【特集】 MC.sirafu （ザ・なつやすみバンド、片想い、うつくしきひかり、cero特殊サポーター...）

2013年7月2日 (火)

※ スマホでご覧の皆様、ごめんなさい！PCで拡大してご覧下さい！

■「MC.sirafu 参加作品は全部ヤバい！」

誰が言い出したかは知らないが、ここ数年、一部の音楽好きはみんな言ってる

「MC.sirafu 参加作品は全部ヤバい！」

CD買って「いい作品だな～」とか思って、クレジット見ると大体発見してしまうその男。
代表的なところでは、「cero」の特殊サポーターとして、作品でもライブでもスティールパンを叩いたり、ラッパを吹いたりしている、あの男です。
昨年リリースした『TNB!』が東京インディーヘッズの間でめちゃめちゃ評判が良い、「ザ・なつやすみバンド」も彼が所属するバンド。さらにライブに良く足を運んでいる方なら、「片想い」「うつくしきひかり」と言ったバンド名にも聞き覚えがあるのでは？
「ザ・なつやすみバンド」は7/3に短冊シングル！を、「片想い」は8/7に「cero」と同様カクバリズムより遂にCDをリリースするので、要チェックです！

それじゃ、「MC.sirafu って何者？」と思って、ググってみても、なんだかわかるようなわからないような....

そこで、今回は本人に直接コンタクトを取って、2つの企画をお願いしてみました。

1つ目は「HMV 音楽履歴書」
彼のこれまでの音楽経歴が知りたくて、履歴書風フォーマット送りつけたら、たった1日で上記の履歴書が郵送されてきました。ブラバン⇒中日ドラゴンズの応援団⇒打ち込み⇒片想い...
少々読みづらいかもしれませんが、クリックすると画像拡大して見れるのでPCで楽しんで貰えるといいかと思います。

2つ目は「MC.sirafu 想い出の参加作（自作含む）」
参加作品が多い上に、これまでの参加作品がまとまっているサイトもなさそうなので、彼の参加作品の中で想い出に残っている作品を20枚、コメント付きで紹介してもらいました。

どうぞ、お楽しみ下さい。

MC.sirafu 想い出の参加作（自作含む）

アナホールクラブバンド「ホノボノサイケリング」

武蔵野天才音楽集団とんちれこーどの第一作にして、ホライズン山下宅配便、片想いの天才伴瀬朝彦率いるリーダーバンドの初プレス作。個人的に人生初プレス作でもある。MC.sirafuメンバー時の貴重な音源。録音もMC.sirafu。

ホライズン山下宅配便「割れ割れみなかーにばる」

チャラいロックキッズから音楽界の才人達まで、すべてのリスナーを唸らせる孤高のロックバンド、ホライズン山下宅配便の黒岡伴瀬2人時代の作品。実はこの作品はレコーディング禁止のスタジオで録音されており、そのためレコーディング中は入り口に見張りを立てるという、特殊な方法で行われた。

「桜コンピ。」

T３　CERO/うららなんとユニバーサルのコンピ。ceroに特殊サポーターとして参加するより前の、ceroと初めての共演作。このレコーディングであだち麗三郎とも出会った。そして秀曲。すべてが動き出した記念すべき録音。

cero 「WORLD RECORDS」

言わずもがな、彗星のごとく現れたceroのデビューアルバム。彼らの情熱と若さとアイデアが全部詰まった、ほぼ彼らの手によるD.I.Y名盤。なので、MC.sirafuのパートも全部、MC.sirafu宅で録られている。あののかの後奏のホーンのリバーブ感は当時のわが家の風呂場で録音されたもの。

cero 「My Lost City」

そして大ヒット、ceroの二作目。「大洪水時代」のホーンアレンジは武嶋聡氏によるものだが、一部のホーンラインは、先に録音された僕のラッパの旋律を残し、そこからアレンジが組み立てられていて、非常に面白い手法。ちなみに「スマイル」の間奏における「oh!スマイル！」というナイスな叫びをしてるのも僕だが、クレジットには載ってない。

NRQ 「のーまんずらんど」

元米軍ハウスかなんかの素敵なスタジオで泊まりがけで録った。恐ろしいことに、彼らは全員でほぼ一発録りなのである。一日目の夜、中尾さんがお気に入りのカントリーかなんかをテープに録音して持ってきていて、それがなんか良かった。裏ジャケがMC.sirafuの写真なのは、完全にはめられた。

VIDEOTAPEMUSIC　「summer of death」

videotapemusicの名盤。MC.sirafu参加曲に見るサマーエキゾチックチューンも素晴らしいのだが、彼の神髄は「夏風邪」や「波止場の合唱」に見るウタものにあったりもする。本当のサイケデリック。

