ヴェルディの主題による幻想曲集 ヴェルディ・ニュースへ戻る

2013年7月8日 (月)

ヴェルディの主題によるファンタジア集
アレッシオ・ビドリ、ブルーノ・カニーノ

ヴェルディのオペラは初演時から人気のあるものが多かったため、ピアノやオルガン、オーボエ、室内アンサンブルなど、さまざまな演奏形態のためにアレンジされていましたが、今回はヴァイオリンとピアノのために自由に編曲されたファンタジアを集めたアルバムの登場です。
　編曲者はヴェルディの同時代人であるアントニオ・バッジーニとカミッロ・シヴォリで、二人ともパガニーニの影響を強く受けた名技的作品で知られたヴァイオリニスト・作曲家でもありました。ちなみに、『群盗』からの主題によるファンタジアは世界初録音となります。

【バッジーニ】
『群盗』と『椿姫』からの主題によるファンタジアを手がけたアントニオ・バッジーニ（バッツィーニ）[1818-1897]は、ブレシアに生まれた作曲家でヴァイオリン教師、ミラノ音楽院では、カタラーニ、マスカーニ、プッチーニなどを教えたという人物。若い頃にはライプツィヒでバッハやベートーヴェンの作品を学び、その演奏はメンデルスゾーンやシューマンにも称えられていたといいます。作曲家としてのバッジーニは、パガニーニの影響を受けており、自らのリサイタルのため超絶技巧を駆使した人気作品の編曲ものにも熱心に取り組んでいました。

【シヴォリ】
『トロヴァトーレ』と『仮面舞踏会』からの主題によるファンタジアを書いたカミッロ・シヴォリ[1815-1894]はジェノヴァの生まれ。パガニーニから唯一弟子入りをゆるされたヴァイオリニストでした。幼い頃より音楽的才能を発揮、パガニーニがジェノヴァに滞在した1822年10月から1823年5月にかけてふたりは出会い、後に師弟関係を結ぶようになりました。1846年にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲をイギリス初演するなど、同時代の主要な演奏家や作曲家と交流し、自分のリサイタルのために人気作品の編曲も超絶技巧のおもしろさを加えておこなっていました。

【演奏者】
ヴァイオリンのアレッシオ・ビドリは、1986年ミラノの生まれ。7歳よりヴァイオリンを学び、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院を首席で卒業しています。
　ピアノは現代物から歌曲伴奏までなんでもこなす才人ブルーノ・カニーノが受け持っています。（ＨＭＶ）

【収録情報】
・バッジーニ：ヴェルディの『群盗』からの主題によるファンタジア [14:44]
・バッジーニ：ヴェルディの『椿姫』からの主題によるファンタジア [14:57]
・シヴォリ：ヴェルディの『トロヴァトーレ』からの主題によるファンタジア [16:28]]
・シヴォリ：ヴェルディの『仮面舞踏会』からの主題によるファンタジア [15:03]

　アレッサンドロ・ビドリ（ヴァイオリン）
　ブルーノ・カニーノ（ピアノ）

　録音時期：2013年3月1-3日
　録音場所：ミラノ
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）