L.G. ペトロフ インタビュー!
2014年8月27日 (水)
ENTOMBED A.D.
エントゥームドからエントゥームドA.D.への進化。スウェーデンのデス・メタルを築き上げたパイオニアが改名、復活を遂げた。7年ぶりの新作となる『バック・トゥ・ザ・フロント』はバンドがその殺傷力をさらに高めた、エクストリームな一撃に仕上がっている。 結成から四半世紀、バンドの屋台骨を支えてきたヴォーカリストのL.G.ペトロフに、エントゥームドA.D.の船出について訊いた。
- --- あなたと共に初期からバンドを支えてきたアレックス・ヘリッドが脱退した事情について教えて下さい。
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L.G.ペトロフ(以下、L.G.) :正直、何故彼がバンドを去ったのか、俺は知らないんだ。前作『Serpent Saints – The Ten Amendments』(2007)を作ったのは7年前だし、もう彼は新しい曲を書くつもりがなかったのかも知れない。『バック・トゥ・ザ・フロント』を作るにあたって、バンド全員とマネージメントで打ち合わせをして、スケジュールなどが確定したけど、その後、彼は突然いなくなってしまったんだ。でも、それで俺たちがストップするわけにはいかない。俺たちは進み続け、アルバムを完成させたんだ。音楽は俺たちの人生だ。そして、音楽をやるためには、スタジオに入って、世界中をツアーしなければならない。家でギターを弾いても、誰も聴いてくれないんだ。アレックスが脱退したことで、バンド名をエントゥームドA.D.と変えることにした。これまでとは違うんだということを、ファンに知ってもらいたかったからね。
- --- 2013年4月にスウェーデンのスンツヴァルで『クランデスタイン』全曲をオーケストラと共演するライヴを行ったときは、まだアレックスはバンドにいたのですよね?
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L.G. :その通りだ。あのショーは楽しかったね。ただ昔のアルバムを再現するのは、一度だったら良いけど、そう何度もやるものではない。それよりも、新しい音楽をやりたいんだ。アレックスはバンドを脱退してから、単独で『クランデスタイン』をプレイした。ポスターでは“エントゥームドのオリジナル・ラインアップ”と宣伝していたけど、俺もニッケ・アンダーソン(現インペリアル・ステイト・エレクトリック)も出演しなかったし、事実ではなかった。だいたい、俺はニュー・アルバムで忙しかったからね。それに加えて、アレックスはエントゥームドの廃盤になっている過去作の再発プロジェクトとか、過去にばかり目が行っていたんだ。でも他のメンバー達は新しい音楽をやりたかった。どんなものを犠牲にしても、俺たちは音楽を続けたかったんだ。メンバーが脱退することになっても、バンド名を変えてもね!正直、アレックスのことは俺にとっては過去のことになっているよ。意識の中から消えている。今はエントゥームドA,D,として前進していくだけだ。
- --- 『バック・トゥ・ザ・フロント』では、どんな音楽性を志しましたか?
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L.G. :アルバムを作る前には、完成図をイメージしないようにしている。自分たちのイマジネーションを制限したくないからね。ただ考えていたのは、メタル・アルバムを作りたかった。ヘッドバンギング・アルバムにしたかったんだ。いわゆる“デス&ロール”には、あまり興味がなかった。以前のアルバムでは、アレックスが書いた曲では、俺がハイトーンで歌わなければならないときもあった。それは決して俺のベストな部分を引き出すスタイルではないと思う。このアルバムでは、より低音を強調した、デス・ヴォーカルが主体となっているよ。そのおかげで、よりハートの奥底から歌うことが出来た。元々俺が影響を受けたのはスーサイダル・テンデンシーズやモーターヘッド、アイアン・メイデンなどだった。それから、よりエクストリームなバンドに傾倒するようになったんだ。モービッド・エンジェルやナパーム・デスのようなね。そうしてエントゥームドの音楽性が確立されたんだ。それを継承するのが、エントゥームドA.D.であり、『バック・トゥ・ザ・フロント』なんだよ。
- --- このアルバムではデス・メタルのルーツに原点回帰したといえるでしょうか?
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H :あえて“原点回帰”しなくても、俺はずっとデス・メタルが好きだったし、やってきた。ただ、このアルバムではファースト・アルバム『レフト・ハンド・パス』(1990)で使った機材を引っ張り出して、当時のサウンドを一部再現している。あのアルバムは北欧デス・メタルの原点のひとつだし、エントゥームドの音楽性を定義づけた作品だからね。当時のサウンドを現代のアプローチで再創造したのが、『バック・トゥ・ザ・フロント』なんだ。古くて新しいサウンドで、自分たちで誇りに出来るアルバムだよ。どの曲も新鮮だし、アルバムを作っていてエキサイティングだった。5週間スタジオに閉じこもって、このアルバムを作り上げたんだ。
- --- プロデューサーのロベルト・ラギ(イン・フレイムスやハードコア・スーパースターを手がけた)との作業はどんなものでしたか?
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L.G. :ロベルトとの作業は、とても有意義なものだった。彼はバンドの求めているサウンドを察知して、俺たちが期待している以上のものにブーストしてくれるんだ。彼は真のプロフェッショナルだけど、同時に人柄も素晴らしくて、俺たちをリラックスさせてくれた。ベストな精神状態でレコーディングすることが出来たよ。特に彼がこだわっていたのは、ドラムスのサウンドだった。ドラムスに関して求めるレベルがとても高くて、オーレ(・ダールステット)はずいぶん苦労していたけど、最終的にビッグなドラム・サウンドを得ることが出来て、みんなが満足できるものになった。イン・フレイムスが毎回、彼と一緒にやっているのも納得だよ。
- --- アルバムのアートワークについて教えて下さい。
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L.G. :ズビグニュー・ビエラクはヴェイダーやゴースト、ヴァーテインなどのジャケットを手がけてきたアーティストなんだ。彼のアートワークは気に入っていたし、ラフなアイディアを幾つか出してもらった。そのひとつが、俺たちの持っていたイメージとピッタリだったんだ。アートワークの浮かぶ惑星は、エントゥームドA.D.の住むメタル惑星であって、動かしがたい存在感を持っている。闇の中から姿を現して、一般社会の惑星に宣戦布告をして、勝利するんだ。『バック・トゥ・ザ・フロント』というアルバム・タイトルは“後ろから前面に”という意味だけど、同時に“最前線に戻っていく”という意味がある。7年間を経て、エントゥームドA.D.が最前線に戻ってきたんだ。
2014年8月6日発売
【収録曲】
01.キル・トゥ・リヴ
02.ベドラム・アタック
03.パンデミック・レイジ
04.セカンド・トゥ・ノン
05.ベイト・アンド・ブリード
06.ウェイティング・フォー・デス
07.エターナル・ウォウ
08.ディギトゥス・メディウス
09.ヴァルチャー・アンド・ザ・トレイター
10.ジ・アンダーマイナー
11.ソルジャー・オブ・ノー・フォーチュン
12.ゴスペル・オブ・ザ・ホーンズ(日本盤限定ボーナストラック)
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Back To The Front
Entombed A.d.
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