高垣彩陽 2ndアルバム『individual』発売記念インタビュー

---まずはお誕生日おめでとうございます！

高垣さん：ありがとうございます！無事30歳になりました！

---誕生日を迎えられて心境はいかがですか。

高垣さん：20代最後のイベントを誕生日前日に「バースデーイブ ミニコンサートイベント〜last twenties night〜」という形でやらせていただいて、そして当日がスフィア名古屋ライブだったということで、わりとバタバタしていて、誕生日の週は怒涛のように過ぎていきました。でも本当にこんなに人生で祝福されたことってあるかな？って。20代の締めくくりと30代のスタートが最高のものになったなと感謝の気持ちでいっぱいです。

---そして節目のタイミングで、オリジナルアルバムとしては『relation』以来2年半振り、カバーアルバムを挟んでも『melodia 2』以来約2年ぶりとなる『individual』がリリースされます。

高垣さん：2015年の下半期にアルバムをリリースしようと思うってスタッフさんに言われたときに、あっ！ちょうど制作期間が29歳で、リリースするときには30歳になっているという一つの節目というところがあるなぁと思ったので、今回のアルバムも人生の節目となるようなアルバムにしたいなという思いで制作を進めてきました。

ここまでの感謝と、これからへの希望を込めたいというのと、そして今の気持ちをパッケージしたいというのもあります。年齢の10の桁が変わるっていうのは気持ちとしても、色々ナイーヴになるところもあったりとか、将来どうなるんだろうな…とか、不安と期待が入り交じる時期だなと感じていました。諸先輩方から、29歳はそういうもんだよ！って言われていて、それなら逆に今のモヤモヤしたものだったりする思いもこのアルバムに投影することができたらいいなと思う気持ちがありました。

今回の『individual』というタイトルはワードとしては独立とか、確固たる！という我の強さがあると思うんですけど、私の中では1人でも立っていられるっていう自立だったり、抑圧から開放されるっていう意味の独立ではなく、逆に私の中では大人になるっていうことは、柔軟になっていくことなんじゃないかなっていう思いがあります。勝手ながら『individual』というワードに柔和なイメージを持っていて。他にも特有な個性という意味もあって、ここまで色んな出会いだったり経験に育まれて今の自分の個性がここにあるんだっていう、それが自分になったんだっていう思いを込めての『individual』というタイトルを付けました。

---アルバムリード曲「Walking On Sunshine」は作詞mavieさん、作編曲藤田淳平(Elements Garden)さんという高垣さんとはデビューシングルから「シンフォギア」EDチームとしてもお馴染みのコンビが手掛ける楽曲ですが、とてもクラシカルというかミュージカル調？でファンタジックですね。

高垣さん：まさにそうですね（笑）。今回アルバムのリードとしてどなたに書いていただこうというのと、どんな楽曲にしようというところで、お二人にお願いしたのは、藤田淳平さんはデビュー曲「君がいる場所」を書いてくださった作曲家さんで、そのカップリングで出会ったmavieさんという作詞家さんがいらっしゃって、この2人のタッグで「シンフォギア」のシリーズも歌わせていただきました。

今回のアルバムには「シンフォギア」の楽曲では「Rebirth-day」と「Next Destination」が入るんですけど、改めて振り返ってみた時に、こんなにお仕事をご一緒させていただいているのに藤田さんにはタイアップ以外の曲を書いてもらったことがないんだって気が付きました。藤田さんにオリジナルで曲を書いていただいたらどんな曲が生まれるんだろうっていう思いもあって作曲は藤田さんにお願いしました。じゃあ作詞家さんはどなたにお願いしようって考えたときに、mavieさんとのタッグでリードを書いていただいたらきっと素敵な曲が産まれるだろうということでお二人にお願いしました。

今回音楽プロデューサーの方から、リード曲のアイデアで高垣の1つのパーソナルはミュージカル好きというところがあるから、ミュージカルのようにセリフ調になっている要素がフックになる楽曲がいいんじゃないかって言っていただいて、そこから「Walking On Sunshine」の制作が決まりました。ただミュージカル的といっても、どこまでセリフっぽいのかとか、どういうミュージカルなのかとか、切り口がたくさんあるので、自分でも改めて好きなミュージカルの楽曲を色々聴いたりして、こういう方向性ならありかもしれないと考えて、アイデアを出したり、打ち合わせさせていただいて、生み出していただいた曲です。

イントロから掴まれるような壮大さがあって、霧が晴れていくような、景色が想像できる音楽だと最初に聴いた時に感じました。そこからmavieさんとも打ち合わせさせていただいて、今までを振り返りながら将来を見つめていくという未来に希望を持てる曲がいいですってお伝えしました。デビューの頃から私の変化だったり悩みだったり、折々でmavieさんも観てきていただいているので、それを踏まえての歌詞を書いてくださったんだなと。え？！何故私のことをこんなにも分かってくれているんだなって（笑）。歌詞を見て手紙みたいだなと思いました（笑）。

