【インタビュー】 RYUHEI THE MAN ジャパニーズ・ポップス・インタビューへ戻る

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2013年2月14日 (木)

グルーヴ感に満ちたプレイによって絶対的な信頼を得るDJであり、多くのディガーを魅了する高円寺のレコード・ストア“universounds”主宰でもあるファンク・マスターRyuhei The Man。渋谷“The Room”でのイヴェント“WAH WAH”も好評の彼が、現場の空気感をパッケージした人気ミックスCDシリーズの最新作『NEXT MESSAGE FROM THE MAN 4』をリリース。そこでこの機会に、過去最高のグルーヴ感を持つ本作について、そしてDJとしてのスタンスについて話を聞いてみた。

Text:Atsushi Innami (http://www.3055.jp/)



-- 今回の作品『NEXT MESSAGE FROM THE MAN 4』のテーマを教えてください。

RYUHEI THE MAN: テーマはシリーズすべてに一貫してるんですけど、“2000年以降の未来のレア・グルーヴ”です。レア・グルーヴといえば60〜70年代というイメージがあるかもしれませんけど、2000年以降もかっこいいファンク/ソウルの作品が出てるんですよ。それを知ってほしいので、僕が好きでたまらなくて、ふだんもプレイしてる曲を選びました。

-- 今回の特徴があるとすればそれはなんですか?

RYUHEI THE MAN: 意識として違うのは、ファンク/ソウル色が前回よりも強めだということですね。そもそもこの『Next Message From The Man』の企画の原点にあったのが“現在進行形のファンク”だったので、そこに立ち返ったというか。クロスオーヴァー・ジャズとかラテンもものすごく好きなんですけど、今回はあえてファンク/ソウル色を強くしました。そういう部分を聞いてもらいたかったし、なんか引っかかりが欲しかったんです。

-- D.L. a.k.a. Bobo Jamesの“Funk Bomb 2011”あたりが特に、そのコンセプトを代弁している気がしました。

RYUHEI THE MAN: “Funk Bomb 2011”は絶対に入れたかったので、D.L.さんに頼み込んで使わせてもらいました。面識のある、特に日本人の方に『使っていいよ』って言ってもらえるとうれしいですよね。あと、ROOT SOULさん。このシリーズはいままでに4枚出てますけど、唯一ROOT SOULさんだけが全タイトルに入ってるんです。そのくらい大好きなんですよ、絶妙な感じが。ファンキーなものもきらびやかなディスコやブギーも、ラテンも作れて、本当に才能がある人だなって思います。

-- ミックスする際には、どんなことを心がけていますか?

RYUHEI THE MAN: やっぱり、正確さです。正確であるに越したことはないなっていう。荒削りなのがいいっていう人も、もちろんいると思うんです。でも、僕は正確にやるに越したことはないと思っているんですよね。もちろんできてないことの方が多いんですけど、心がけとしては常に「正確にやるぞ」っていう気持ちでやってるんです。

-- クラブDJとしても大活躍されていますが、現場のDJミックスとミックスCDとの違いはどこにありますか?

RYUHEI THE MAN: 違いはあまりないでしょうか。というのもモットーとして、『NEXT MESSAGE FROM THE MAN』シリーズは、普段の現場のプレイをそのまま真空パックでお届けしようっていう気持ちで作っているんです。ただ今回に関しては、後半のElectric Empire“I Just Wanna Give It”からDJ Mitsu the Beats“Promise In Love feat. Jose James”までの4曲のちょっとスロウな感じがいままでになかった新しい一面かもしれません。シリーズ史上、最高にラブリーっていうか(笑)。クラブの現場でこういう流れを作ることはあまりないんですけど、この流れはかなり好きなんです。『Ryuhei The Manはこういうのも好きなんだな』って思ってもらえたらうれしいですね。

-- もっとも影響を受けたDJは誰ですか?

