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ゲルギエフ&マツーエフのプロコフィエフ

2014年1月9日 (木)

若き日のギレリスを彷彿させる鋼鉄のピアニズム。
ピアノ最高、指揮者も最高、オケも最高。
三拍子揃った超充実の演奏


ゲルギエフは自身のレパートリーの中でも、とりわけプロコフィエフの作品に愛着と自信を持っているようで、どのジャンルのものでも素晴らしい出来を示しています。歌劇『賭博者』は2013年度レコード・アカデミー賞特別部門賞を受賞しましたが、今回の新譜はピアノ協奏曲第3番と交響曲第5番。いずれも2度目の録音(1度目の協奏曲はトラーゼの独奏交響曲はロンドン響との共演)となりますが、手兵マリインスキー劇場管弦楽団とお気に入りの若手デニス・マツーエフとの共演で話題性満点。
 マツーエフとはこれまでもラフマニノフ、ショスタコーヴィチ、チャイコフスキーの協奏曲で決定盤を制作してきましたが、難曲で知られるプロコフィエフの3番というのが興味津々。いつもの通り強靭なタッチと目の眩むような超絶技巧が爽快の極み。第1楽章のトッカータ風の走駆は誰よりも速く、曲芸ばりの指さばきに興奮させられます。
 マツーエフ以上に印象的なのがゲルギエフの伴奏。旧盤よりもロシア色濃厚で、出だしから魔術的に変幻自在、初めて聴く作品であるかのごとく新鮮に描きます。どんなに複雑で速い部分でもマツーエフにピッタリと付け、それが全く自然なのが驚きです。
 さらに充実しているのが交響曲第5番。ロンドン響との旧盤は2006年度レコード・アカデミー賞銀賞に輝きましたが、マリインスキー劇場管のボルテージの高さと相まって、旧盤を凌駕する充実度。基本的なテンポは変わりませんが、第3楽章アダージョが1分半ほど遅くなり、さらにたっぷり歌いこんでいるのも特色。重心は低いもののフィナーレのスピード感はゲルギエフならではで、最後まで息もつけぬほど心を鷲づかみにされます。綿密に計算されながらも、ノリの良さを前面に出すところなど、ゲルギエフの神業が光ります。
 ピアニスト最高、指揮者最高、オーケストラ最高で、人間業とは信じ難い世界が実現しました。なお、マツーエフはソチ・オリンピック開会式式典でピアノを弾く予定だそうです。(キングインターナショナル)

【収録情報】
プロコフィエフ:
・ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.26
 録音時期:2012年6月、10月
 録音場所:サンクト・ペテルブルク、マリインスキー・コンサート・ホール

・交響曲第5番変ロ長調 Op.100
 録音時期:2012年4月
 録音場所:モスクワ音楽院大ホール

 デニス・マツーエフ(ピアノ:Op.26)
 マリインスキー歌劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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