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2013年7月12日 (金)
妖しさ漂うLSOの機能全開、ゲルギエフ会心のシマノフスキSACDハイブリッド盤。ゲルギエフとロンドン交響楽団は、昨2012年シーズンでシマノフスキとブラームスの交響曲を対比上演するという試みを行いました。かたやポーランド近代、かたや純ドイツ・ロマン派と、交響曲を4篇残していること以外共通する点のないふたりの作曲家ですが、ゲルギエフにとって初レパートリーだけに興味津々。今回のアルバムはシマノフスキ作品のみ、ソリストとオーケストラのための3篇が収められています。
カロル・シマノフスキは近代ポーランドを代表する作曲家ですが、生まれ育ちはウクライナ。ロシア・ピアニズムの源流ゲンリヒ・ネイガウスが従兄弟、ホロヴィッツの師だったピアニストで作曲家のフェリクス・ブルーメンフェルトが叔父という、ロシア音楽史から見ても特別な家柄の出です。それゆえか、彼の音楽はポーランドの演奏家のみならず、ロシアの大物たちに愛奏される歴史があり、リヒテルやオイストラフも素晴らしい録音を残しています。
交響曲第3番『夜の歌』は、13世紀ペルシャの詩人ジャラール・ウッディーン・ルーミーの詩をドイツ語からの重訳でポーランド語訳された歌詞によるテノールと合唱付きのオラトリオ風作品で、神秘的で扇情的な歌詞とスクリャービン風の官能性に満ちた音楽。この曲の初演は、1916年11月にアレクサンドル・ジロティ(ラフマニノフの従兄のピアニストで指揮者)の指揮で予定されていましたが延期となり、1921年11月にロンドンにてアルバート・コーツ指揮ロンドン交響楽団により行われました。コーツはロシア革命までマリインスキー劇場の首席指揮者を務めたゲルギエフの大先輩でもあり、同じLSOを指揮しての演奏など、ゲルギエフならびにロシアとの縁の深さに興味津々。極めて大編成で、たくさんの声部による精緻を極めた織物ですが、まさにゲルギエフの真骨頂、驚くべきバランス感覚と統率力で完璧に再現しています。独唱のトビー・スペンスはイギリスのテノール。明るくさわやかな美声がかえってこの作品の変態性を際立たせています。
交響曲第4番は、「協奏交響曲」と呼ばれるピアノとオーケストラのための作品。シマノフスキの晩年にあたる1932年に作曲され、親友の大ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタインに捧げられました。通常のピアノ協奏曲よりもオーケストラの比重が高く、まさに立派な交響曲となっています。マツーエフの師ナセトキンはゲンリヒ・ネイガウスの弟子であり、まさに直系の独奏者。あいかわらずの物凄いテクニックで、ポーランド民俗舞曲に基づくフィナーレなど、プロコフィエフの音楽のようで鮮烈です。ここでもゲルギエフのバランス感覚とLSOの巧さが光ります。
1926年作の『スターバト・マーテル』は、宗教音楽ながらポーランドの民俗音楽の要素濃厚な、シマノフスキ後期の傾向が明瞭な作品。シマノフスキの古代趣味の表れのひとつである16世紀ルネサンス音楽への傾倒が見てとれます。独唱も合唱もポーランド語により、非常に感動的です。
ゲルギエフはシマノフスキの音楽について、「広く聴かれ、認められるのが当然なだけでなく、その音楽で20世紀音楽の発展をより良く理解する絶好の機会だ」と絶賛しています。シマノフスキの交響曲第3番と第4番はこれだけ持っていれば充分な決定盤の登場と申せましょう。(キングインターナショナル)
【収録情報】
シマノフスキ:
1. 交響曲第3番 Op.27『夜の歌』
2. 協奏交響曲(交響曲第4番 Op.60)
3. スターバト・マーテル Op.53(ポーランド語歌唱)
デニス・マツーエフ(ピアノ:2)
トビー・スペンス(テノール:1,3)
サリー・マシューズ(ソプラノ:3)
エカテリーナ・グバノワ(メゾ・ソプラノ:3)
コスタス・スモリギナス(バリトン:3)
ロンドン・シンフォニー・コーラス(合唱指揮:サイモン・ハルジー)
ロンドン交響楽団
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
録音時期:2012年12月、2013年3月
録音場所:ロンドン、バービカン・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND
交響曲最新商品・チケット情報
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
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輸入盤
交響曲第3番『夜の歌』、第4番『協奏交響曲』、スターバト・マーテル ゲルギエフ&ロンドン響、マツーエフ、スペンス、他
シマノフスキ(1882-1937)
価格(税込) :
¥2,739
会員価格(税込) :
¥2,384
まとめ買い価格(税込) :
¥2,055
入荷日未定
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輸入盤
交響曲第1番、第2番 ゲルギエフ&ロンドン交響楽団
シマノフスキ(1882-1937)
価格(税込) :
¥2,739
会員価格(税込) :
¥2,384
-
販売終了
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輸入盤
