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「ベルリン・フィル・ラウンジ」第89号:ジルベスター・コンサートが急遽DCHで中継決定! ベルリン・フィル・ラウンジへ戻る

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2013年12月30日 (月)

ベルリン・フィル&HMV提携サイト
 ジルベスター・コンサートが急遽DCHで中継決定!

【演奏曲目】
ブラームス:ハンガリー舞曲第1、3番
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
ヒンデミット:交響的舞曲第3番
ドヴォルザーク:3つのスラブ舞曲
ハチャトゥリアン:《ガヤネー》より4つの舞曲

ピアノ:ラン・ラン
指揮:サー・サイモン・ラトル

 2013年のベルリン・フィル、ジルベスター・コンサートが、デジタル・コンサートホールで中継されることになりました。プログラムは、今年も舞踏音楽をテーマとしています。お馴染みのブラームス、ドヴォルザークの舞曲集に加え、ヒンデミットの交響的舞曲、そしてハチャトリアンのバレエ音楽《ガヤネー(ガイーヌ)》より、有名な〈剣の舞〉を含む4つの舞曲が演奏される予定です。指揮は、首席指揮者のサー・サイモン・ラトルが担当します。
 一方スペシャル・ゲストは、スター・ピアニストのラン・ラン。ラトル&ベルリン・フィルとのCDがリリースされた、プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」での登場となります。技巧性の高い作品だけに、ラン・ランの持ち味が存分に発揮されるでしょう。
 ライブ中継の開演時間は、大晦日の深夜1時30分(1月1日午前1時30分)と、比較的ご覧になりやすい時間帯となっております。この機会に、ライブでベルリンのジルベスターをご体験ください。

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期間終了(1月5日)まであとわずか!デジタル・コンサートホールの12ヵ月チケットを買うと
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 デジタル・コンサートホールでは、年末年始キャンペーンとして、12ヵ月チケットをお求めのお客様全員に、DVD「モーツァルト後期三大交響曲」をプレゼントいたします。演奏者は、サー・サイモン・ラトルとベルリン・フィル。この演奏は、2013/14年シーズンの開幕コンサートの模様を、そのまま収録したものです。当DVDは、一般のCDショップでは購入できない、このキャンペーンだけのスペシャル・エディション(先着限定1000セット。単品発売予定なし)。ベルリン・フィルの最新のモーツァルトを、この機会にぜひお楽しみください。
 プレゼントを受けるためには、12ヵ月チケット(クーポン券)を、デジタル・コンサートホール上で2014年1月5日までにお申し込み下さい。キャンペーン期間終了が迫っておりますので、お早めのご購入をおすすめいたします。

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ベルリン・バロック・ゾリステンのクリスマス・コンサートは、樫本大進の《四季》
2013年12月12日

【演奏曲目】
コレッリ:
オラトリオ《エステ家の聖ベアトリーチェ》へのシンフォニアニ短調
弦楽と通奏低音のための4声のソナタト短調
トランペット、2つのヴァイオリンと通奏低音のための4声のソナタニ長調
2つのヴァイオリンと通奏低音のための室内トリオ・ソナタト長調
合奏協奏曲ト短調op. 6 No. 8《クリスマス協奏曲
ヴィヴァルディ:《四季》

ヴァイオリン:樫本大進
リコーダー:スザン・ゼーガース、サスキア・フィケンチャー
指揮:ベルンハルト・フォルク

 ベルリン・バロック・ゾリステンが、コレッリとヴィヴァルディからクリスマスにふさわしい演目のコンサートをお届けします。前半は有名な合奏協奏曲《クリスマス協奏曲》を含むコレッリの作品集。《クリスマス協奏曲》は弦楽と2本のリコーダーと通奏低音による1725年版で演奏され、サスキア・フィケンチャーとスザン・ゼーガースという2人のリコーダー奏者が華を添えます。
 後半のヴィヴァルディの《四季》では、ベルリン・フィル第1コンサートマスターの樫本大進がヴァイオリン・ソロを担います。古今東西の協奏曲の中でももっとも有名な作品の一つである《四季》は、〈春〉から〈冬〉までの各楽章にソネット形式の詩が付けられているのが特徴。自然や人間、動物の描写は細部にまで及び、改めて詩を読み直してみると新鮮な発見があること請け合いです。樫本のソロにもどうぞご注目ください。

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教育プログラムのクリスマス・コンサートは、「ストリングル・ベルズ!」
2013年12月15日

【演奏曲目】
ストリングル・ベルズ!

