シェレンベルガー/最後の7つの言葉、テレマンの幻想曲
2014年6月10日 (火)
ハイドン:十字架上のキリストの最後の7つの言葉(オーボエ四重奏版)、モーツァルト:オーボエ四重奏曲シェレンベルガーほか
名オーボエ奏者、ハンスイェルク・シェレンベルガー率いるドイツのレーベル「CAMPANELLA MUSICA(カンパネラ・ムジカ)」から久々のニュー・アルバムです。過去の作品は、いずれも日本のレーベルではなかなか聴くことのできない玄人好みのラインアップと一流の演奏家たちによるハイ・レベルの演奏、そして納得の音質で日本のクラシック・ファンに大変好評を博していました。
こちらはモーツァルトのオーボエ四重奏曲ヘ長調と、ハイドンの弦楽四重奏曲『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』のオーボエ四重奏版を収録。
シェレンベルガー自身による解説と、その日本語訳つきです。(CAMERATA)
【収録情報】
・モーツァルト:オーボエ四重奏曲ヘ長調 K.370 (368b)
・ハイドン:弦楽四重奏曲 Hob.III:50-56, op.51『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』(オーボエ四重奏版)
序奏
第1のソナタ:父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです
第2のソナタ:あなたはきょう、わたしと一緒に楽園にいるであろう
第3のソナタ:婦人よ、ごらんなさい。これはあなたの子です
第4のソナタ:神よ、どうしてわたしをお見捨てになったのですか
第5のソナタ:わたしは、渇く
第6のソナタ:すべてが終った
第7のソナタ:父よ、わたしの霊をみ手にゆだねます−地震
ハンスイェルク・シェレンベルガー(オーボエ)
ダニエル・ギグルベルガー(ヴァイオリン)
ハリオルフ・シュリヒティヒ(ヴィオラ)
ウェン=シン・ヤン(チェロ)
録音時期:2012年4月6日
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
直輸入盤・日本語解説つき
【ハンスイェルク・シェレンベルガー】
1948年ミュンヘン生まれ。6歳でリコーダーの、13歳でオーボエのレッスンを受ける。17歳のときに「ユーゲント・ムジィツィールト」で1位になり、奨学生としてアメリカのインターローケン国際ミュージック・キャンプに参加。1967年にアビトゥア(大学入学資格)を取得し、ミュンヘン工科大学で情報学を専攻しながら、並行してミュンヘンとデトモルトの音楽大学で、指揮をシュテファーニに、オーボエをクレメントとヴィンシャーマンに師事。
1980年9月からベルリン・フィルのソロ・オーボエ奏者を務める。1983年、同じベルリン・フィルに在籍していたカール・ライスターやウィーン・フィルのメンバーと共にアンサンブル・ウィーン=ベルリンを共同設立し、1990年にはハイドン・アンサンブル・ベルリンを設立。1995年より指揮者としての活動を再開し、指揮とソロを一人で務めることもある。2001年夏、30年間のオーケストラ活動に終止符を打ち、指揮者、ソリストならびに室内楽奏者としての活動に集中するため、ベルリン・フィルのソロ・オーボエ奏者の職を離れた。
ソリストとして、ムーティ、カラヤン、アバド、レヴァイン、マリナーなど多くの指揮者と共演。指揮者としてエルサレム交響楽団、フィレンツェ歌劇場管弦楽団、コムニダッド・デ・マドリード管弦楽団、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ管弦楽団、ローマ・サンタチェチーリア管弦楽団、スペイン国立管弦楽団、カメラータ・ザルツブルクなど、多くのオーケストラを定期的に振っている。1997年に自身のレーベル「カンパネラ・ムジカ」を創設し多数の録音をリリースしている。(CAMERATA)
【キリストの最後の7つの言葉】
「父よ、彼らをお赦し下さい」
「あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」
「婦人よ御覧なさい。あなたの子です」
「わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」
「渇く」
「成し遂げられた」
「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」
これら『最後の7つの言葉』として知られる、死を目前にしたイエス・キリストの七つの言葉に基づく作品は、ハイドンのほかにも、シュッツ、グノー、デュボワ、マクミラン、クルターク、グバイドゥーリナ、トゥルヌミールなどさまざまな作曲家によるものがありますが、代表的な存在はやはりハイドンでしょう。
現在、様々なヴァージョンで知られるハイドンのこの作品ですが、もともとは、スペイン、カディスのサンタ・クエバ教会での聖金曜日の礼拝の際に『最後の7つの言葉』の一つ一つについて説教をする司教が、会衆を黙想させるのに効果的なオーケストラの音楽を希望した、という依頼を受けて作曲されたものでした。
【初演の成功と複数ヴァージョンの出現】
教会での1786年の初演は成功してすぐに楽譜も出版され、さらにハイドンは、演奏機会が増えるよう(?)、翌1787年には弦楽四重奏版も書き上げます。
同じ年には、出版社により鍵盤楽器ヴァージョンもつくられ(校訂はハイドン)、さらに後の1795年には合唱つきのオラトリオ・ヴァージョンまで書かれたという念のいりようでした。
また、演奏の際に、福音書朗読を組み合わせるという本来の姿の復元だけでなく、グレゴリオ聖歌を挿入するといったこともおこなわれるようになり、さらにオラトリオ・ヴァージョンの合唱パートを重唱にして弦楽四重奏と組み合わせたりと、『最後の言葉』のインスピレーションは、ハイドンの手を離れてからも影響力が強かったことが良くわかります。
【ゆったりした曲調と過激な「地震」】
全曲は、7つの言葉に対応する7つのソナタ楽章と、キリスト昇天時の天変地異を描いた急速で迫力のある「地震」の楽章から成っており、終曲の「地震」以外はゆったりとした楽章が続く大曲となっているのが特徴。(HMV)
室内楽曲最新商品・チケット情報
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
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