RYUHEI THE MAN: いちばん影響を受けたのははMUROさんです。DJがとにかくかっこいいですからね。メロウでもハードでも攻めてるというか、アグレッシヴですし。それから、やっぱりセンスのよさ。僕がいうのも生意気なんですけど、『このLPのなかのこの曲』っていう、誰も目をつけてないところに目をつける点がすごいと思います。

-- たしかに。

RYUHEI THE MAN: ケブ・ダージも衝撃的でしたね。ブースに立ったときにもものすごい存在感があるし、誰も知らないかっこいい曲を、あんなにかけられるのはすごいと腰を抜かしました。7インチに関しては、もしかしたらケブ・ダージからの影響がいちばん大きいかもしれませんね。
それから、渋谷「The Room」の“WAH WAH”というイヴェントで一緒にやらせていただいている黒田大介さんもすごいと思います。すべてを含め、あそこまでのプレイや表現ができる人はなかなかいないと思うので。
あと、DJ Shimoneくん。DJがかっこよくて、すごく好きです。ジャンルの壁がなく、いつも新鮮で。“ヒップホップしてる”し、“ファンクしてる”んです。
他には、カット・ケミストも好きです。『自分にはあそこまでできないな』って思うぐらい自由なところが理想ですよね。

-- ところで、初めて買ったレコードは?

RYUHEI THE MAN: 順序という意味では、子どものころに買った渡辺美里とかだと思うんですけど(笑)。あとCDだったら、イギリスのインディー・ロックが好きだった高校生のころに買ったストーン・ローゼズかもしれないです。でも、現在に至るルーツという意味では、スライ&ザ・ファミリーストーンの『暴動』ですね。それが19歳のときだったんですけど、ブラック・ミュージックに精通した友だちの影響で、その魅力に取り憑かれたんです。

-- 好きなブレイク・ビーツ・ネタを3つ教えてください。

RYUHEI THE MAN: ……難しいなぁ(笑)。まず、ジェイムス・ブラウンの“Funky Drummer”は入りますね。それから、ファンカデリックの“You’ll Like It To”。あのドラムのフィルからはいるブレイクがすごく好きです。僕は、ドラムスの跳ねてる感じが好きなんですよ。だからそういう意味では、ジェイムス・ブラウンの“Funky President”も外せない。あの曲をサンプリングした好きな曲が、たくさんありますしね。……ただ、好きなブレイク・ビーツは他にもたくさんありますから、この3曲だけに絞るわけにはいかないですね。

-- では、いま探している、いちばんレアなレコードは?

RYUHEI THE MAN: そこなんですよね、なにかなぁ……? というのも、もちろん古いものもいつも探してはいるんですけど、意識が変わってきたんですよね。探してたレアなものが見つかったとしても、高いお金を出してまで欲しいとは思わなくなったんです。もちろん安く見つけたとしたら絶対に欲しいです。お金は惜しむようになりましたが、とことん追いかける時間とマメな努力は惜しまないようになりました。安くていいものもたくさんありますし、安くていいにこしたことはないですよね。
もちろんレアでいいものもたくさんあるので、あえて探しているものを言うなら、USのサウス・カロライナにMusic World Recording Studioという伝説のスタジオがあって、そこでレコーディングされたファンクやソウルは本当に素晴らしい作品が多いのでずっと探しています。多分不可能ですが、気合いと執念でなんとか安く見つけたいです。

-- その考え方が、『Next Message From The Man』につながるわけですね。

RYUHEI THE MAN: そうなんです。僕が『Next Message From The Man』に入れてる新譜の現行ファンクっていうのは、60〜70年代のクオリティで、いま1000円ぐらいで7インチが中心なんですよ。そういうところに、このシリーズの価値があるのかなって。やっぱり、どのシーンを見ても新譜って大事だと思うんですよね。もし日本になくても、海外で検索すれば4〜5ドルぐらいで買えるものがほとんどなので。だから、古いのも掘るけど、新しいのも同じくらい力を入れて掘る、みたいな。視野を広く持ちたいというか。

-- プロデューサーとしてもファンク・バンドのQ.A.S.B.を手がけていらっしゃいますよね。

RYUHEI THE MAN: はい。前に彼らがライヴでベイブ・ルース“The Mexiacan”(レア・グルーヴの定番楽曲)のカヴァーをやってるのを聴いたときから、『絶対にかたちにした方がいいよ』って生意気ながら助言してたんです。そうしたら2年ぐらい経って、僕のプロデュースで7インチを出したいって連絡をいただいて。『ドラム・ブレイクからはじまったら、DJは使いやすいよ』とか、『ここにホーンを入れて、この楽器はいらない』とか、そういうアドバイス役みたいな感じですね。

-- 今後も彼らをプロデュースするんですか?