ベルリン・フィル弦楽器・打楽器奏者
司会:サラ・ウィリス

 クリスマスシーズンにふさわしいファミリー・コンサートが今年もフィルハーモニーにて開催されます。すっかりお馴染みとなったベルリン・フィルホルン奏者サラ・ウィリスによる司会とその同僚たちによる演奏。今回はベルリン・フィルの弦楽器奏者と打楽器奏者をゲストに迎え、大人も子供も楽しめるプログラムをご用意しています。ぜひご覧ください。

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ハーディングがシューマンの『ファウスト』からの情景を指揮!
2013年12月15日

【演奏曲目】
シューマン:『ファウスト』からの情景

ソプラノ:ドロテア・レッシュマン
バリトン:クリスティアン・ゲルハーヘル
バス:ルカ・ピサローニ
指揮:ダニエル・ハーディング

 ゲーテの『ファウスト』の音楽化は、これまで多くの作曲家によって行われてきました。その一つ、1844年から1853年にかけてローベルト・シューマンが作曲したゲーテの『ファウスト』からの情景は、今日に至るまでコンサートで上演される機会が稀で、いまだその真価が認められているとは言いがたい作品です。シューマンは当初オペラとして作曲するつもりでしたが、原作の巨大な内容からそれを断念。実に9年をかけて完成させたのは、劇音楽とカンタータ、世俗的オラトリオの要素を併せ持つ類のない大作でした。
 この公演を当初指揮する予定だったニコラウス・アーノンクールは、シューマンの『ファウスト』からの情景を「音楽史でもっとも偉大な作品のひとつ」と賛辞を惜しみません。残念ながらアーノンクールは当公演をキャンセルせざるを得なくなり、代わりに10月の定期演奏会でマーラーの交響曲第10番を成功に導いたダニエル・ハーディングが指揮しています。ハーディングは、すでにこの曲を振った経験のある数少ない若手指揮者のひとりで、先シーズンにはバイエルン放送響で取り上げました。 今回の上演では、ファウスト役にアーティスト・イン・レジデンスのクリスティアン・ゲルハーヘル、グレートヒェン役にドロテア・レシュマン、メフィスト役にルカ・ピサローニという万全のキャスティングが揃っています。

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ネルソンスのブラームス「第4」
日本時間2013年12月21日

【演奏曲目】
ヴァスクス:弦楽のためのカンタービレ
エブラハムセン:《レット・ミー・テル・ユー》(初演)
ブラームス:交響曲第4番ホ短調
ソプラノ:バーバラ・ハニガン
指揮:アンドリス・ネルソンス

 2013年最後の定期演奏会は、アンドリス・ネルソンスの指揮で行われました。デンマーク出身の作曲家ハンス・エブラハムセンは、1970年代のドイツで「新しい単純性(ノイエ・アインファッハハイテン)」と呼ばれた、ミニマリズム、新古典主義、新ロマン主義的な作風を持つグループの代表的人物です。1982年3月、ベルリン・フィルが委嘱した彼の管弦楽作品《夜とトランペット》は、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ指揮のベルリン・フィルにより初演されました。今回初演されるエブラハムセンの《レット・ミー・テル・ユー》は、英国人作家ポール・グリフィスの同名の小説を元にした作品で、ソプラノのバーバラ・ハニガンに献呈されます。もう1曲、北ヨーロッパの作品として、ラトヴィア出身の作曲家ペテリス・ヴァスクスの弦楽のためのカンタービレを、同じラトヴィア出身のネルソンスがどのように聴かせるかも注目されます。
 後半は、ブラームスの交響曲第4番。1885年10月25日にマイニンゲンで行われた初演には、当時ハンス・フォン・ビューローのアシスタントを務めていた21歳のリヒャルト・シュトラウスも居合わせていました。彼は父への手紙の中で、「偉大な作品です...。この作品が内包する壮麗さを言葉で表現するのは難しい。ひとたび聴いたら、ただもううっとりするしかありません」とその興奮を伝えています。1886年2月1日のベルリンでの初演後、ヨーゼフ・ヨアヒムも「彼の4つの交響曲の中で、私はこのホ短調の作品が一番好きです」と書き記しています。ネルソンスとっては、ベルリン・フィルでは初のブラームスです。

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ラトル指揮のレイト・ナイトは、バーンスタインほか
2013年12月21日

