無人島 〜俺の10枚〜 【BudaMunk 編】

■ BudaMunkソロ名義での約1年振りとなるニューアルバムが待望のリリース!

香ばしい"煙"と溶け合い浮かび上がるジャズ/オリエンタル/エキゾチックな"音"のフレイバー、心地よく脈打つグルーヴ、スモーキーに身体を揺らすビート…。

5lack、ISSUGIとのSick Team、mabanuaとのユニットGreen Butter、LAの盟友Joe Stylesとのコラボ、金子巧(cro-magnon)とmimismoothとのジョイント・アルバムのリリース等々、ジャンル/国境の垣根を破るプロジェクトの数々でヒップホップの新たな地平を開拓してきた孤高のビートメーカー/プロデューサーBudaMunkが、その音楽的進(深)化を自身のビートに集約させた待望のオリジナル・ソロ・アルバム『The Awakening』を完成! !
香ばしい"煙"と溶け合い浮かび上がるジャズ/オリエンタル/エキゾチックな"音"のフレイバー、心地よく脈打つグルーヴ、スモーキーに身体を揺らすビート…。数々のプロジェクト/コラボレーションを経て届けられる約1年振りとなるBudaMunkソロ名義でのニューアルバム『The Awakening』は、"和"や"禅"といったキーワードを連想させる映像的で味わい深いスモーキー・メディテーション世界を、インストゥルメンタル・ヒップホップとして昇華させた作品になっている。そう、この作品を耳にした衝撃は、かつてのDJ Krushが歴史的名作『Strictly Turntablized』で完成させたインストゥルメンタル・ヒップホップの世界観を、オリエンタルな地点で昇華させて誕生させた『覚醒』を聴いた時の興奮ともシンクロするようだ! !
08年のBudaMunky名義での処女作『Wednesday』から、ジャズ、ソウル、 ダブ等のルーツ・ミュージックの香りを吸い込んだスモーキーで独創的なビート/グルーヴを生み出してきたBudaMunk。時にMadlibやDillaといった才能になぞらえたりしながら、その才能は早くから世界的な注目を集めてきた。90年代から同時代のヒップホップに影響を受けビートを作り始めたBudaMunkは、"ブーミングなドラムのキックと、際立つスネアからなるビートのスタイル"="Boombap"を自身のビート・スタイルのベースに置き、その進化と深化を実践し数々の名作を生み出してきた。そして、Sick Team、Green Butter、BudaMunk x Takumi Kaneko (cro-magnon) x mimismoothといった、ここ数年の様々なプロジェクトでの経験が、彼の音楽的な広がりを育むと同時 に、その"Boombap"スタイルが揺るぎなく独創的なものである事を再確認させる事にも作用し、更にそのビート・メイクを深化させる糧となっていった。そしてここに届けられたニューアルバム『The Awakening』は、BudaMunkの インストゥルメンタル・ヒップホップ・スタイル="Boombap"が更に磨き上げられた音世界が繰り広げられた1枚になっている。
「聞いた人々を自分と向き合い、自分の中の平穏を見つける空間、時空を作り出すもの」とBudaMunk自身が語るこの作品は、ビートメイクと共に生きるBudaMunkからの深く味わいのある11ピースのライフ・ミュージック・ギフトである! !

無人島 〜俺の10枚〜 【BudaMunk 編】

新しいアルバム『 The Awakening 』は、音楽というよりも、もっとスピリチュアルな部分---自然や日本・アジアの思想とかに影響を受けたアルバムですが、今まで様々なHip Hopに影響を受けて、ビートを作ってきた中で、この作品に影響を与えたと思うような作品を10枚選んでみました。
--- BudaMunk

