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【連載コラム】Akira Kosemura 『細い糸に縋るように』 第43回 細い糸に縋るように Akira Kosemuraへ戻る

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2013年2月14日 (木)

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[小瀬村 晶 / AKIRA KOSEMURA]

1985年生まれ、東京出身の作曲家・音楽プロデューサー。
作曲家として国内外の音楽レーベルからコンスタントに作品を発表する一方、企業広告や、アパレルブランド、公共施設、舞台、映画、TV、ウェブコンテンツなど、特定の分野に限定されることなく様々なコラボレーションを行っている。
今年に入ってからは、コンテンポラリーバレエ公演「MANON」の劇伴、東京スカイツリータウン(一部施設)の音楽や、ドキュメンタリー映画「はじまりの島」エンディングテーマ、「ANA Lounge」の音楽監修などを担当。
コンサート活動にも定評があり、これまでに「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」、「中州ジャズフェスティバル」への出演や、自身のピアノ演奏による全国ツアー / 中国ツアーも成功させている。
また、作曲家のみならず、2007年にSCHOLE INC.を設立、プロデューサーとして音楽レーベル「schole」を運営、数多くの作品に携わっている。




寒い日が続いていますねぇ。
久しぶりに東京であんなに雪が積もるなんてことがあって、ぶるぶると震えながら自宅前の雪掻きをするという、ほとんど初めてに近い体験をしましたが、皆さんはどうですか?雪、好きですか?
言っても、雪国の方々からすれば、その程度でなにを言っているんだ!甘い、甘いぞ!と思われてしまいそうですが、やかんに何杯もお湯を湧かして、道が凍らないようにそれを掛けながら雪掻きをし続けるというのはけっこうハードで、仕事終わりに自宅に帰ってきて、さらにこんな苦行が待ち受けていようとは・・・と危うく雪が嫌いになりかけました。
ただ、その苦行を行いながら、心の内で心底、雪国の方々はなんとたくましい生活をされているのだろう、これが生活力というものなのか!とすっかり感心してしまいました。だってこれを冬の間中、毎日やっているわけですから、本当に凄いなぁと・・・
正直、僕はまだまだペーペーでした。雪掻きも嫁のほうがテキパキやっていて、自分の生活力のなさにほとほと嫌気がさしました。
とはいえ、他の住民方は特に気にしていないのか、まったく雪掻きなどしていなくて、あれやこれやという間に我が家の前だけすっかり雪がなくなって、これでなんとか自宅前で滑って転んで・・・という惨事にはならずにすみそうだなと思った矢先、大雪から二日ほど経った晩だったでしょうか、仕事から帰ってくると、なんと住民方の自宅前の雪がすべて綺麗になくなっているではありませんか!これは何事かと思ったのですが、すぐにピンときました。
ああ、管理会社が掃除にきたのか・・・
なんかちょっと雪掻き損をした気分になりましたが、まあなんでも人に頼るのは良くないと思うので、たくましい嫁がいてくれて本当に良かったなぁと心から思いました。(おいおい・・・)

最近はというと、そんな寒い日を尻目に、僕はせっせと春先に発表するScholeのコンピレーションアルバムを作り続けていました。それもようやく完成間近で、僕の心はすでに春一色!なわけですが、なかなか世界が僕に追いついてこられないようで、まだ時折、雪が降ったりしていますね。ほとほと疲れます。
雪のことはひとまず置いておいて、この作品は、Schole設立五周年を記念したコンピレーションアルバムなんですが、発足時に発表した「Schole Compilation vol.1」(2007年)、「Note of Seconds – Schole Compilation vol.2 -」(2010年)に続いての第三作目になるわけです。
五周年ということで去年はフランスからQuentin Sirjacqを呼んでショーケースを行ったり、レーベルのオフィシャルカタログを作ったりしていましたが、その集大成になるであろうこの作品「Joy – Schole Compilation vol.3 -」がようやく3月15日に発売になります。
僕のなかではまさにオールスターアルバム!でして、Scholeから作品を発表している方々を中心に、ゲストあり、特別ユニットあり、Schole往年のナンバーのカバーあり、そして書き下ろし楽曲・未発表楽曲のみで構成されているという、超が付くほどの豪華な作品に仕上がっているわけです。
もちろんそれだけではなくて、一枚の作品(全13曲・60分)を通して、あっちへいったりこっちへいったりということのないように、起承転結、その作品構成にも熱が入っております。その辺りはじっくり聴いて頂いて、その世界観にどっぷり浸かってもらえたらなぁと思います。
いや、本当にScholeっていいな、やってきて良かったな、心からそう思える作品に仕上がっているので、ぜひご期待頂ければ、きっと損はさせません。
Scholeは元々コンピレーションアルバムから始まっているということもあり、初めてのコンピレーションアルバムがCDとして出来上がったとき、一人その音楽を持ち歩いて、世田谷の砧公園を散歩したときのことがいまでも鮮明に思い起こされます。あの時の、自分達が初めてひとつのものを形にできたときの喜びというのは、一生忘れがたいものだなぁと思いますし、その心を忘れてはいけないなぁとも思います。
もの作りの精神というのは、なにかを作ることが特別大事なのではなくて、なにかを作り上げた時の心の喜び、そこにこそ大きな価値があるような気がします。
今回のテーマが「Joy」ということもありますが、音楽が持つポジティブなパワー、この作品の持つエネルギーが多くの方に連鎖して、なにかより良い世界が生まれていく、ちょっと大げさかもしれないけれど、そんなことを想像しながら作り上げてきた作品です。
ぜひご期待ください!