RYUHEI THE MAN: まだ名前は出せないんですけど、今年は某ヒップホップ・アーティストの曲をQ.A.S.B.さんで弾きなおす企画があります。コモンの“Take It EZ”に、有名な“Jazz Instrumental”っていうヴァージョンがあるじゃないですか。ああいう感じです。あるいは、スラム・ヴィレッジのエルザイがリリースしたナズ『Illmatic』のバックで演奏してるウィル・セッションズみたいな雰囲気というか。ヒップホップと生の音をおもしろくクロスオーヴァーさせられたらなーって思ってるんで、今年はたぶんそれをやると思います。で、それとは別にもしQ.A.S.B.さんがOKしてくれたら、すごくイケてるカヴァーとオリジナル曲のカップリングになった7インチは出してみたいですね。

-- プロデューサーとしての仕事に関してはどんな意識を持っていますか?それから、どんなことを目指していますか?

RYUHEI THE MAN: やっぱり、僕がDJとして養ってきたものを作品に反映させるっていうことがすべてのような気がします。だからプロデュースもどんどんやって、自分の作品も出していきたいです。ただ、どんどん時間は過ぎていくんで、やれるうちにやっておかないと(笑)。だからDJやミックスCDをやりつつ、プロデュースも力を入れてやっていきたいなって思いますね。目指しているのは、自分の頭にある理想を忠実にかたちにすることでしょうか。

-- 読者にメッセージをお願いします。

RYUHEI THE MAN: 「僕からの2013年のネクスト・メッセージを聴いて欲しいです。そして、心も体も踊っていただけたらうれしいです」


RYUHEI THE MAN 『Next Message From The Man 4』 [2013年02月13日 発売]

ザマン・イズ・アンストッパブル。ヴィンテージ感、ファット感、サンプリングネタ感、レアグルーヴ感がさらに増量した、シリーズ至上最も高カロリーな新作!出だしから容赦なく必殺レアグルーヴ・クラシックで幕を開けたかと思いきや、フリーク垂涎の未CD化/ プロモオンリーな超レア曲が立て続けに投下され、タイトなブレイクビーツに悶絶しているうちにドープ&バウンシーなファンクへ加速。スリリングなホーンと暴れドラムのドS グルーヴに汗だくになった所で、至極ナチュラルにクロスオーバーなハウス・トラックを織り交ぜる「これぞザマン節!」な展開は、もはや名人技。さらに畳みかけるダンサブルなディスコ〜ノーザン・ソウルで高揚感は最高潮へ達し、仕上げにスポーツ後のポカリスエットが如く爽快なソウル・チューンの数々…拘りの展開と格別のミックス・スキルに翻弄され続ける約70分間。今作もザマンは“攻め”の姿勢を緩めない!