交響曲全集(第1〜9番、第10番よりアダージョ) ゲルギエフ&ロンドン交響楽団(10SACD)
マーラー(1860-1911)
ユーザー評価 : 4点 (5件のレビュー)
価格(税込) : ¥6,699
会員価格(税込) : ¥5,829
まとめ買い価格(税込) : ¥5,159発売日:2012年10月20日
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輸入盤
交響曲第1番『冬の日の幻想』、第2番『小ロシア』、第3番『ポーランド』 ゲルギエフ&ロンドン響(2SACD)
チャイコフスキー(1840-1893)
ユーザー評価 : 5点 (3件のレビュー)
価格(税込) : ¥4,169
会員価格(税込) : ¥3,628
まとめ買い価格(税込) : ¥3,127発売日:2012年09月04日
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輸入盤
『エレクトラ』全曲 ゲルギエフ&ロンドン響、シャルボネ、デノケ、ゲルネ、他(2010 ステレオ)(2SACD)
シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)
ユーザー評価 : 4点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥4,169
会員価格(税込) : ¥3,628
まとめ買い価格(税込) : ¥3,127発売日:2012年06月29日
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輸入盤
ラフマニノフ:交響的舞曲、ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲 ゲルギエフ&ロンドン交響楽団
ストラヴィンスキー(1882-1971)
ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,739
会員価格(税込) : ¥2,384
まとめ買い価格(税込) : ¥2,055発売日:2012年03月06日
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輸入盤
『ロメオとジュリエット』全曲 ゲルギエフ&ロンドン交響楽団(2SACD)
プロコフィエフ(1891-1953)
ユーザー評価 : 4.5点 (4件のレビュー)
価格(税込) : ¥4,169
会員価格(税込) : ¥3,628
まとめ買い価格(税込) : ¥3,127発売日:2009年12月19日
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輸入盤
『青ひげ公の城』全曲 ゲルギエフ&ロンドン響、ホワイト、ジドコワ(2009 ステレオ)
バルトーク (1881-1945)
ユーザー評価 : 4.5点 (2件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,739
会員価格(税込) : ¥2,384
まとめ買い価格(税込) : ¥2,055発売日:2009年07月08日
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輸入盤
『ダフニスとクロエ』全曲、ボレロ、亡き王女のためのパヴァーヌ ゲルギエフ&ロンドン交響楽団
ラヴェル(1875-1937)
ユーザー評価 : 5点 (5件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,739
会員価格(税込) : ¥2,384発売日:2010年10月30日
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販売終了
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輸入盤
『海』、牧神の午後への前奏曲、『遊戯』 ゲルギエフ&ロンドン交響楽団
ドビュッシー(1862-1918)
ユーザー評価 : 5点 (4件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,739
会員価格(税込) : ¥2,384
まとめ買い価格(税込) : ¥2,055発売日:2011年04月07日
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輸入盤
交響曲全集 ゲルギエフ&ロンドン交響楽団(4CD)
プロコフィエフ(1891-1953)
ユーザー評価 : 4.5点 (10件のレビュー)
価格(税込) : ¥6,050
会員価格(税込) : ¥5,264
まとめ買い価格(税込) : ¥4,537発売日:2006年04月04日
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輸入盤
交響曲第2番 ゲルギエフ&ロンドン交響楽団
ラフマニノフ、セルゲイ(1873-1943)
ユーザー評価 : 5点 (10件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,739
会員価格(税込) : ¥2,384発売日:2010年04月14日
-
販売終了
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