーショナルな音を鳴らす。超期待のニューカマーの登場!!

バイヤー激押し!! HOT PICKS にきのこ帝国登場!


きのこ帝国 Profile

きのこ帝国
Gt,Vo 佐藤/Gt あーちゃん/Ba 谷口滋昭/Dr 西村”コン”

2007年結成、2008年から本格的にライブ活動を開始。ポストロック、シューゲイザーに影響を受けたサウンドで下北沢、渋谷を中心にライブ活動を展開中。






きのこ帝国・佐藤セレクト!



01. Bibio / 『Vignetting the Compost』 ※廃盤

このアルバムは、BibioがWARPに在籍するよりも前に出したアルバムです。
はじめて聴いたときの衝撃から、未だ印象が変わりません。「Flesh Rots, Pip Sown」という曲。部屋で、歩道で、電車で、本屋で、カフェで、聴くたび新鮮な気持ちで聴くことのできる大好きな曲です。
どこか牧歌的な曲のなかで、のどかな景色が浮かぶような安心感と、時折顔をのぞかせる不安感が絶妙なバランスで成り立っています。
このアルバムのサウンドは、計算し尽くされた音選びやミックスから産まれたもののような気がする反面、偶然の産物のような気もしてきます。おそらく、そのどちらもが発揮されて、結果、奇跡的な効果を生み出しているのではないかと思います。
無人島でも是非お世話になりたい、素晴らしい一枚です。




02. THE ZOMBIES / 『ODESSEY AND ORACLE』

THE ZOMBIESの「ODESSEY AND ORACLE」。言わずと知れた名盤です。 「A ROSE FOR EMILY」という曲が凄く好きで、この曲を聴きたいがために(みつけたものがデジパック仕様だったのにもテンションが上がり)最近衝動買いしました。復刻版がいろいろと出ていますね。
改めて聴いてみると、曲・メロディーの良さに驚きます。60年代って、自分からすると想像もつかないくらい昔なんですけど、今こうして聴いても色褪せない音楽があることに感動すら覚えます。
新しいものを取り入れていくことも大事だけれど、かつて流れていた音楽が影響を残し、未だに息づいているのも素敵なことだと思います。




03. くるり / 『HOW TO GO』 ※廃盤

懐かしい気持ちになる一枚です。確か18歳とか19歳くらいのときによく聴いていました。
当時、夏の湿った夜、街をさまよいながら頭で鳴っていたのは「HOW TO GO」でした。「すけべな女の子」「地下鉄」かっこいい曲揃い。
汗で肌がべたついて気持ち悪いのに、やたら笑っていた気がします。
とても大事な思い出です。久しぶりに聴きたくなりました。




04. Corinne Bailey Rae / 『Corinne Bailey Rae』

UK出身のシンガーソングライター、Corinne Bailey Raeのデビューアルバムです。高校の終わり頃に友人にプレゼントしてもらったのがきっかけで聴きました。
予備知識が全くなく、歌い上げる系をイメージして聴いてみると、意外にもさらりとした歌いまわし。愛嬌とクールさの介在する、聴き心地のいい声をしているな。というのが当時の印象でした。
個人的にindia.arieやAlicia Keysの声や歌い方が当時凄く好きだったので、正直どこか物足りなさを感じる部分もありました。
しかしその数年後、たまたまライブハウスで対バンした女の子が「Like A Star」を弾き語りでカバーしていて、懐かしくなって再び聴いてみたら、とても良かったんですね。
無人島でもリラックスして聴けると思います。朝とか日没に凄くあいそう。




05. The Radio Dept. / 『Lesser Matters』

スウェーデン出身のバンドThe Radio Dept.のデビューアルバム。
他のアルバムもいくつか聴きましたが、このアルバムが一番好きです。ポップな曲とローファイな音、聴き手を飽きさせないフックがきちんと仕掛けられている、バンドのセンスが冴え渡った一枚と言えるのではないかと思います。
「Where Damage Isn't Already Done」という曲は特にキャッチーで、しかし聴けば聴くほど、アイデアに富んだ録音の面白さに気付きます。自分のバンドのメンバーに無理やり聴かせたりしましたね。こんな録音の仕方もいいな、と刺激を受けました。
そういった意味ではGirlsというバンドの「ALBUM」というアルバムのミックスも個人的に大好きです。




