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2013年6月19日 (水)


ヘンツェ/DG録音全集(16CD)

ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ[1926-2012]は、伝統的な様式と前衛的な手法を巧みに融合、オペラやバレエのほか、交響曲、映画音楽といった音楽により、20世紀の作品ながら、多くの聴衆を獲得したことでも知られていました。
 そうした人気と、指揮者としての優れた技量もあって、ヘンツェは1960年代なかばからドイツ・グラモフォンに、自身の指揮で交響曲など自作のレコーディングを開始し、数多くのアルバムを制作していました。
 当セットには、そのレコーディングすべてのほか、ザッハーやナッセン、アバド、ドホナーニといった他のアーティストたちによるヘンツェ作品音源も多数収録し、現時点でのドイツ・グラモフォン(デッカ含む)のヘンツェ録音全集といった内容になっています。

【ヘンツェ・プロフィール】
戦前
現代作曲界の重鎮ハンス・ヴェルナー・ヘンツェは、1926年7月1日、ドイツ北西部、ノルトライン=ヴェストファーレン州のギュータースローに生まれています。幼少から音楽とアートに強い関心を示していたヘンツェは、1942年、16歳からブラウンシュヴァイクの音楽学校で、ピアノと打楽器、音楽理論を学びますが、翌年、兵役のため東部戦線に送られ、その後、通信兵としてイギリス軍の捕虜となり終戦を迎えています。

戦後
終戦後、ビーレフェルトの劇場でコレペティトゥーアの職を得たヘンツェは、ハイデルベルクの教会音楽学校で音楽理論の研究もおこなっています。その師は、かつてヘンツェが所属していたヒトラー・ユーゲントのオーケストラの指揮者でもあった作曲家のヴォルフガング・フォルトナーでした。
 戦前にはフォルトナーの講義は「文化ボルシェヴィズム」と攻撃された種類のものでもありましたが、戦時中は徴兵されて衛生兵として軍務に就き、戦後は本来のスタンスで活動を再開、ダルムシュタットでも活躍、数多くの作曲家に影響を与えており、ヘンツェのほか、ヴォルフガング・リーム、ハンス・ツェンダー、ベルント・アロイス・ツィンマーマンといった錚々たる面々を育てています。
 ヘンツェはこのフォルトナーのほか、パリでルネ・レイボヴィッツに十二音技法を師事するなどしており、この時期の作品としては、1947年に初演された交響曲第1番とヴァイオリン協奏曲第1番、弦楽四重奏曲第1番、1948年のオペラ『不思議な劇場』、1949年の交響曲第2番とバレエ変奏曲、1950年の交響曲第3番とピアノ協奏曲第1番がありました。
 同年、ヘンツェは、ヴィースバーデンのヘッセン国立劇場バレー団の指揮者兼音楽監督に就任、1951年にオペラ『孤独大通り』とバレー『ラビリントス』、1952年にバレエ『愚か者』などを発表していました。
 さらにヘンツェは、ダルムシュタットでも新進作曲家として脚光を浴び、ケルン音楽大学で音楽劇を教えるなどしましたが、やがて左翼思想の影響を受けて実際に政治的な作品なども手がけ、さらに同性愛者であったこともあり、当時、連合軍支配下にあったドイツでは活動がしにくくなってきます。

イタリア移住
そうした背景もあって、1953年には、その後の人生のほとんどを過ごすこととなるイタリアに移住し、少し前に書いていたカフカ原作のラジオ・オペラ、『村の医者』により、イタリア放送協会のイタリア賞を獲得。
 ヘンツェがまず移り住んだのは、温暖なナポリ湾のイスキア島でした。この地でオペラ『鹿の王』(1955)、バレエ『マラソン』(1956)、バレエ『ウンディーネ』(1957 チェリビダッケ初演)、オペラ『公子ホムブルク』(1958)、バレエ『皇帝のナイチンゲール』(1959)などを作曲、作風を幅広いものに拡大して行きました。
 1961年には、ローマ近郊の小さな町、マリーノに転居、新古典的で自由な作風の『若き恋人たちのエレジー』(1961) のほか、アラン・レネ監督の映画『ミュリエル』のための音楽、オペラ『若き貴族』(1964)、オペラ『バッカスの巫女』(1965)などを作曲しています。