DJ Krush 「MiLight」 この作品は間違いなく影響を受けた作品です。LAの高校の時、学校の帰りにCD屋に寄ってから帰ることが多くて、日本人のアーティストのCDがHip Hopのセクションに並んでるってだけで買ったんだけど、インスト中心のアルバムを買ったのも初めてだったと思うし、最初はDeep過ぎてそのやばさを理解してなかった作品でした。何回も聞いてるうちに、その深い世界に引きずり込まれ、抜け出せなくなりました。アジア人としてのHip Hopで、黒人とか他の人種とは違う、なにができるのかってことをすごい学んだと思う。 Monju 「Black de.ep」 これは本当に衝撃受けたやつ。MCも日本語でこういう感じの乗せ方は初めて聞いたし、16Flipのプロダクションも独特の空気感で、MCのスタイルも含めて東京の空気にすごく合う音だと思った。 Rza Presents Wu-Tang Killa Bees 「The Swarm (Volume 1)」 Wuには色々ずっと影響を受けてる。Rzaのプロダクションもすげー影響を受けたし、KungFuとかアジアのカルチャーからの影響をHip Hopに取り入れたのも良かった。このアルバムは最近またよく聞いてる。メインのメンバー以外にも、KillarmiyとかBlack Knightsがとにかくやばい。 Afu-Ra　「Body Of The Life Force」 このアルバムにはいってるMasta Killaとやってる「Mortal Kombat」って曲がすげー好き。DJ Premierのアジアっぽいサンプルのビートもやばい。 KanKick 「The Traditional Heritage」 これもインストのHip Hopの見方をすげー変えられた作品。バックグラウンドにすごい色んな音が入ってたり、シンプルなBoom Bapのビートだけなのに、全然飽きる事なく何回でも聞けて、音質とか独特の世界観もあって、インストというスタイルでのHip Hopのアートだと思った。 16Flip 「Smokytown Callin」 16FlipのビートはMonjuで初めて聞いたんだけど、日本にこういうアメリカのHip Hopのノリが有るビートを作ってた人は、当時だと他に誰もいなかっと思うし、それと同時に東京の空気感っていうか、独特の世界もすごい感じた。16Flipのビートに出会ったことで、自分がどういうスタイルでやっていくべきなのかとか、すごい先が見え始めたきっかけになったのは間違いないと思う。 Madlib 「The Beat Conductor」 LootpackやコンピでMadlibを知って、これが初めて聞いたMadlibのインストの作品だったと思う。Kankick同様、音質に独特の空気感があって、当時すごいはまって聞き込んだ。 Nasty Ill Brother S.U.G.I. 「Stiff Fingers」 こいつも、本当に独特な世界観をもってて面白い。俺らの世代とはまた違った捉え方もあると思うし、年齢が若いし、学ぶのも早くてすごい。SP404のエフェクトの使い方とかもたくさん教えてもらったし、色々学ばしてもらってます。この作品にもかなり影響を与えているのは間違いないです。 Elusive & Josh Koslow 「Celestial Impressions」 プロデューサーのElusiveと、弟のトランぺッターのアルバム。シンプルなビートとトランペットの生音の融合が最高。Elusiveは今でもやばいビートを作ってて、最近ではAlpha Pupからアルバムリリースしたんで、是非チェックして欲しいです。 Joe Styles 「Elevation Music」 この作品は、俺がまだLAにいた2004〜05年とか、そのぐらいの時期に全部録った曲を集めた作品。アルバムの半分ぐらいはJoe Styles自身のビートの曲です。彼は、機材もパソコンも持ってないんで、ビートを常に好きな時に作れる環境にはいなかったんだけど、ビートを作る才能はすごく有るし、彼から学んだ事はすごく多い。Joeは、俺が始めたばっかの時からずっと影響を受けているやつで、Joeとかその時のLAの仲間がいなかったら、今の自分も確実にないと思うし、今のスタイルでやってたかもわかんないし、Hip Hopがどういうものなのかも学べなかった思う。今回のAwakeningでも、もちろんJoeと築き上げてきたビートのスタイルがいつも通りメインのベースになっている。Hip Hopの概念も出会ったときから今でも変わらないし、俺もこれから何をやろうと、そのスタンスにそってやっていくことは変わらないと思う。