  http://www.akirakosemura.com/
  http://www.scholecultures.net/





Akira Kosemura 今月のオススメ

Antony & The Johnsons 『Crying Light』  [2009年01月23日 発売]

「初めて彼の歌を聴いたとき、私は自分が天使の前にいるのだと分かった」
ルー・リード世界中に感動の渦を巻き起こした前作『アイ・アム・ア・バード・ナウ』から4年、想像を遥かに超える素晴らしいアルバムを携えてアントニー・アンド・ザ・ジョンソンズが戻って来た!ビョークの最新アルバム『ヴォルタ』(2007) に参加、ルーファス・ウェインライト、マーク・アーモンド、マリアンヌ・フェイスフル等の新作、さらにはボブ・ディランの伝記映画『アイム・ノット・ゼア』のサウンドトラックに参加。プラダの制作によるアニメーションに書き下ろし曲を提供し、グッチ、ヴェルサーチ、フェンディ、シャネルなどのコレクション会場の楽曲使用も高くまた、5曲入りEP『Another World』同様、本作のジャケットを飾るのは、アントニーがこよなく敬愛する日本の舞踏家、大野一雄のモノクロ写真である。
(レビューより)






Akira Kosemura 最新作

Akira Kosemura 『Duo』  [2013年02月04日 発売]

小瀬村晶によるライブ音源を収録したコンサートシングル。 ヴァイオリニストに白澤美佳を迎えて、ピアノとヴァイオリンというデュオ編成によるシンプルでありながらも一体感のある演奏の躍動感をそのままに収録。

【収録曲】
01. hope(2011.07.03 新宿文化センター)
02. gray(2011.07.03 新宿文化センター)
03. light dance(2010.07.03 大倉山記念館)
04. imagery(2011.07.03 新宿文化センター)
※ 「hope」「imagery」は今回が初のCD化となります。



schole 最新作

『Joy -Schole Compilation Vol.3』  [2013年03月15日 発売]

音楽レーベル「schole」発足から五周年を記念したサード・コンピレーションアルバム。
schole ゆかりの音楽家による書き下ろし楽曲、全13 曲を収録。

ファースト・コンピレーション『schole compilation vol.1』(※廃盤)、大ヒットを記録し現在もなおセールスを続けるレーベルを代表する作品となったセカンド・コンピレーション『note of seconds - schole compilation vol.2 -』に続いて、サード・コンピレーションとなる『Joy - schole compilation vol.3 -』を発表します。
本作は、これまで schole と交流のある音楽家が一同に介し、「Joy」というテーマのもとで書き下ろし楽曲を提供した作品です。しかし、出来上がった作品からは、参加ミュージシャンそれぞれが「喜 びを感じる心」に向き合ったかのような、様々な感情が連想される特別な一枚となりました。 また、ソロ楽曲だけでなく、本作だけのエクスクルーシヴなコラボレーションやカバーアレンジなど、これまでの schole 作品をしっかりと汲み取りながらも、レーベルとしてのこれからを大いに期待させる作品に仕上がっています。
一枚の作品として、60 分間を通して、この schole というレーベルでなければ作り上げることのできない無二の世界を心ゆくまで感じ取って頂けたら幸いです。



次回へ続く…(3/11更新予定)。






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