政治と音楽、キューバ滞在
ベトナム戦争の激化にともない、反戦運動が世界的に盛り上がった1960年代後半から1970年代にかけては、戦争や政治に関するメッセージ性を持った作品が多くなり、1969年から1970年にはキューバのハバナに滞在して研究・創作や教育活動に当たるなどしていました。  この頃の作品では、シュレンドルフ監督の反戦映画『テルレスの青春』(1966)のために書いた音楽の中の「弦楽のためのファンタジア」が、大ヒット映画『エクソシスト』のエンド・タイトルに転用されて一躍有名になっており、その他、チェ・ゲバラの思い出に捧げられたオラトリオ『メドゥーサの筏』(1970)、キューバ人奴隷の一生を描いた『エル・シマロン(逃亡奴隷)』(1970)、シュレンドルフ監督の反戦映画『カタリーナ・ブルームの失われた名誉』(1975)、ピアノ協奏曲第2番(1967)、声楽曲『逃亡奴隷』(1976)、交響曲第6番(1971)、刑務所の歌(1971)、ガストン・サルバトーレの詩による『ナターシャ・ウンゲホイエル家への険しい道のり』(1971)などといった話題作が発表されています。

1970年代
1970年代、ライヴ・エレクトロニクスの手法に関心を持ったヘンツェは、ヴァイオリン協奏曲第2番(1971)、ピアノ協奏曲『トリスタン』(1973)などをテープも交えて作曲したほか、オペラ『我々は川に来た』(1976)、弦楽四重奏曲第3〜5番 (1976〜77)、ヴィオラ・ソナタ(1979)、王宮の冬の音楽(1976,79)などを作曲。
 1975年には、英国ロイヤル音楽アカデミー名誉会員となっています。

1980年代
三島由紀夫「午後の曳航」によるオペラ『裏切られた海』(1989)、児童オペラ『おやゆびこぞう』(1980)、オペラ『イギリスの猫』(1983)、バレエ『オルフェウス』(1986)、交響曲第7番(1984)などを作曲したほか、1981年にはモンテヴェルディ『ウリッセの帰還』の編曲もおこなっていました。
 1980年にケルン音楽大学作曲科教授に就任し、1987年には英国ロイヤル音楽アカデミーの作曲科教授にも就任、さらに翌年、ミュンヘン・ビエンナーレを創設して芸術監督となっています。

1990年代
ピアノ五重奏曲(1991)、レクィエム(1993)、交響曲第8番(1993)、オペラ『ヴィーナスとアドニス』(1995)、ヴァイオリン協奏曲第3番(1996)、交響曲第9番(1997)などを作曲。
 1991年、ベルリン・フィルハーモニーのコンポーザー・イン・レジデンスに任命。

晩年
交響曲第10番(2000)、侵略交響曲『マラトンの墓の上で』(2001)、オペラ『ヤツガシラと息子の愛の勝利』(2003)、『夢の中のセバスチャン』(2005)、オペラ『フェードラ』(2007)などを作曲したほか、三島由紀夫の「午後の曳航」によるオペラ『裏切られた海』を、ゲルト・アルブレヒトの提案によりあらためて日本語のオペラとして改作、2003年に読響の定期で初演し、その後、ザルツブルク音楽祭でも演奏会形式で上演されていました。
 2007年、40年以上に渡るパートナーであったファウスト・モローニが癌のため死去。2012年10月27日、ザクセン州ドレスデンの病院で亡くなられました。(HMV)

【収録情報】
Disc1
ヘンツェ:
・交響曲第1番(1947/室内管弦楽団のための新版、1963)
・交響曲第5番(1962)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音:1965年

・交響曲第6番(1969)
 ロンドン交響楽団
 録音:1972年

 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)

Disc2
・交響曲第2番(1949)
・交響曲第3番(1949-50)
・交響曲第4番(1955)

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1965年

Disc3
・弦楽のためのソナタ
・オーボエ、ハープと弦楽のための二重協奏曲(1966)
・弦楽のための幻想曲

 ハインツ・ホリガー(オーボエ)
 ウルスラ・ホリガー(ハープ)
 チューリッヒ・コレギウム・ムジクム
 パウル・ザッハー(指揮)
 録音:1968年

Disc4
・ヴァイオリン協奏曲第1番(1947)
・西風へのオード−チェロと管弦楽のための音楽 (1953)
 ヴォルフガング・シュナイダーハン(ヴァイオリン)
 ジークフリート・パルム(チェロ)
 バイエルン放送交響楽団
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1968年

・コントラバス協奏曲(1966)
 ゲリー・カー(コントラバス)
 イギリス室内管弦楽団
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1969年

Disc5
・ピアノ協奏曲第2番

 クリストフ・エッシェンバッハ(ピアノ)
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1970年

Disc6
・『トリスタン』−ピアノ、テープと管弦楽のためのプレリュード(1973)
 オメロ・フランセシュ(ピアノ)
 ケルン放送交響楽団
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1975年

