ジャズ-ヒップホップ共闘にこの人アリ
Monday, May 27th 2013
彼こそがゼロ年代以降の”ヒップホップ共闘型”ジャズ・ピアニストの先駆け！
マーク・キャリー待望の新録は、何と! キャリア初のソロピアノ作
マーク・キャリーというアフロアメリカン・ピアニストをご存知だというアナタ。
アナタ、中々いいジャズの選球眼を持っていらっしゃる！
昨今、ビート革命との共闘でニューヨーク・ジャズ・シーンのド真ん中にて目ざましい活躍を見せているブラック・ジャズ維新軍。言わずもがなのロバート・グラスパー・エクスペリメント、ケンドリック・スコット・オラクル、エスペランザ・スポルディング・ラジオ・ミュージック・ソサエティ、またはクリスチャン・スコット、ニコラス・ペイトンらが、同世代のヒップホップ／R&Bアクトと数多ハングアウトしながらジャズの荒野を突き進む。
ジャズを超え、ヒップホップを超え、アフロセントリック・ミュージックの桃源郷を目指す彼らの姿にこそ、あるべき新時代・新世紀のフォークロアがあるのだろうと。とまれ、そのすさまじい快進撃は今じゃニューヨーク・ジャズ横丁のランドマークになっていると言ってももはやコケオドシではありません。
このマーク・キャリー。ゼロ年代以降にわかに注目を集め始めたヒップホップ／R&B共闘型ジャズ・ピアニスト、そのフロントランナーとして当時ちょっとした旋風を巻き起こした、ニューヨーク・シーンの顔役なのであります。
1967年ニューヨーク生まれ・ワシントンDC育ち。世代的には、グラスパー、ケンドリック、クリスチャン・マクブライドらよりやや上。80年代に“新主流派”としてメインストリームを牽引したマルサリス兄弟やテレンス・ブランチャードらのやや下、というブラック・ブラザー両世代のちょうどニュートラルに位置する、まさに90年代ジャズの変革期と東海岸ヒップホップの興隆・栄華をリアルに体験してきたエクレクティク世代。
バックショット・ルフォンク、Impulse!の「Red Hot」コラボ企画、スパイク・リー監督映画「クルックリン」など、ジャズとヒップホップの蜜月が決定的な時代のハイライトとして提示されたシーズンを経て、マーク・キャリー、はたまたロイ・ハーグローヴといったジャズ・ミュージシャンが、ゼロ年代のアフロアメリカンとしてあるべきジャズの扉を颯爽と開けていったのでした。それから10年･･･
『For The Love Of Abbey』 収録曲
- 01. Music Is The Magic (3:19)
- 02. Down Here Below (6:34)
- 03. Melancholia (4:26)
- 04. For Moseka (3:14)
- 05. Who Used To Dance (2:53)
- 06. Should've Been (5:14)
- 07. My Love is You (4:45)
- 08. Love Evolves (3:34)
- 09. Throw It Away (5:54)
- 10. Another World (7:21)
- 11. When I'm Called Home (5:53)
- 12. Conversation With a Baby (4:36)
- 13. Transmutate (0:54)
- 14. Down Here Below The Horizon (7:02)
Marc Cary （p）
このたび登場するマーク・キャリーのスタジオ作としては実に7年ぶりの新録アルバムは、数年前、突発的にギグ用編隊された「マーク・キャリーズ・ヒップホップ・エクスペリメント」のようなイマドキのヒップホップ／R&B勢との派手なスクラムこそないものの、「キャリア初のソロピアノ」作品、さらには尊き師でもあるアビー・リンカーン（2010年没）に捧げた一枚として、彼のキャリアを知る人たちにとってはおもむろに“瞠目すべき”内容になったと言えるのではないでしょうか。
振り返れば、ディジー・ガレスピーの薫陶を受けたデューク・エリントン芸術学校時代。その後80年代末には、ベティ・カーターの歌判バンドに入閣。90年代初頭のレコーディング・デビュー以降も、シャーリー・ホーン、ステフォン・ハリス、ラッセル・ガン、ロイ・ハーグローヴ（RHファクター）、そしてQティップ、モス・デフ、フォンテ、エリカ・バドゥらといった同胞ブラザーたちとの共演を重ねてきたマーク・キャリー。
「モス・デフがジャズ・ピアノ・アルバムを出したのか!?」とニューヨーカーを慄かせた1995年のリーダー・デビュー作『Cary On』、新時代のブラック・スピリチュアルが美しく咲き展く万華鏡『The Antidote』、『Abstrakt/Black』、ピリッと辛口のピアノトリオ・アルバムとなった『Trillium』、『Focus』といった諸作品、さらにはティップのジャズ・プロジェクト＝カマール・ジ・アブストラクト『The Renaissance』への参加などで、ジャズ、ヒップホップの垣根を越えながら、しかしその一方ではジャズの歴史ともしっかり対峙。一心に“ブラック・ミュージックの未来”というものだけに目を向けていた彼だからこそ、「アビー・リンカーンに捧げたソロピアノ」という本テーマには、これまで以上に強く、そのアフロ・アメリカンとしての意識の高さが窺えるのだなと。