VIDEOTAPEMUSIC 「１泊２日」

「7泊8日」を受けてのこのタイトルとかアートワークとか含め、さらにレコ発タイトルが「延泊」だったこととか、彼の才能の全貌は音源を聴くだけではとうてい網羅できるわけがないのであーる。

oonoyuuki 「tempestas」

まさかの全員一発録り。しかし、結果的に捉えられた脈動感とかより、その付加価値として意図せぬ（？）ところで発生した、言語を必要としない越境感覚がこの作品の本質ではないかと僕は思っている。その要因はむちゃくちゃな楽器編成からの多国籍感にもあるだろうけど、距離／非距離という、旅の終着点が自分史を遡ることを示唆しているのではないか？という錯覚さえ起こさせるこの時代のエキゾチックミュージック。

mmm　「ほーひ」

この度まさかの引退表明をした才女。揺るがない彼女の「声」はリアルなので、当然彼女の声で紡がれる唄たちは本当の意味で「リアル」なのかもしれない。あと宇波拓の録音はいつも凄い。mmmの作品を語る上で、彼女の声を見事に捉えた宇波氏の功績は大きい。

Alfred Beach Sandal 「One Day Calipso」

ABSの想い描く音楽像を、一瞬（０.何秒）でも具現化できたんじゃないかと思わせる奇跡の一枚。特に「キャンピングカーイズデッド」とかは「一体どうやって合わせてるんだ？」「どうやって録音してるんだ！？教えろ！」とかよく言われるのですが、僕も録音時のことは全部忘れたので不明です。

昆虫キッズ「ASTRA / クレイマー、クレイマー」

ASTRAのスティールパンの感じは極めてコンテンポラリーな使い方で、密かに気に入っている。彼らがなにをもってスティールパンを楽曲に入れようとしたのかは不明であるが、予定調和な楽器ディレクションなんてのはほんとに犬のエサにもなりゃしないので、僕は彼らを全面的に支持している。両A面「クレイマー、クレイマー」は、２１世紀の勝新太郎「サニー」だ！名曲！！

やけのはら「SUNNY NEW LIFE」

「IMAGE part2」という曲でスティールパンを叩きまくっている。この曲の反響は周りの知り合いたちから珍しく大きかった。やけさんはラッパーなので、プレイにおけるコード感とかよりむしろ、リリックのリズム感とかとの絡み、その辺のアンサンブルを重視していて、とても面白いな！と思った！

yojikとwanda 「Hey! Sa!」

かなりがっつりと参加している。こういう、popsから逃げる事なく立ち向かう姿勢は実はなかなかできることではない。 wandaくんのギターとソングライティング能力は脅威を覚える。でも本人に会った時のイメージとの落差に誰しも再び脅威を覚えるのである。

HAPPLE 「ドラマは続く」

exいなかやろう。古い友達。 yojikとwandaもそうだが、東京インディーズシーンなんてのは誰か（とは誰か？）のカテゴライズ欲の産物でしかなく、そういったとこにはきっといない、本当に良質で先鋭的なポップミュージックを発掘するということこそ、音楽を愛する人たちの使命なのではないかと思うのです。そしてそれはこうやってアルバムに参加させてもらう僕の使命でもある。

うつくしきひかり「うつくしきひかり」

神戸市塩屋にある知る人ぞ知る洋館、「旧グッゲンハイム邸」にて録音。エンジニアはテニスコーツの録音も手がけた西川文章。 2日間泊まりがけで行われた録音は、時間の流れ、生活のBPM、居住空間の響き、そして美しき塩屋の街の音まで、すべてが空気と共に捉えられた作品。ピアノとスティールパン、つまり音楽の調律は、人と生活との調律でもある。少なくとも僕はそう願っている。

ザ・なつやすみバンド　「TNB!」

別に大した意図もなかったけど、その時にできる最良の策がD.I.Yで録ることがベストだっただけの話。でも、ceroの「WORLD RECORDS」の過程とかを見ていたので、そこに少なからず影響はある。なので、録音はほぼ全部MC.sirafuが自分の家でやっている。お金も驚くほどかかってないけど、こうやって予想以上に多くの人の耳にこのアルバムが届いたことは本当に嬉しい。意外に録音とミックスを褒められるので嬉しいけど、もうやりたくない。

片想い「踊る理由」

全国のレコード屋から瞬殺で姿を消した幻の７インチ。実は録った後でカクバリズムからのリリースが決まった。レゲエのブート盤７インチ（ドーナツ）とかに憧れがあったので、僕なりに音をそれっぽくしてる。 B面の「センチメンタル☆ジントーヨー」はまさに7インチB面への憧れが詰まった曲。レーベル社長に無理を言って、ジャケットも簡素な紙ジャケのみにしてもらった。