野口剛夫著 フルトヴェングラー関連作(本)
2014年10月24日 (金)
フルトヴェングラーの遺言〜混迷する現代へのメッセージ
野口剛夫著
四六版、264ページ
「音楽を生きる」ということ ― 偉大な指揮者の至言を読み解く
芸術への視座、作曲と作曲家への思い、演奏のありよう、文明論・人間論等、音楽生活の核心に注がれる、真摯な眼差しと批評精神。その予言者的なメッセージは、後世の私たちにこそより強くアピールし、その意味では今まさに最も読まれるべきものである。
フルトヴェングラーの思想が一部の学者の専有物ではなく、私たちの日々の営みや思考といかに深い関係を持っているか、そこが汲み取れるよう意を尽くした。
フルトヴェングラーを超えて
野口剛夫著
四六判 258ページ
フルトヴェングラーという究極の音楽家との運命的な出会いを契機に、自らの研究会を立ち上げ、指揮、研究、執筆に打ち込んだ著者の20年間の思索と活動の記録。宇野功芳との対談、バッハ、ベートーヴェンから岡本太郎にまで論及する多彩でユニークな論考集。
【目次】
はじめに
1 フルトヴェングラーと私
フルトヴェングラーを見上げて
音楽と政治――戯曲『どちらの側に立つか』を観て
「音楽と出合う」ということ
2 フルトヴェングラーの語り部たち
「百二歳の少女」ついに逝く――エリーザベト・フルトヴェングラー夫人を偲ぶ
テーリヒェンの『あと四十日』をめぐって
追悼講演「フルトヴェングラーとの語らい」――仙北谷晃一氏を偲んで
セバスチャン・クラーネルトに聞く
3 フルトヴェングラーと芸術家たち
フルトヴェングラーのバッハ
フルトヴェングラーとベートーヴェン
ブルックナー――『第九番』での霊妙な祈りのようなアダージョ
ブルックナー――「真の普遍妥当性」を目指して
フルトヴェングラーの自作自演
フルトヴェングラーと岡本太郎
佐村河内問題とフルトヴェングラー
4 東京フルトヴェングラー研究会
音楽家フルトヴェングラーの誕生――フルトヴェングラー百二十回目の誕生日をベートーヴェンとともに祝う
東京フルトヴェングラー研究会管弦楽団第十三回定期演奏会――ブルックナーへの捧げもの
フルトヴェングラーの『交響曲第三番嬰ハ短調』について
東京フルトヴェングラー・フェスト二〇〇九
5 フルトヴェングラーを超えて
対談「フルトヴェングラーの人間と音楽」:宇野功芳×野口剛夫
フルトヴェングラーを超えて――「フルヴェン聴きのフルヴェン識らず」になるなかれ
初出一覧
資料 東京フルトヴェングラー研究会のあゆみ
【野口 剛夫(のぐち たけお)】
1964年、東京都生まれ。中央大学大学院(哲学)、桐朋学園大学研究科(音楽学)を修了。音楽学を加田萬里子、西原稔、作曲を別宮貞雄に師事。昭和音楽大学・大学院講師を経て東京フルトヴェングラー研究会代表。ジャパン・エレクトロニック・オーケストラ音楽監督。指揮、作曲、研究の多方面で活動し、NHKニュースや「朝日新聞」で取り上げられる。フルトヴェングラーの作曲作品の紹介に努め、『テ・デウム』や『交響曲第3番』などの日本初演を指揮。作曲に『ピアノのためのコンポジションズ』『弦楽四重奏曲』、『交響詩「神代の調べ」』(イエナ・オーケストラ講習会委嘱作品)などがある。著書に『フルトヴェングラーの遺言』(春秋社)、訳書にはハインリヒ・シェンカー『ベートーヴェン第5交響曲の分析』(音楽之友社)、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ『フルトヴェングラーと私』(河出書房新社)などがある。また「新潮45」2013年11月号掲載の論説「“全聾の天才作曲家”佐村河内守は本物か」が大きな反響を呼び、第20回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞。
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ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
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