トップ > 音楽CD・DVD > ニュース > クラシック > デュトワ/ベルリオーズ・ボックス

デュトワ/ベルリオーズ・ボックス クラシックお買得ボックス・ニュースへ戻る

%%header%%閉じる

%%message%%

2013年8月1日 (木)


ベルリオーズ・マスターワークス(17CD)
トロイ人、レクィエム、ファウストの劫罰、キリストの幼時、幻想交響曲、レリオ、トリスティア、ロメオとジュリエット、イタリアのハロルド、葬送と勝利の大交響曲、ラ・マルセイエーズ、序曲、声楽曲集
デュトワ&モントリオール交響楽団


シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団がデッカにおこなった数多くの録音の中でも、特に意義深い労作と称えられたのがベルリオーズのシリーズでした。
 ベルリオーズの書いた楽譜情報を精巧にトレースするデュトワ指揮モントリオール響の演奏を、当時のデッカならではの優秀な技術で収録、あまり知られていない作品での信頼度の高さ、有名作品での対旋律や意外な音型の存在感など、デュトワとオーケストラのつくりあげた成果には見事なものがあります。
 手の込んだ管弦楽法や対位法、大胆なアイデアなどが随所に見られるベルリオーズの音楽には、迫力ある全奏や重要な役割を果たす独奏が数多く散りばめられているため、録音が良いと聴きごたえも大幅にアップします。
 デュトワのベルリオーズ・シリーズは、音の粒だちの良さを感じさせる克明な直接音に加え、質感良好でほどよい間接音が特徴的で、そこで聴かれる色彩の美しさには際立ったものがありました。
 当セットには、幻想交響曲、イタリアのハロルド、序曲集、葬送と勝利の大交響曲といったオーケストラ曲に、ファウストの劫罰、ロメオとジュリエットという声楽付き大曲、大規模なオペラ『トロイ人』、そして、レクィエム、キリストの幼時、トリスティア、ラ・マルセイエーズといった声楽曲を収録しています。
 以下、参考までにもとのジャケット画像を表示しておきます。(HMV)

【収録情報】

Disc1-4
ベルリオーズ:
・歌劇『トロイアの人々』全曲(完全全曲盤)

 デボラ・ヴォイト(ソプラノ)
 フランソワーズ・ポレ(ソプラノ)
 エレーヌ・ペラギン(メゾ・ソプラノ)
 ゲイリー・レイクス(テノール)
 ジーノ・キリコ(バリトン)
 ジャン=フィリップ・クルティス(バス)、他
 録音:1993年、サントゥスタシュ教会

ベルリオーズ最大のオペラ『トロイアの人々(トロ人)』は、優れた内容にも関わらず、作品の規模が大きすぎたこともあって、カットされたヴァージョンでの演奏が広まってしまい、原語で全曲上演されるのは1969年のコリン・デイヴィスによる上演まで待たなければなりませんでした。その後はとりあげられる機会も増え、現在ではいくつもの演奏に接することができますが、さらなる完全さを求めた全曲録音ということで注目を集めたのがこのデュトワの録音です。

Disc5-6
・レクィエム(死者のための大ミサ曲)
・『来たりたまえ、創り主なる精霊よ』
・『タントゥム・エルゴ(されば偉大なる秘蹟を)』
・ボルトニャンスキー/ベルリオーズ編:『われらの父よ』『われらはあがめん』『主はよみがえり』

 ジョン・マーク・エインズリー(テノール)
 アンドレ・ドゥ・ルペンティニ(ソプラノ)
 ダークワーズ・ビロドー(ソプラノ)
 マレン・ネルソン(アルト)
 パトリック・ウェッド(オルガン)
 録音:1997年、サン・ジェローム

ベルリオーズのレクィエムは編成が破格です。大オーケストラ&大合唱のほか、ティンパニ8対、大太鼓、タム・タム、シンバル10対、さらに4群のバンダ(各4本のトランペットとトロンボーン)が加わるというもの。さらに、これら大音響が鳴り渡る第2曲「怒りの日」や、第6曲「ラクリモサ」から一転、アカペラによる第5曲「われをさがしもとめ」ではきわめて静謐な音楽という具合に、全10曲の内容は非常に起伏に富んでいます。
  「自作でただ一曲だけを残すことが許されるなら迷わずこれを残してもらうように」というほどベルリオーズ自身強く惚れ込んでいたと伝えらるこの作品は、もともとは「七月革命」による犠牲者の追悼式で演奏されるべくフランス政府から作曲を依頼されたものでしたが、土壇場になって式は音楽無しで執り行われることに決定、作曲料や演奏準備にかかった費用も一切支払われないという困った事態に陥ります。
 しかし、ベルリオーズはほどなくアルジェリア戦争でダンレモン将軍が戦死したという情報を入手、その追悼式典でレクィエムを演奏できるよう陸軍大臣に申し入れた結果、聖ルイ教会での初演が実現することとなったのです。
 大音量部分が有名なこのレクィエムですが、実際には静かでレクィエムらしい情感を湛えた部分が多く、デュトワはそうした部分を澄み切った気高い美しさで聴かせてくれます。

