有名曲によるオルガン変奏曲集 SACDニュースへ戻る

2013年5月21日 (火)

アメリカのオルガン変奏曲集
ルドルフ・インニヒ

MDGレーベルで数多くのオルガン・レパートリーを録音してきたドイツのオルガニスト、ルドルフ・インニヒ（イニッヒとも）による変奏曲アルバムがハイブリッドSACDで登場。オルガン好きには嬉しいマルチチャンネル音声も収録されています。

【オルガンで奏でられる有名旋律】
アルバム・タイトルの「ヴァリエーションズ・オン・アメリカ」に示される通り、アメリカの作曲家による変奏曲を中心に収録。
　ロッシーニの『ウィリアム・テル』序曲と、『星条旗よ永遠なれ』を扱ったダドリー・バック[1839-1909]は、コネチカット州出身の作曲家。ライプツィヒ、ドレスデン、パリで研鑽を積み、シカゴ、ボストンでオルガニストとしても活躍しました。
　親しみやすい小品『夢』は、マサチューセッツ州出身の作曲家、ホレイショ・パーカー[1863-1919]によるもの。パーカーはアイヴズの師としても知られています。
　そのチャールズ・アイヴズ[1874-1954]による『《アメリカ》の主題による変奏曲』は、英国国歌「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」をもとに書かれたものながら、なぜかアメリカと命名された作品で、ウィリアム・シューマン編曲のオーケストラ版でも有名ですが、原曲はこのオルガン・ヴァージョンとなります。
　ワーグナーの『ワルキューレ』の中の『魔の炎の音楽』を変容させたジェイムズ・H・ロジャーズ[1813-1937]はコネチカットの生まれで、クリーヴランドで音楽家としてのキャリアを確立。５５０以上の作品を書き、その多くはオルガンのための作品ともいわれています。
　最後はガーシュウィンの『ラプソディ・イン・ブルー』を、ルドルフ・インニヒ自身が編曲・演奏したもので、多彩な音色を駆使したサウンドが聴きものとなっています。
　使用楽器は、アメリカのマサチューセッツにあるマスアン・メモリアル・ミュージック・ホールの1863年製のオルガン。素晴らしく壮麗なサウンドを持つロマンティック・オルガンの傑作です。（ＨＭＶ）

【収録情報】
・バック：ロッシーニの『ウィリアム・テル序曲』 Op.37
・バック：『星条旗よ永遠なれ』に基づく演奏会用変奏曲 Op.23
・パーカー：夢 Op.66-2
・アイヴズ：『アメリカ』の主題による変奏曲
・ワーグナー／ロジャーズ編：『魔の炎』
・ガーシュウィン／イニッヒ編：ラプソディ・イン・ブルー

　ルドルフ・インニヒ（オルガン）

　録音時期：2012年10月
　録音場所：マサチューセッツ州、マスアン・メモリアル・ミュージック・ホール
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）
　SACD Hybrid
　CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND