シャマユの『さすらい人』

2014年1月25日 (土)

シューベルト:さすらい人、他
ベルトラン・シャマユ


フランスの実力派ピアニスト、ベルトラン・シャマユのエラート・レーベル専属契約第1弾。トゥールーズ出身、パリ国立音楽院でジャン=フランソワ・エッセールに師事した彼は20歳でロン=ティボー国際コンクールに入賞。以降、アムステルダムのコンセルトヘボウやロンドンのウィグモアホール、パリのシャンゼリゼ劇場で演奏、そして何といっても彼の名を一躍有名にしたのが、毎年5月に東京国際フォーラムで開催されている「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャパン」での演奏会。ほかでもたびたび来日して、その都度大満足の演奏を聴かせる彼ですが、昨年のラ・フォル・ジュルネでのラヴェルで名演を繰り広げたことで知られています。
 そんな彼、これまで他のレーベルからもひねりのあるCDをリリースし、そのどれもが話題となっていました。ベートーヴェンやモーツァルト、ショパンなどの王道ではなく、リストの巡礼の年全曲、超絶技巧練習曲や、メンデルスゾーンのピアノ曲(無言歌集ではない)、そしてこれまたあまり手を出す人がいないフランクのピアノ作品集。そして現代作品のいくつかと、ライヴでのドビュッシー。誰もが恐る恐る手を出して、聴いてみて、その魅力に絡め捕られる・・・そんなラインナップでありました。
 今や彼はフランスで現在最高の人気と実力を持つピアニストとなり、いよいよEratoレーベルという老舗レーベルという専属契約を結んでのこの初アルバムはシューベルト。「なんだ、普通だね・・・」。もちろんそんな思いは収録曲を見たとたんに瞬時に消え去ることでしょう。
 「水の上で歌う(リスト編)」「さすらい人幻想曲」の2つのヘビーな作品に続くのは、やはり美し過ぎるリスト編の「連祷 D. 343」と「水車と小川」。あとはあまり弾かれることのないレントラーなどの小品と小さなワルツ。これらの曲を弾く彼は何を訴えたいのか?そんなことを思いつつ、CDをセットして聴いてみましょう。音が煌めき飛び散るかのような「水の上で歌う」。重心がしっかりした音でぐいぐい攻めてくる「さすらい人」。この曲の表現の何と多彩なことか。切なさに胸が痛む「連祷」。ここまで聴くだけで彼の並々ならぬ才能に打ちのめされること間違いなし。
 いくつかの曲に魅了され、最後の曲「Kupelwieser Walzer」へ。これは2014年に生誕150年を迎えるリヒャルト・シュトラウスも関係している珍しい作品。シューベルトが友人のために書いた秘曲を、100年以上の時を経て、シュトラウスが譜面に書き起こしたものです。変ト長調という調性と、シュトラウスがちょっと遊び心で加えたという音が優しく耳に残る印象的なワルツ。後味の素晴らしい、そして何度でも聴きたくなる極上の1枚です。(ワーナーミュージック・ジャパン)

【収録情報】
・シューベルト:幻想曲ハ長調『さすらい人』D.760
・シューベルト:12のドイツ舞曲(レントラー集)D.790
・シューベルト:アレグレット ハ短調 D. 915
・シューベルト:レントラー D.366-12
・シューベルト:3つの小品(即興曲) D. 946
・シューベルト(リスト編曲):『水の上で歌う』
・シューベルト(リスト編曲):『連祷』
・シューベルト(リスト編曲):『水車職人と小川』
・シューベルト=R.シュトラウス:『クーペルヴィーザー・ワルツ』

 ベルトラン・シャマユ(P)

 録音時期:2013年11月
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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さすらい人幻想曲、ほか シャマユ

CD 輸入盤

さすらい人幻想曲、ほか シャマユ

シューベルト(1797-1828)

ユーザー評価 : 5点 (2件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥2,420
会員価格(税込) : ¥2,105
まとめ買い価格(税込) : ¥1,815

発売日:2014年02月11日
入荷日未定

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