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2012年5月21日 (月)
(Interview & Text : 西崎信太郎)
-- 2年振りとなるニューシングル「Starting Over」のリリースおめでとうございます!完成された今の率直な気持ちは如何ですか?
Tina 完成して改めて思う事は、この「Starting Over」という曲をシングルとしてリリース出来て本当に良かったなと思います。
他にもシングル候補として作った曲が沢山あったのですが、震災ということもひとつのきっかけでもあり、私自身にとってもこの2年間の間に自分自身の音楽と改めて向きあった時間でもありました。
-- シングル候補となった曲は何曲くらいあったのですか?
Tina シングルの先にあるアルバムまで見据えていたので、結構な曲数はありましたね。でも、この「Starting Over」というテーマで曲を書こうという事は決めていたんです。
Tina名義でシングルやアルバムをリリースさせて頂く事は久しぶりだったので、「いつもここからが始まり」という意味合いの「Starting Over」という思いがずっとあって。
ですので、メロディや歌詞が違う何曲もの「Starting Over」が沢山あったんですよ(笑)
-- そういう経緯があったんですね!この「Starting Over」というタイトルには、アーティストとしてだけではなくて1人の人間として感じる多角的な思いが詰まっている事が印象的でした。
Tina 1人じゃないと分かっていても、寂しいと思う事もあるし、ずっと走り続ける事も立ち止まる事もどちらも勇気がいるし。
アーティストとしてももちろんですけど、1人の人間として生活していく中で感じる日常の感情をストレートに曲で伝えたいという気持ちが大きなテーマとしてあったんです。
本来であれば、ビートはこんなイメージで、雰囲気はこういうイメージでみたいな、サウンド面のイメージも含めて曲を形作っていくパターンもありますけど、この曲に関しては「Starting Over」というテーマが大前提としてあったので、このテーマを伝えるにはどんなメロディでどんな表現が良いのだろうかという感じで広がっていった曲です。
この曲は島野聡さんと制作したのですが、島野さんの自宅のスタジオで一緒に曲作りをやっていて、何気ない普通の会話の合間で、島野さんが弾いたピアノのメロディが“それ!それいいね!”ってなって。結果的にそのメロディが「Starting Over」のサビの部分になったのですが、そのメロディを一度持ち返り、私がAメロBメロや歌詞を加えたものを島野さんにもう1度渡して、それを島野さんがブラッシュアップしてくださって完成したのが「Starting Over」なんです。
-- とても興味深いエピソードですね。これまでに島野聡さんと楽曲制作された事はあったんですか?
Tina お互いに面識はあったのですが、一緒に制作をさせて頂いたのが今回初めてでした。Anarchy君に参加してもらった3曲目の「Sincerity feat. Anarchy」も島野さんと制作させて頂いたのですが、実はこの曲はもう3年前に出来ていた曲だったんです。なので、「Sincerity」という曲があったからこそ今回の「Starting Over」に繋がったと思います。
島野さんは“何故、このメロディが良いメロディなのか”っていう事を理論的に理解されている方なんですね。だからこその良い部分と、そういった面では荒削りでフィーリングで出てくる私のメロディの良さを生かして、島野さんが良いバランスで仕上げて下さったと思います。
-- Anarchyさんとの出会いはいつ頃だったんですか?
Tina Anarchy君が2008年に「Dream And Drama」っていうアルバムをリリースしたんですけど、そのアルバムに私がゲストとして参加させて頂いたのがきっかけでした。
私の作品のリリースが決まった時に今度は私からAnarchy君に声をかけて、今回の作品に参加してもらいました。Anarchy君のラップに私はブルースを感じるんですね。リリックの世界観も含めて私は大好きですし、彼の真っ直ぐで力強く突き刺さるようなラップが入る事によって、本当に情景が浮かぶ楽曲になりましたね。例えば、恋愛の曲で男女がスウィートに掛け合うようなスタイルがデュエット・ソングでは多いと思うんですが、Anarchy君の声やスタイルも私の声もスウィートっていうよりハードなタイプだと思うので(笑)、男女の違った目線というよりは同じ立ち位置から見たそれぞれの表現方法で歌ったのがこの「Sincerity feat. Anarchy」なんです。
“Sincerity”というタイトルは、親愛なる人への真心の気持ちや、手紙の締めの部分で使う言葉なので、私の歌を聴いて下さる方に曲に込めた想いが届きますようにという願いでもあります。その気持ちが私の音楽にとっての一番の原動力ですし。この曲はDJ WATARAI君がアレンジメントをしてくれたんですけど、Anarchy君と私の両方の良さを生かせるようなトラックにしてくれました。
-- この「Sincerity feat. Anarchy」の制作メンバーは凄いですよね!
Tina マチガイナイでしょう?(笑) この曲の制作を進めていく中で、WATARAI君から「ギターとベースは生で入れたいんだよね」っていうアイデアが出て。
デモの段階ではギターが入っていない曲で、すべて打ち込みだったので、じゃあギターだったら私がライブで何度かご一緒させて頂いているマサ小浜さんにお願いしたいという事になって。ベースだったらマサさんといつもコンビを組んでいるJINOさんでっていう感じで、お二人に参加して頂きました。
-- 「私の歌を聴いて下さる方に、私の気持ちを届けたいという思いが私の原動力」と先程おっしゃっていましたが、2曲目の「Mother's Day」もその感情にリンクするのかなと思いました。
Tina 当初はソウルフルでアップテンポな雰囲気の曲をBENNIE KのYUKIちゃんに書いてもらえたら良いなっていう話をしていたんです。そこで彼女から頂いた曲が物凄く良くて、シングルの表題曲にするかギリギリまで迷ったくらいで。それとは別にYUKIちゃんなりに私をイメージして書いて下さった曲が“Mother's Day”という楽曲なんです。歌詞からメロディから全部良くて、すぐに気に入りました。個人的には具体的な情景が浮かぶような歌詞って普段あまり書かないので、テーマも含めてこの「Mother's Day」のようなアプローチは私にとってはとても斬新でしたね。
大人になったからこそ感じる母への思いや“母と娘”の関係や世界観を描いてくれました。YUKIちゃんが歌ったら“昼間の母と娘のデート”みたいな雰囲気だったんですが、私が歌ったら急に"夜"みたいになっちゃって(笑)。
私の声質も色々と考慮しながら、最終的には良い雰囲気へサウンドを落とし込む事が出来ました。
-- 今年の母の日は、いつもの年とは違う特別な日になったんじゃないでしょうか!そしてこの「Starting Over」はTinaさんの記念すべき10枚目のシングルとなりましたが、やはり特別な思いはあったのでしょうか?
Tina 私、実は今回のシングルが10枚目だってすっかり忘れていて(笑)。作品をリリースさせて頂く度に、その都度スペシャルな気持ちになりますけど、今回の「Starting Over」というタイトルを10枚目という節目の作品としてリリース出来て本当に良かったと思います。
-- 7月にはニューアルバムがリリースされますが、HMV ONLINEをご覧の皆様にメッセージをお願い致します。
Tina 私が日々感じる日常のワンシーンが楽曲の中に切り取られていて、私の日常のワンシーンと、聴いて下さる方のワンシーンが楽曲を通して重なり繋がって、温かい気持ちになって頂けたら嬉しいです。是非曲を聴いて頂いてライブにも足を運んで頂けたら嬉しいです。
Tina 『Starting Over』 [2012年05月23日 発売]
収録曲
- 01. Starting Over
- 02. Mother's Day
- 03. Sincerity feat.Anarchy
[関連リンク]
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