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【インタビュー】 Polaris 再始動から1年 ミニアルバム『色彩』リリース ジャパニーズ・ポップス・インタビューへ戻る

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2013年10月4日 (金)

昨年、6年間の長い沈黙を破りシングル『光る音』で再び動き始めたPolarisの2人。 何にも縛られず自然体で作られたというその『光る音』を経て、今新たに届けられたミニアルバム『色彩』にはいったいどのような音が込められているのか。大谷友介さんにお話を伺いました。



-- 6年振りの再始動シングル『光る音』から1年振りのミニアルバム『色彩』のリリースですが、再始動後のPolarisはいかがですか?以前と変わったことなどありますか?

大谷友介(以下、大谷) : 6〜7年の休みというのは、それはそれはとてつもない長い時間で。小学生だった子が思春期真っただ中の高校生ぐらいになるぐらいの時間なんで(笑)。みなさんの生活にあてはめてみると、そんな長い時を経たわけなので、当然、以前の自分とは大きく変化しているし、時代も当然変わっているし。この休止の間に、ソロ活動、他のアーティストのプロデュース、映画音楽の制作などで音楽に接したり制作したりする中で、今までとは違う刺激と音楽観を吸収する時間でした。自分自身の音楽を見つめ直す時間もあったので、音楽を作る上で大切にしたいこと、本当はこれが大切なことだったんだ…などなど、重要な気づきもたくさんありました。
ベースの譲さんも同様に新しい経験を重ねて、ふたりが再会したので、この6〜7年の経験と新たな感覚が、今までの自分たちが作ってきている音楽にさらに刺激を与えて、新しいPolarisの根幹になっています。作りたい、演奏したい、という衝動に、より素直に、シンプルに向き合えるようになったと思います。根源的というか、体の中のリズム、体の奧の深いところから沸き上がる感情に素直に対峙するようになったというか。今、とてもいい状態になってきているんだと思います。

-- 今作『色彩』は、根底に流れるPolarisらしい風景がありながらも、今まで見たことのない新しいPolarisの世界を感じますが、どうでしょうか?完成しての率直な感想をきかせてください。

大谷 : ここ最近は、Polarisの音楽、自分の音楽に素直に向き合えるようになってきました。以前だと、Polaris的な世界というか、イメージ像にとらわれてしまったりすることも多くて、それが沸き上がる音楽にどこかで鍵をかけてストッパーになってしまっているようなところがあったんですが、今はそれがもうないので、扉がバーンて開いた感覚なので。今やりたい音楽をやる、以前だったらチョイスしないような楽曲でもどんどんチャレンジする。だから自然と楽曲の幅も出てくるし、豊かになって。扉が思いっきり開いたみたいです。だから、今作るのが面白いし、やりがいも強く感じるし。何よりみなさんお待たせしちゃったんで(笑)。たくさん新しい曲を聴いてもらいたいですね。

-- 歌詞の部分でも、言葉の選び方や繋がりなど、新しい感覚を感じます。どのような過程を経て完成したのでしょうか?何か意識したことなど、あれば教えてください。

大谷 : 同じく言葉に関しても、6年の時を経たので、自分自身の変化とともに、変わってきています。以前は普通に曲が出来て、その曲のテーマとかサウンドの方向性も考えたりして、ストーリーも自分なりに考えて歌詞を書く、という、たぶん多くの人がやっている手法だったんですが、それがこの5〜6年の間に徐々に変化してきていて。これ、うまく説明出来るといいんですけど…。
実はずいぶん以前から自分の中で実践していることがあって、まず最初の曲の根幹になるメロディーやフレーズを作る段階で、普通はラララ〜などの声で簡単に録音をしたりするんですが、そうではなくて、同時に言葉を必ず吹き込むようにするんです。言葉を書き留めるのではなく、言葉を頭で考えるより先に、メロディーとともに吹き込んでいくんです。何かに憑き動かされているのかわかりませんが、とにかく口を憑いて降りてくる言葉を吹き込む。これ、自分で勝手に降りてくる言葉なので、“降り語”って呼んでるんですけど(笑)。最初は、ほとんどまともな言葉にならないんですけど、繰り返し繰り返しこれをやっていくうちに、徐々に言葉になり、歌になってくるんです。
実は10年ぐらい前ぐらいから始めたんですが、以前はまとまらなかったんで、歌詞にあまり採用したりせず誰にも言わずにコツコツやってたんですが(笑)、これがこのところ実を結んできて、詩になるようになってきていて。それだけでは言葉が足りず、そこに自分の言葉で肉付けしていくことが必要な場合もあるんですが。だから今回の楽曲の言葉は、以前とは違う感覚を持ってもらえたらうれしいです。自分の体内から出る言葉がそのまま出ていると思います。