Disc7-8
・劇的物語『ファウストの劫罰』全曲

 フランソワーズ・ポレ(ソプラノ)
 ダルキス・ビロドー(ソプラノ)
 リチャード・リーチ(テノール)
 ジル・カシュマイユ(バス)
 ミッシェル・フィリップ(バス)
 FACE少年合唱団
 録音:1994年、サントゥスタシュ教会

この作品のテキストは、ゲーテの『ファウスト』に着想を得て、ヨーロッパに古くから伝わるさまざまなファウスト伝説などにも影響を受けながら、ベルリオーズ自身が書いたというもので、ハンガリーの場面が最初に導入されたり、ゲーテ作品では最後に救済されていたファウストがここでは地獄行きになってしまうなど、多くの相違点があるというベルリオーズ的に破天荒な内容となっています。
 デュトワは各地でこの曲を指揮するなど得意としており、ここでも万全の運びとオーケストラ・コントロールで聴かせます。

Disc9
・『ファウスト』からの8つの情景
・カンタータ『帝国』
・『入り江にて』
・『デンマークの狩人』
・マルティーニ/ベルリオーズ編:『愛の喜び』
・フランス国歌/ベルリオーズ編:『ラ・マルセイエーズ』

 スーザン・グラハム(ソプラノ)
 シュザンヌ・メンツァー(メゾ・ソプラノ)
 ジョン・マーク・エインズリー(テノール)
 フランソワ・ル・ルー(バリトン)
 録音:1995〜96年、サントゥスタシュ教会

ベルリオーズが若き日にゲーテのファウストを読んで感銘を受け、書き上げたのが『「ファウスト」からの8つの情景』作品番号1。のちの『ファウストの劫罰』は、これをもとに拡大された作品です。
Disc10-11
・オラトリオ『キリストの幼時』
・『水浴びするサラ』
・『東方の3博士の四重唱と合唱』
・9つの歌曲『アイルランド』より「エレーヌ」「美しき旅の女」「神聖な歌」

 スーザン・グラハム(メゾ・ソプラノ)
 ゴードン・ゲッツ(テノール)
 ジョン・マーク・エインズリー(テノール)
 フランソワ・ル・ルー(バリトン)
 フィリップ・ココリノス(バス)
 アンドルー・ウェンツェル(バス)
 マルク・ブヨー(バス)
 スザンヌ・メンツァー(メゾ・ソプラノ)
 録音:1995〜96年、サントゥスタシュ教会

いつの時代にも存在する思い込みの激しい不当な論評に迷惑していたベルリオーズが、自作についての、先入観の無い本当の評価を導き出すため、作者を偽って発表し、結果として大好評を得ることに成功したのがこの作品の第2部「エジプトへの逃避」にあたる作品です。
 演奏の際には、パリ宮廷楽長デュクレにより、1679年に書かれた作品の断章という設定で発表されたのですが、作品がもともと清楚で美しい音楽だったこともあり、そうした架空の雰囲気醸成も大いに奏功、多くの人々が昔の作曲家の作品への賛辞を惜しまなかったと言いますが、その高評価はベルリオーズが真相を明かした後も変わらず、それに力を得たベルリオーズは、3部から成る作品の最初と終わりにあたる第1部「ヘロデ王の夢」と第3部「サイスへの到着」を作曲し、宗教的三部作を完成させることに繋げます。
 全曲となると劇的な要素も要求されるようになり、第1部では、やがて幼子に王座を奪われると予言されたヘロデ王が企てた幼児大虐殺が迫力たっぷりに描かれ、第2部「エジプトへの逃避」の美しさと明確なコントラストを形成してもいます。
 組み合わせはやはり清楚で美しい声楽作品ら選ばれ、ベルリオーズの抒情的な一面を味わうことができます。
 デュトワの演奏は、透明度の高さと淡い色彩の美しさが印象的なもので、清楚な部分と暴力的な部部の対比も鮮やかです。
Disc12
・幻想交響曲
 録音:1984年、サントゥスタシュ教会

ベルリオーズのオーケストレーションの巧みさを完璧に描きあげた上質な演奏。情熱系の演奏では聴けない繊細なバランス感覚やこまかな表情の変化はさすがデュトワ。音質が良いのも特筆されるところで、レコードアカデミー賞録音部門を授賞したアルバムでもあり、第3楽章も細部に至るまでじっくり味わうことができます。
Disc13
・『レリオ、あるいは生への復帰』
・『トリスティア』

