2012年1月より独立UHF系放送局にて放送、続いてBS11にて2012年4月〜6月まで放送されたTVアニメ『Another』。
昨今のTVアニメ作品としては珍しい本格派ホラーの様相、原作つきにも関わらず先の読めないアニメ版の展開などで話題となった本作の、
文字通り締めくくりとなるイベント「夜見山北中学校卒業式」が去る2012年7月15日、角川シネマ新宿にて開催されました。
ゲストはTVアニメ版キャストから見崎鳴役:高森奈津美さん、榊原恒一役:阿部敦さん、赤沢泉美役:米澤円さん。
スタッフからは原作者・綾辻行人先生、水島努監督が登壇。
それに加え、2012年8月4日より公開となる実写版からも榊原恒一役:山ア賢人さん、見崎鳴役:橋本愛さんが登壇し執り行われた本イベント。
TVアニメ版 望月役:山本和臣さんの司会にて、和やかなトークやセレモニーが繰り広げられた、当日の模様をレポートいたします。
司会の山本さんが登壇し、イベントがスタート。
まずはアニメDVD同梱版コミックス第0巻に収録されている、TVシリーズ未放送のアニメ第0話「The Other <因果>」をBlu-ray画質で上映。
約30分の上映終了後は、登壇したキャストの皆さん+水島努監督、綾辻行人先生によるトークセッションが開始。
キャストの皆さんは夜見山北中制服に身を包んでの登場に、会場からは大きな拍手が湧き上がります。
登壇したゲストの皆様方からお一人ずつのご挨拶。
高森さん「みんな、卒業できたのね。」、阿部さん「たまには繋がってもいいんじゃないかな。」、
米澤さん「魚、釣りなさいよ!」とキャストのお三方はそれぞれのキャラクターになりきって、決めセリフ風で挨拶を披露。
そして『Another』の制作現場を回想していく一同。
「最終回まで自分のキャラが生き残れるかどうかは演者にも全く知らされていなかった」、
「原作とは変更点があるので鳴や恒一も生き残れるとは限らないと言われていた」、などの制作秘話が次々と語られていきます。
そこで「思っていたよりもずっと冷たく演じるように演技指導が入った」と米澤さんの談や、
「何かと恒一に接近してくる綾野は本当のところどうなの?」というキャストからの質問に、
「ハーレムものにするつもりはなかったので、それは無い。」と監督からの回答する場面もありました。
トークはさらに展開して、続いてのお題、水島監督と綾辻先生の好きなキャラクターのお話に。
水島監督は「あの子は残らせてあげたい」と“ぞな”こと猿田、「好きだからこそ、華々しい散り際を用意したかった」と杉浦、王子をチョイス。
綾辻先生は真っ先に看護婦の水野さんを挙げ、「ホラー小説友達の恒一と水野さんの二人で探偵する構想もあった」とのコメント。
ここで綾辻先生がTwitter上で発言した『Another』新作小説の話について山本さんが触れ、綾辻先生からその構想が語られる流れに。
まず『Another』の10年後がどうなっているか、という続編の構想があるほかに、今現在執筆中のスピンアウトがあるとのこと。
スピンアウトは原作に存在した空白の時間軸、見崎鳴が夜見山を離れて海辺の別荘で過ごした1週間の出来事の話になるそう。
こちらの話、タイトルは『Another エピソードS』で、実写映画のパンフレットにイントロダクションが掲載されるとのお話も。
ちなみに『S』はSUMMER、SEA、SECRETといった幾つかの意味が掛かっており、そしてスピンアウトに登場する新キャラ、もう一人の「サカキ」の『S』でもあるそう。
こういった興味深い話の数々が飛び出したところで、トークパートは終了。
続いてのコーナーは、イベントタイトルに則り卒業証書の授与式が行われました。
卒業生代表として高森さんと阿部さんが、夜見山北中校長代理の綾辻先生より卒業証書を授与。
血塗れの卒業証書の出来と、久々の卒業証書授与式にテンション高めの高森さん&阿部さんに会場からも溢れんばかりの拍手が。
「これはちょっと額に入れて飾っておこうかな」と阿部さん感激のコメントを受け、綾辻先生も「鳴と恒一をよく演じてくださいました」と労いの言葉を贈ります。
「これをもってTVアニメ『Another』完結」と山本さんが宣言し、ここでTVアニメのコーナーは終了。
続いては実写映画『Another』のコーナーとなります。
まずは90秒の劇場版予告を上映し、それを受けて実写版キャストから榊原恒一役:山ア賢人さん、見崎鳴役:橋本愛さんがご登壇。
壇上にお二方を迎え入れたところで、アニメ版・実写版の主要キャストが揃う、またとない機会を活かし、アニメ→実写へのバトンタッチのセレモニーを実施。
高森さんから橋本さんへ花束、阿部さんから山アさんへ「重要なヒントが入っている」と、劇中さながらのテープレコーダーが手渡されました。
ここで実写版の試写を見たという高森さん、阿部さんから印象を聞く流れに。
高森さんは「アニメより暗闇が怖い感じ。どこから何が来るかわからない感じは実写ならでは」、
阿部さんは「大まかな本筋は変わらないのだけれど、実写ならではの見せ方というのがあって、それが心に迫るものがある」
といったコメントで実写版の感想を述べます。
さらに今度は橋本さん、山アさんから見たアニメ版の印象についてのコメントも。
「声だけで微妙なニュアンスを表現していて、声優さんはやっぱりすごい」と山崎さん、「アニメ版の鳴ちゃんはすごく可憐で可愛かったです」と橋本さん。
自分の演じたキャラクターを褒められた高森さんは、ここで思わずガッツポーズ。
その後、劇中に登場する恋月姫製作のドールの話、映画ロケ合宿の話など多岐にわたって、実写映画の制作秘話が両作品出演者による質疑応答形式で展開。
橋本さんがアニメのエンディングをイメージしたドレスを着用した話から、2012年7月25日発売の写真集「Another Invisible gaze」の情報も。
ひとしきりトークも進んだところで、先述の恋月姫制作ドールと、いとうのいぢ看板を登壇させてのフォトセッションが開催。
マスコミが撮影をしている間、お待ちいただいている会場のお客様方を、山本さんが軽妙なトークで繋ぎ、和やかな雰囲気に包まれます。
フォトセッションをもって橋本さん、山崎さんは降壇、替わって米澤さん、水島監督が再び登壇。
アニメ版登壇者全員が再び揃ったところで、それぞれから締めのご挨拶。
「みんなで一緒に卒業式を迎えられて嬉しい」という登壇の皆様、会場のお客様の総意から生まれた、一際大きな拍手喝采に包まれ、
およそ1時間半にわたる「夜見山北中学校卒業式」は幕を閉じました。
Links
TVアニメ 『Another』 公式サイト
実写映画 『Another アナザー』 公式サイト
アニメコンテンツエキスポ2012『Another』夜見山北中社会科見学レポート