東京のポップスの良心 ザ・なつやすみバンド

「東京インディーズシーンにおいて、最も作品を待たれるバンド」ザ・なつやすみバンド

MC.sirafu...この名前にピンと来た方は、相当な東京インディーシーン通ですね。近年リリースされた東京インディー良作品のクレジットでやたらとお見かけするこの名前。昨年を代表する1枚、cero『WORLD RECORDS』ではほぼメンバーのようにサポート。また、あだち麗三郎、Alfred Beach Sandal、NRQ、mmm、昆虫キッズ、VIDEOTAPEMUSIC...などなどMC.sirafu参加作品は軒並みヤバい！今、ひそかにシーンとして確立されるかもしれない予感がびんびんきてる東京インディー界隈。その中心にいるのがMC.sirafuという男だったりするわけです。そのMC.sirafuが首謀者の一人である武蔵野「とんちれこーど」を中心に追いかけても、このシーンは面白いのでオススメです。

で、ここからが本題。そのMC.sirafuがサポートではなくメンバーのバンドがありまして、それが“片想い”と“ザ・なつやすみバンド”。今回は“ザ・なつやすみバンド”がアルバムをリリースしたので、こちらを紹介したいと思います。

“ザ・なつやすみバンド”、足繁く東京中のライブハウスに足を運んでいるインディー好きリスナーの間では既に話題になっているバンドで、11年に下北沢の街全体規模で行われた「下北沢インディーファンクラブ」では、作品リリースがないにも関わらず入場規制がかかる程。

「東京インディーズシーンにおいて、最も作品を待たれたバンド」と言われています。

何がそんなにみんなを惹きつけるかと言うと、まずはそのうたとメロディー。郷愁を誘うその旋律と歌声が、心の内側を柔らかく刺激するものだから、センチメンタルな感情が溢れ出ます。
確か99年に空気公団の1stアルバムを聴いた時もこんな気持ちになったなぁと。あれから10年以上が経ち、今現在の「日本のポップスの良心」はこの“ザ・なつやすみバンド”という事になるでしょう。

さらにこの“ザ・なつやすみバンド”は、バンド編成の妙も加わります。歌・ピアノ / ベース / ドラムス / スティールパンという編成。ギターがいなくて代わりにスティールパンというのは、このバンドにとって大きな特徴を醸し出しています。
ポップスにスティールパンという心地良い違和感。スティールパンが運ぶ耳馴染みの良いフレーズとトロピカリズモ。
懐かしくて新しくて、どこか隙がある分心地良さが増してて、本当に本当に素晴らしい作品です。

オフィシャルサイトに、いくつかLIVE映像がUPされているので、まずはチェックしてみて下さい。
 LIVE映像はこちら

カクバリズム代表　角張 渉氏のコメント

これはもうね、驚愕の出来映え！まじで感服！インディーとかメジャーとか、ジャンルは〜〜だとか、そういった類いではなく、単純に''素晴らしい''です。懐かしいような、昔聞いたような、でも新しい感じ。それでいて耳への定着感がある。清涼、清純の中に毒と雑味がある。本当に凄い素敵な音楽。やっぱり窓は開けておくべきなのだ。こうやってポップの向こう側へと続く未来を提示してくれている名盤が入り込んでくる。ほんとジャンルレスに大推薦！全曲凄い良いです！