収録曲

  • 01. Visioneers / Shaft In Africa (Addis)
  • 02. The Mighty Mocambos with Afrika Bambaataa, Charlie Funk & King Kamonzi / Zulu Walk Part 2 ※
  • 03. D.L a.k.a. Bobo James / Funk Bomb 2011 ※
  • 04. MURO /A Head Of The Game Part 1 ※
  • 05. Tom Middleton Presents The Chiswick Reach All Stars / Nutsin (Guynamukat-Dirty-Blaxploitation Funk Edit) ※
  • 06. Sugarman 3 / Funky So-And-So
  • 07. Sharon Jones & The Dap-Kings / Pick It Up Lay It In The Cut
  • 08. Third Coast Kings / Tonic Stride
  • 09. YOSUKE TOMINAGA / Magnetic ※
  • 10. Hypnotic Brass Ensemble / Starfighter
  • 11. Mountain Mocha Kilimanjaro / Stompin' Joe
  • 12. Q.A.S.B. + RYUHEI THE MAN / The Mexican Pt.2 ※
  • 13. Rhymester / K.U.F.U. (Instrumental) ※
  • 14. Orquesta De La Luz / LA PUERTA-Yukihiro Fukutomi Remix-
  • 15. Shuya Okino / Look Ahead(Shuya Okino Re-Edit) feat. N'Dea Davenport
  • 16. South Bronx Community Youth Project / Dance Freak ※
  • 17. The Super Phonics / Have A Good Time
  • 18. Willie West & The high Society Brothers / She's So Wise ※
  • 19. Myron & E / On Broadway ※
  • 20. Gizelle Smith /Jonny Part.2 ※
  • 21. Speedometer / Lover & A Friend feat. Ria Currie & Myles Sanko
  • 22. Al Supersonic & The Teenagers / Paint Yourself In The Corner ※
  • 23. Electric Empire / I Just Wanna Give It
  • 24. ROOT SOUL / My Dream Came True feat. Leon King
  • 25. As One / I Love You
  • 26. DJ Mitsu the Beats / Promise in Love feat. Jose James
 ※ 印は初CD化楽曲


【RYUHEI THE MAN プロフィール】


RYUHEI THE MAN
RYUHEI THE MAN
(universounds / The Man's World Productions)

90年代半ばよりレコード収集、執筆、DJ を中心とした音楽活動を始め、ファンク/ソウル/レアグルーヴ/ヒップ・ホップを中心としたジャンルを、都内で開催されているイヴェント『WAH WAH』『HONEY DRIPPIN'』『EXTRA EXTRA』などを中心に、都内、全国各地でプレイ。ジャンルと年代を完全に超えた幅広い選曲と安定したプレイには定評があり、オリジナリティーに溢れた黒いグルーヴを生み出すDJ の一人としてファンの絶大な支持を得ている。2001 年より国内外のトップ・DJ、コレクターも絶大な信頼をよせるレコード・ショップuniversounds (www.universounds.net)を主宰、ブラック・ミュージック全般にわたる豊富な知識をいかんなく発揮している。02 年にはDEV LARGE 氏らとMIX TAPE 『BROTHERS ON THE RUN』を、03 年にはDJ SHADOW によるアルバム『THE PRIVATE REPRESS』において日本人代表として参加。04、06、07、10 年にはソロMIX CD 『A MESSAGE FROM THE MAN 1/2/3/4』をリリース。その品質の高さで国内外問わず話題をさらった。05 年には国内初となるFUNK の7インチのみによるディスク・ガイド『FUNK 45's』に筆者として参加。09 年にはレアグルーヴのバイブルとなるディスク・ガイド『Rare Groove A to Z』に筆者として参加。同年には自身のキャリア初となるオフィシャルMIX CD 『NEXT MESSAGE FROM THE MAN』をリリース。最近では、MURO 氏& KING INC.主宰によるブログ集合体KING INC. BLOGにメンバーとして参加、シーンの活性化にも貢献。 更に、国内ミュージック・フェスティバルの最高峰、フジ・ロック・フェスティバル '10 にDJ として出演。また、ファン待望のオフィシャル・ミックスCD 第二弾となる『NEXT MESSAGE FROM THE MAN 2』をリリース。2011年にはKASHI DA HANDSOME 氏とミックスCD 『SOUNDTRACK TO THE STREETS』をリリースし、KGE the shadowmen 「Stay Stoned Pt.2」で遂にプロデューサーとしてデビューを果たす。2012 年2 月には、自身初のバンド・プロデューサーとしてのデビュー作、Q.A.S.B. 「The Mexican」を収録した、オフィシャル・ミックスCD の第三弾となる『NEXT MESSAGE FROM THE MAN 3』をリリース。 レコード・ショップ・オーナー、DJ、プロデューサー、執筆と多方面で幅広い活躍を見せている。

[関連リンク]
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