【演奏曲目】
バーンスタイン:前奏曲、フーガとリフス
ストラヴィンスキー:エボニー・コンチェルト
ゴリホフ/グラウ:《ナザレーノ》

ピアノ:カティア&マリエル・ラベック
ベルリン・フィル団員
指揮サー・サイモン・ラトル

 第1回レイト・ナイトは、ラテン・アメリカ、アメリカの音楽をテーマとしています。バーンスタインの「前奏曲、フーガとリフ」は、ジャズ・クラリネット奏者ウッディ・ハーマンの希望によって書かれたものですが、ラテン・アメリカ、ジャズの影響と、ストラヴィンスキー風の複雑なリズムを融合しています。一方ハーマンは、ストラヴィンスキーが「エボニー・コンチェルト」を書いたきっかけとなった音楽家でした。今回のクラリネット・ソロは、ベルリン・フィル、ソロ・クラリネット奏者のアンドレアス・オッテンザマーが担当しています。
 《ナザレーノ》は、オズバルド・ゴリロフの「マルコ受難曲」に基づいたゴンサロ・グラウの編曲版で、2台ピアノと小オーケストラによって演奏されます。ここでは、ラベック姉妹が登場し、見事な連携を見せています。

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 アーティスト・インタビュー

ダニエル・ハーディング(後半)
「演奏家自身が、演奏という行為を通して、作品を“作曲する”必要はありません」
聞き手:レイチェル・エリョール(ベルリン・フィル チェロ奏者)
2013年9月28日

【演奏曲目】
マーラー:交響曲第10番(クック補筆版)

指揮:ダニエル・ハーディング

 ハーディングのインタビューの後半です。マーラーの交響曲第10番をめぐる話は佳境に入り、ハーディングは熱弁を振るっています。スコアにちりばめられたマーラーの書き込みをめぐって議論が展開されますが、興味深いのは、ハーディングがマーラーとアルマ、愛人グロピウスの3者のやりとりを、映画『マーラー〜君に捧げるアダージョ』とまったく同じように想像していることです。マーラーとアルマ、彼女の不倫は、まさにドラマチックですが、ハーディングはここで、交響曲第10番の理解を助ける手引きを行っています。

ダニエル・ハーディング 「この曲については、“マーラーの最高の作品ではない”と言って否定する人がいます。それは確かにそうでしょう。マーラーは、多くの部分を破棄したかもしれません。もともと彼は、作品を改定することの多い人でした。死ぬ直前に友人に、“私はちょうど第5交響曲(!)を完成したばかりです”と書いています。彼は実際に指揮してみて、納得が行くまで変えたのです。第10番は、現在の状態では最高の作品ではない。でもそのことは、演奏する必要がないという根拠にはなりません。バッハのヴァイオリン協奏曲は、ミサロ短調よりも優れていない。しかし我々は、それを演奏するではないですか。充分に聴くに値するのです。
 そして“これはマーラーではない”という人がいたら、私は“一度きちんと聴いてみなさい。これは、20世紀のもっとも魅力ある交響曲のひとつだと思いませんか?”と聞いてやりたいくらいです。それがどの作曲家のものであるかは、曲自体の価値とはあまり関係ないと思います。
 それから、同じような意見のマーラー・ファンには、こう言いましょう。“この曲には、彼が当時考え、感じていたことが、山ほど詰まっているのです”と。ひょっとすると、彼は全曲を破棄したかもしれない。ここには、彼がどのような考えから、どのように曲を作っていったか、というプロセスが現れています。もし我々が演奏ヴァージョンを作らなかったら、実際に体験できるのは、一部の限られた指揮者や音楽学者だけになってしまいます。どうしてそれを演奏して、皆が聴けるようにしない理由があるでしょうか」

レイチェル・エリョール 「この作品が書かれた時期のマーラーは、非常に辛い状況にありました。心臓病であることが分かり、また妻がヴァルター・グロピウスと不倫していることが分かった」