-- 今回の作品のタイトルを『色彩』にした理由、それに込めた想いなど、教えてください。

大谷 : 上にあるように、新しいPolarisがたくさん収められている作品で、それは以前だと自分たちの中で留めてしまっていたような部分も、扉が開いた感覚なので、いろいろな楽曲が豊かに響いている作品になりました。なので、そのような気持ちを表して『色彩』という言葉をタイトルに付けました。

-- 制作中のエピソードで印象的なものがあれば教えてください。

大谷 : エピソード多すぎて書ききれません(笑)。エピソードではないですが、とにかく没頭して制作していて、今までここまで没頭して音楽を作るというのはあまりなかったんじゃないかなぁ…というぐらい打込んでいます。ちなみに「流体」は1年がかりで作った曲だったり。なんだか堅い言い方しちゃったけど、すごく楽しいです(笑)。現場も以前とはくらべものにならないぐらい、いい雰囲気。リラックスしています。昔は結構ピリピリしてました(笑)。

-- 現在、フルアルバムの制作中とのこと。これからのPolarisはどうなっていくと思いますか?何か予感するものがあれば、教えてください。

大谷 : 実は、さらにさらに制作は継続中で、この『色彩』は2013年のPolarisを表したひとつの切り株のようなものです。去年の「光る音」から始まった新しいPolarisは、助走をつけながらフルアルバムに向かっている感じです。元々自分たちの中にある音楽とPolarisをベースにしながら、まだ見たことのない音楽を作れたらと思っています。



Polaris 『色彩』
 [2013年10月02日 発売]

2012年、6年振りの再始動を果たしたPolaris。壮大なシンフォニー「光る音」は、Polaris、10年代のマスターピースの呼び名も高く、新たな時の始まりを高らかに宣言する楽曲となりました。それに続く作品となるミニアルバム『色彩』は、「光る音」で新たに耕された大地から芽生えた個性豊かな楽曲たちを収録。1枚を通して感じるのは、日常から非日常へ繋がる点と線。馴染みのある懐かしさと今まで見たことのない新しさが交差する景色。柔らかに変容しながらも多様性を内包した果てしなく続く物語。
レコーディングには、ドラムにあらきゆうこ、キーボード、シンセにミト(クラムボン)、チェロに徳澤青弦が参加。エンジニアには松田タダシ氏を迎え、マスタリングはMetropolisスタジオ(UK)のStuart Hawkesを起用。秋の夜空に輝く大四角形のように、ふくよかな広がりを感じさせる重量級のミニアルバムが完成しました。 またジャケットには、お馴染みのムラタ有子による絵をフィーチャー。



収録曲

  • 01. 流体
  • 02. とける
  • 03. Neu
  • 04. 2:30 a.m.
  • 05. さざなみ
  • 06. epilogue


【Polaris プロフィール】


Polaris

大谷友介
/ギター・ヴォーカル
柏原譲/ベース
(L⇔R)
2001年11月にミニアルバム「Polaris」でデビュー。強靱なリズム隊が生み出す圧倒的なグルーヴに透明感あふれる大谷のボーカルが溶け合うアンサンブルが彼らの個性。その音響的なダイナミズム感に溢れたサウンドと日常の中の喜怒哀楽を写実的に描き出す世界観は、ポラリスにしか表現できないポップスともいえる。今までに「Home」「Family」「Union」「空間」、4枚のオリジナル・フルアルバムをリリース。また、ライブでの評価も高く、フジロック他、数々の野外フェスでの名演多数。2005年3月にドラムの坂田学が脱退。2006年の4th アルバム「空間」以降は、大谷、柏原とも、それぞれのソロ活動をスタート。大谷は、2010年2月に活動拠点をベルリンに移し、ソロプロジェクト“SPENCER”を始動。柏原は、FISHAMNSでの活動の他、2011年、茂木欣一(東京スカパラダイスオーケストラ/FISHMANS)、加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ/LOSALIOS)、らと“So many tears”を結成。2012年9月に約6年ぶりとなる新作「光る音」をリリースし、Polarisとして再始動。10分を超える壮大なシンフォニー「光る音」は、彼らの音楽の原点を10年代のサウンドに昇華させ、新たなファンを獲得した。

[関連リンク]
  Polaris オフィシャルサイト
  Polaris Twitter
  SPENCER オフィシャルサイト
  大谷友介 Twitter
  So many tears オフィシャルサイト
  柏原譲 Twitter








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