アビー・リンカーンが、晩年何度目かの黄金期を迎えたヴァーヴ時代の『Who Used To Dance』、『Wholly Earth』にマーク・キャリーはピアニストとして抜擢されています。まだまだ駆け出しと言ってもよい時期の1997、98年のレコーディング。折りしも、スタン・ゲッツ、パット・メセニーとの共演アルバムやスパイク・リー映画「モ’ベター・ブルース」への出演など、アビーはブラック・ディーヴァ（元祖プロテスト・ジャズの歌姫）としての力強さと凛々しさを完全に取り戻していた時期。マークにとって彼女の唄、ポエトリー・リーディング、ピアノ、ひいては存在そのものが、「アフロ・アメリカンとしてのジャズ」「黒人らしさ」というものを如実に体現するアイコンであり、神々しいほどの大師範であったに違いありません。
今回のソロピアノ作『For The Love Of Abbey』では、そんな在りし日のアビーとのレミニッセンスを手繰り寄せる『Who Used To Dance』、『Wholly Earth』、そして生前最後のアルバムとなった『Abbey Sings Abbey』からの楽曲が主に採り上げられており、50〜60年代におけるいわゆる彼女の代名詞的な楽曲は収められていません。ゆえに、軽薄なデディケートとは一線を画する、マーク・キャリーの深い敬愛ぶりが伝わってくると言っても過言ではないでしょう。アビーの本名「アミナタ・モセカ」にちなんだ「For Moseka」など、オリジナル・コンポジションを交えつつ全14曲。
レコーディング・デビューから約12年。そろそろ中堅の域にさしかかってきたマーク・キャリーは、先だっても、デヴィッド・マレイのインフィニティ・カルテットによる新作『Be My Monster Love』、オリヴァー・レイク『Wheels』、ウィル・カルホーン『Life In This World』などへのサイド参加で、強く美しく幽玄できらびやかなタッチで我々を酔わせてくれたばかり。これからさらに脂が乗ってくることを思えば、リーダー・レコーディングの機会をもっと与えてしかるべきだろうと、いちファンとしては歯がゆいのもたしか。
多様な顔を持つ現代ニューヨーク・ジャズのメインストリーム。返す返すも、ジャズ、ヒップホップの垣根を越えながら、重厚な歴史を持つアフロセントリック・ミュージックの未来を見据える彼らブラック・ジャズ維新軍の動きから全くもって目が離せません。
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Modern JazzLatest Items / Tickets Information
for Bronze / Gold / Platinum Stage.
初のソロピアノ作はアビー・リンカーン・デディケート
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For The Love Of Abbey
Marc Cary
Price (tax incl.):
¥2,420
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(tax incl.):
¥2,105
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Arrival Pending
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Import Rhodes Ahead
Marc Cary
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(tax incl.): ¥2,767Release Date:05/February/2000
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デヴィッド・マレイ・インフィニティ・カルテットに参加
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Be My Monster Love
David Murray
Price (tax incl.): ¥2,409
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こちらにも参加してますヨ！
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サイド参加こちらもチェック!
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サイド参加のアビー・リンカーン作品＋＠
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