 ランバート・ワトソン(語り)
 ジェニファー・シュワルツ(ハープ)
 ロルフ・パーチ(ピアノ)
 録音:1996年、サントゥスタシュ教会


『幻想交響曲』の続編として書かれた、台詞と音楽で構成される劇音楽のような作品。旧作の転用などもあり賛否両論ですが、オケが華麗に響いたり、ピアノ伴奏歌曲になったりとベルリオーズの奇妙な感覚が投影されているという意味ではおもしろく、旋律の親しみやすさもあって楽しめます。
 組み合わせの『トリスティア』は合唱曲集。歌詞の無い叫びが印象的なことでも知られる第3曲「ハムレットの終幕のための葬送行進曲」がベルリオーズ・ファンにはおなじみですが、他の部分も充実した仕上がりです。
Disc14-15
・劇的交響曲『ロメオとジュリエット』
・葬送と勝利の大交響曲

 フローレンス・クィヴァー(メゾ・ソプラノ)
 アルベルト・キューピド(テノール)
 トム・クラウセ(バス)
 録音:1985年、サントゥスタシュ教会

デュトワの『ロメオとジュリエット』は、抒情的な美しさが際立っており、ワーグナーが絶賛したことでも知られる「愛の情景」など素晴らしい官能美が聴きものとなっています。一方で、第1楽章冒頭の喧嘩のシーンでの勢いの良い描写、続く公爵の仲裁でのトロンボーンとチューバによるパッセージの力強さ、第2楽章の「キャピュレット家の饗宴」での盛り上がりぶりなどは迫力十分な仕上がりです。
 組み合わせの『葬送と勝利の大交響曲』は、7月革命10周年記念式典で演奏するため、フランス政府から委嘱された作品。革命の戦いで亡くなった犠牲者を記念碑に改葬する式典のための音楽で、葬送行進曲(第1楽章)と追悼曲(第2楽章)、賛歌(第3楽章)という構成になっており、しかも野外での演奏を前提としているため、巨大編成の管楽器オケと合唱を必要とします。そのためあまり演奏されませんが、ベルリオーズらしい荘厳さ、力に満ちた音楽はなかなか魅力的。トロンボーン協奏曲のような第2曲、合唱が盛大に盛り上げる第3曲など楽しめる内容です。
Disc16
・交響曲『イタリアのハロルド』
・序曲『ロブ・ロイ』
・序曲『海賊』

 ピンカス・ズッカーマン(ヴィオラ)
 録音:1987年、サントゥスタシュ教会

『イタリアのハロルド』 は、英国の文豪バイロンの名を一躍有名にした19世紀初頭の人気作「チャイルド・ハロルドの遍歴」を素材に、ベルリオーズ自身が自由にアレンジしたプログラムに基づいた音楽となっており、「人生の快楽にあきた主人公(ヴィオラ独奏)が、癒されぬ心の傷を抱いて地中海諸国をさまよい、異国の風光と歴史にふれて抱く様々な思いを綴る」という体裁をとった憂愁の美にあふれるストーリー仕立てになっています。
 デュトワの指揮は、冒頭から無類の表現力を駆使したもので、オケの繊細で雄弁な表情、響きの魅力的なことには驚くばかり。ズッカーマンのヴィオラもここでは実にセンスの良い音楽を奏でており、作品のストーリーを彷彿とさせる起伏に富む演奏がたまりません。組み合わせの『ロブ・ロイ』と『海賊』での細密な描写も聴きものです。
Disc17
・序曲『ローマの謝肉祭』
・歌劇『ベンヴェヌート・チェルリーニ』序曲
・序曲『ウェイヴァリー』
・歌劇『ベアトリスとベネディクト』序曲
・序曲『リア王』
・序曲『宗教裁判官』
 録音:1984・93・95年、サントゥスタシュ教会

ベルリオーズ的楽想の宝庫ともいえる傑作序曲の数々。デュトワはオーケストラから多彩な表情を引き出し、活気に満ちた雰囲気でまとめあげています。

 モントリオール交響楽団&合唱団
 シャルル・デュトワ(指揮)

 録音時期:1984〜1997年
 録音場所:モントリオール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

featured item

マスターワークス〜デュトワ&モントリオール響/ベルリオーズ録音集成(17CD)

CD 輸入盤

マスターワークス〜デュトワ&モントリオール響/ベルリオーズ録音集成(17CD)

ベルリオーズ(1803-1869)

ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥16,280
会員価格(税込) : ¥14,164
まとめ買い価格(税込) : ¥12,047

発売日:2013年08月30日
入荷日未定

  • ポイント 1 倍
    欲しい物リストに入れる

%%header%%閉じる

%%message%%

featured item

洋楽3点で最大30%オフ このアイコンの商品は、 洋楽3点で最大30%オフ 対象商品です