06. deid / 『deid ep』 ※取り扱い無し

日本のバンドdeidの自主制作音源「deid ep」。
正直ライブはまだ観れていないのですが、遠征で関西に行くとき等の車中でヘビーローテーションしています。この音源、余裕で10回以上続けて再生できます。淀みなくかっこいいです。
最近、こういうのが足りなかったんだ、なんて思わせてくれる魅力があります。
バンドの出す音ももちろんかっこいいけれど、歌詞・メロディー・符割りに求心力があるのかなと思います。そこはかとなくエッジがきいていて、かといって過剰ではなく、あくまで硬派です。
このバンドの次の音源にも自ずと期待してしまいたくなる良盤だと思います。
無人島でもきっとヘビーローテーション間違いなしです。




07. V.A. / 『Llama Ranch Compilation』

最近ハマってよく聴いているのが、コーネリアスの小山田圭吾氏選曲のコンピレーションアルバム「Llama Ranch Compilation」です。これ、凄く良いです。
コンピレーションってあまり聴いたためしが無かったのですが、このアルバムは、つい耳をすましてしまうような曲ばかりが収録されています。
基本的に、自分が知らないアーティストの曲が続いていくのですが(そのぶん聴いていると新しい発見の連続です)、Tahiti80の曲のなかでも特に好きな曲である「Heartbeat」のデモバージョンが入っていたりと、個人的に懐かしい部分もありました。
しばらくは飽きずに聴けそうです。聴きこんだら、特に気に入ったアーティストの音源を掘り下げたいですね。




08. ar / 『plastic dish no rush』 ※廃盤

arの自主制作1stアルバム。このアルバムは本当に数え切れないほど聴いています。「Triangle」という曲に関しては更に多く聴いています。
色んな音が聴こえてくる真ん中のところで歌が(異国を思わせる)鳴っている。そんなイメージです。アンビエント、エレクトロニカ、ポストロックを内包したサウンドと言えば適切でしょうか。
「-4D」「Ф」と相変わらず実験的でありつつも歌心のある曲たちが連なっていき、「Spare The Rod Spoil The Child」という曲でこのアルバムは終わります。
このアルバムの凄いところは、最後の曲できちんと着地するところだと思います。感動を残して音が去って行くのです。




09. 椎名林檎 / 『無罪モラトリアム』

椎名林檎氏のファーストアルバム「無罪モラトリアム」。
実はこのアルバム、持っていないですし、一度もきちんと聴いたことがありません。
しかし、大体の曲を、口ずさめる程度には覚えています。それってとても凄いことだと思います。曲としての知名度はもちろんあると思いますが、何より卓越したメロディーセンスがそうさせるのだと思います。
セカンドアルバムは姉が持っていたので、中学時代に繰り返し繰り返し聴きました。なのに、なぜかファーストアルバムには出逢いませんでした。
もしも無人島に行くとしたら、「無罪モラトリアム」を買って持って行きたいですね。むしろ明日にでも買って聴こうと思います。




10. 宇多田ヒカル / 『First Love』

宇多田ヒカル氏のファーストアルバム「First Love」。小学生から中学生にかけて、本当によく聴いていました。
宇多田ヒカル氏は、兄が聴かせてくれたのがきっかけで聴き始めたのですが、そこから兄はブラックミュージックに傾倒していき(なかでもダニーハサウェイがとても好きみたい)、それにつられて自分も洋楽、特にR&Bやソウル、ゴスペルをよく聴くようになりました。中学生のなかば頃です。
実はこのアルバムよりセカンドアルバムの方がよく聴いていました。コーラスワークやトラックはもしかするとファーストよりもあとのアルバムの方が凄いかもしれません。
でも、たまに「In My Room」が無性に聴きたくなるんですよね。