今回『individual』っていうワードは、アルバムの各曲にも相応しいなと思っています。かなり曲の幅があって、個性が強い曲がある中で「Walking On Sunshine」は希望に満ちたリード曲に相応しい一曲になったと思っています。

---スフィアの名古屋公演で初披露されたとのことですが、歌ってみていかがでしたか。

高垣さん：誕生日の公演だったということで、できれば25日から歌いたいなと思っていました。自分のラジオで解禁はしていたのですが、歌唱は初めてということで初披露しました。

---Music Videoは昨年9月に出演された舞台「キバコの会」の堤幸彦監督が担当されたとのことですが。

高垣さん：舞台でお世話になっていたので、以前から撮っていただきたいと思っていました。今回この節目であるアルバムで参加していただけたら最高だなと、お願いしましたら引き受けていただいて。

---映像は堤監督のイメージした世界観ですか。

高垣さん：まずは曲を聴いていただいたうえで打ち合わせもさせていただき、この曲を堤幸彦監督の世界観で描いていただきました。自分がこの曲を初めて聴いた時にはイメージしていなかった、荒廃した世界やガスマスクなどインパクトある映像で表現してくださいました。この楽曲の世界観が膨らむ映像になったなと感謝しています。

---撮影現場はどのような感じでしたか？

高垣さん：これまでソロのMVでは「愛の陽」で馬としか共演したことがなかったのですが、今回初めて子役の女の子と共演させていいただきました。その子がもう、めちゃくちゃ可愛くて！私含めスタッフの皆が癒やされていました（笑）！MVの中で二人でその娘とお揃いの白いドレスを着させて頂いたのですが、それも監督のひらめきによるアイデアでした。時間もかなり限られていたのですが、衣装さんがとても頑張ってくださって、もともとあった私の衣装に合わせたデザインの子供用ドレスを手作りで作ってくれたんですよ！監督もそのお手製衣装には大絶賛で「グッジョブ！」を連呼されていました。実際にその衣装を着た子は「わ~お姫様みたい！」って凄く喜んでいて、とても楽しい撮影現場でした。

改めて堤監督が凄いお方だなと思ったエピソードがひとつあって、当日撮影した現場のすぐ近くでエンジンの付いた飛行機のラジコンを飛ばしてらっしゃるグループの方達がいらしたんですね。その方たちは私達が何かの撮影をしていることに気を遣ってくださったらしく、ラジコンの操作を自重しようとしていたらしいのですが、監督が「いやいや、ぜひそのラジコンを飛ばしてください」と言われて、元の予定にはなかったプランをその場で取り入れて予想外の状況すらも演出のひとつにしてしまうという監督のアイデアに、本当に驚きましたし、こうやってご一緒にお仕事をさせていただき、素敵な作品を作っていただいてとても光栄だなと思いました。

---なるほど、貴重なエピソードを有難うございます。それではアルバムの最後に収められている「縁」についてお伺いさせてください。この曲は高垣さんの作詞作曲による楽曲ですね。

高垣さん：20代のうちにやりたいと願っていたことをギリギリのタイミングで実現させる事が出来ました。 1stアルバム『relation』収録曲で「ソプラノ」という石川智晶さんに作っていただいた曲があるのですが、この曲には智晶さんからの私へのメッセージが込められているような気がしていて、この時から自分で曲を書いてみたいと強く思うようになりました。シンフォギアでもお世話になっているElements Gardenの上松範康さんにも「声優やアーティストをやる人間なら、自分で作詞作曲をした曲を歌うということはきっと貴重な体験になるよ」とアドバイスをいただいたり…たくさんの方々に背中を押していただいた結晶が今回の「縁」という楽曲です。

アレンジはスフィアのライブでもお世話になっている籠島裕昌さんに担当していただきました。もともとサビのフレーズだけはずっと昔からあって、iPhoneで録った鼻歌だった私の曲が目の前で籠島さんの素敵なアレンジによってどんどん曲として完成していくことがとても嬉しかったです。お世話になっている皆さん、そしていつも応援してくださる皆様に自分の言葉と自分の音で感謝の気持ちを伝えたくてこの曲を作ったのに、この曲が産まれたことによって改めてその感謝の気持ちがより一層大きくなりました。そういう意味でも今回の作詞作曲は本当に貴重な体験になったと思っています。

---先日のイベントでも初披露されたんですよね。

高垣さん：先日行われたバースデーイブイベントで初めて歌わせていただきました。歌詞の内容も今の気持ちをストレートに書いたものなので恥ずかしさもありましたが、客席からは鼻をすするような音も聞こえてきて、ちゃんと気持ちが伝わったのかなと思うと今後この曲を大事に歌っていきたいなと思いましたし、これからも作詞作曲にチャレンジしたいなと思っています。

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