ハーディングハーディング 「第1楽章のあの不協和音、終楽章でもう一度出てくるあの和音は、絶望の叫びです。作品の背景は、大体こんな感じでしょう。チロルで第1楽章のスケッチを書いている時に、彼が山小屋に帰ってくると、グロピウスが橋の下で待っている。そしてマーラーは、グロピウスを家に連れて帰るわけです。そしてアルマと一緒に目の前に立たせ、“さあ、どうするつもりなんだ”と迫る。そしてその後、書斎に上がって行って、思いをぶつけるようにスコアを書いた…。映画になりそうですが、実際にどうだったのかは分かりません。でも、曲で問題になっているのは、まぎれもなくこの問題です。
 構成的にも、両端のふたつの楽章は、30分くらいの長い曲です。そしてふたつの短いスケルツォは、レンドラーです。田舎風の踊りというよりは、ゆがんでいて、ブラックなんですね。そして真ん中に入っているのが、“煉獄”と呼ばれる短い曲です。草稿の1ページ目では、タイトルが上に書いてあるのですが、下の半分はきれいに取り去られている。何が書かれていたのかは、誰にも分かりません。それはアルマが切り取ったのかもしれない。書いた曲が気に入らなくて切り取ったとは思えません。そういう場合はマーラーは、普通上にバツを書いたのです。マーラーの友人に詩人がいて、この人は同じ時期に“煉獄”という詩を書いています。その内容は、“私は君のことをまだ愛している”というような内容です。“煉獄”というタイトルは、その詩を意識して付けられた名前だと思います。
 同様に、《パルジファル》からの引用もあります。アンフォルタスの苦悩の叫びの和音なのですが、マーラーはそこにわざわざ“Erbarmen(アンフォルタスの台詞。「救いを与えたまえ」の意)”と書いている。別の個所にも和音の引用があって、それは《ワルキューレ》のジークムントへの死の宣告の場面です。そのような走り書きはいくらでもあります。第4楽章のスケルツォには、「死が私と踊る」と書いてあり、「アルムシ、君だけがそれを知っている!」という書き込みもあります。終楽章はドラムの音で始まりますが、ふたりがニューヨークに住んでいた時、ホテルの窓からドラムの音が聴こえてきて、死んだ消防士の葬列が通ったんですね。その時、彼はむせび泣いたんですが、そのドラムの音を終楽章に書き込んだわけです。つまり“君だけがそれを知っている”というのは、そのことを言っています。今となっては、こうした非常にプライベートなことも、我々は知っているわけですが…。このように、第10交響曲には彼が当時体験した苦しみが、そのまま注ぎ込まれているわけです」

エリョール 「ハーディングさんは、このような作品の演奏にあたって、自分の感情をどのくらい盛り込むわけですか」

ハーディング 「私たち演奏家自身が、演奏という行為を通して、作品を“作曲する”必要はありません。この交響曲で言えば、2つ目のスケルツォは、単に演奏するだけで、充分に戦慄すべき内容だと思います。それだけで、マーラーの苦悩や不安が聴こえてくるのです。ですから、演奏家がそこに自分の味を足して、余計に色を付ける必要はないと思います。同時に、私はまだ若いですから(苦笑)、作品に書かれていることのすべてを理解しているとは言えない。いずれにしても、自分が作曲家のような気分になって、曲に感情的な手を加えるのはうまく行かないと思います。ただ、書かれていることを素直に演奏すればいいのです。そして…誰だって、自分が知りたいと思う以上に、死がどういうことか、愛を失うことがどういうことかを、知っています。だから、そうしたことのすべては、聴く人の耳に任せればいいのです」

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 ドイツ発最新音楽ニュース

本コーナーでは、ドイツおよび欧米の音楽シーンから、最新の情報をお届けします。

ヴェルザー=メストがザルツブルク音楽祭《ばらの騎士》を指揮
2014年のザルツブルク音楽祭で予定されている《ばらの騎士》の指揮が、ズービン・メータよりフランツ・ヴェルザー=メストへと変更になった。メータの降板は、春に手術が予定されているため。
 なおヴェルザー=メストは、2012年12月に、翌年のザルツブルク音楽祭の《コジ・ファン・トゥッテ》の公演日程に不満があるとして、同作品と2014年、15年の《ドン・ジョヴァンニ》、《フィガロの結婚》の指揮もキャンセルしていた(© Victor Cucart)。

ピリスがオニックスに移籍
 マリア・ジョアン・ピリスが、1989年から所属しているドイツ・グラモフォンを離れて、オニックスに移籍することになった。最初の録音は、ダニエル・ハーディング指揮スウェーデン放送響の伴奏によるベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3、4番」。さらにオーギュスタン・デュメイとのモーツァルト「ヴァイオリン・ソナタ集」、ベートーヴェン「三重協奏曲」(デュメイ、アントニオ・メネセスとの共演)、ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第31、32番」が予定されている。

次号の「ベルリン・フィル・ラウンジ」は、2014年1月10日(木)発行を予定しています。
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