・バレエ・ヴァリエーション(1949)〜第5曲/第4曲
 ベルリンRIAS交響楽団
 フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
 録音:1949年(モノラル)

・ギターのための3つのティエント
 ジークフリート・ベーレント(ギター)
 録音:1968年

Disc7
・5つのナポリ民謡(1956)
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団員
 リヒャルト・クラウス(指揮)
 録音:1956年(モノラル)

・カンタータ『天国のささやき』(1948)
・『美しくあること』(1963)
 エッダ・モーザー(ソプラノ)
 RIAS室内合唱団
 ベルリン・フィルハーモニー室内管弦楽団
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1967年

・ガストン・サルヴァトーレの詩による『豚についての習作』(1968)
 ロイ・ハート(語り)
 フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル
 イギリス室内管弦楽団
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1969年

Disc8
・『終末の寓話のカンタータ』
 エッダ・モーザー(ソプラノ)
 RIAS室内合唱団
 ベルリン・フィルハーモニー室内管弦楽団
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1967年

・シチリアのミューズたち(1966)
 ヨゼフ・ロリノ(ピアノ)
 パウル・ゼフテル(ピアノ)
 ドレスデン聖十字架合唱団
 シュターツカペレ・ドレスデン・アンサンブル
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1966年

・道徳〜3つの劇的カンタータ(1967)
 フリーデマン・ヤッケル(ソプラノ)
 ティトゥス・パスピルギリス(コントラルト)
 ディーター・レッフェラー(コントラルト)
 フリーダー・ラング(テノール)
 アンドレアス・シーブナー(バリトン)
 コルネリウス・シュヴァルツ(語り)
 ドレスデン聖十字架合唱団
 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1966年

Disc9
・オラトリオ『メデューサの筏』

 エッダ・モーザー(ソプラノ)
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、他
 RIAS室内合唱団
 北ドイツ放送交響楽団&合唱団
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1968年

Disc10
・『逃亡奴隷〜エステバン=モンテホの自叙伝』(1969-70)

 ウィリアム・ピアソン(バリトン)
 カールハインツ・ツェラー(フルート)
 レオ・ブローウェル(ギター)
 ツトム・ヤマシタ(打楽器)
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1970年

Disc11
・『ナターシャ=ウンゲホイエルの家への険しい道のり』

 ウィリアム・ピアソン(バリトン)
 ガストン・サルヴァトーレ(声)
 ツトム・ヤマシタ(打楽器)
 ジュゼッペ・アゴスティーニ(ハモンド・オルガン)
 ファイア・オブ・ロンドン
 フィリップ・ジョーンズ・ブラス・クインテット
 ギュンター・ハンペル・フリー・ジャズ・アンサンブル、他
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮、声)
 録音:1971年

Disc12
・歌劇『若い恋人たちへのエレジー』からの場面集

 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
 キャスリーン・ゲイヤー(ソプラノ)
 リアーネ・ドゥビン(ソプラノ)
 マルタ・メードル(アルト)
 トマス・ヘムスリー(バリトン)
 ローレン・ドリスコル(テノール)
 ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
 ベルリン放送交響楽団員
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)
 録音:1963年

Disc13-14
・歌劇『若き貴族』全曲

 エディト・マティス(ソプラノ)
 イヴァン・サルディ(バス)
 ドナルド・グローブ(テノール)
 パトリシア・ジョンソン(コントラルト)
 ギュンター・トレプトウ(テノール)、他
 シェーネベルク少年合唱団
 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団
 クリストフ・フォン・ドホナーニ(指揮)
 録音:1967年

Disc15-16
・バレエ音楽『オンディーヌ』
 ピーター・ドノホー(ピアノ)
 ロンドン・シンフォニエッタ
 オリヴァー・ナッセン(指揮)
 録音:1996年

・歌劇『孤独大通り』〜間奏曲集
・歌劇『バッカスの巫女』〜狂乱の狩
 グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)
 録音:1992年

・無伴奏チェロのためのカプリッチョ
 マット・ハイモヴィッツ(チェロ)
 録音:1994年

・8本の金管楽器のためのソナタ(1981)
 ベルリン・フィルハーモニー・ブラス・アンサンブル
 録音:1997年
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ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ/DG録音全集(16CD)

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ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ/DG録音全集(16CD)

ヘンツェ、ハンス・ヴェルナー(1926-2012)

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発売日:2013年07月30日
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